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01 目覚めは朽ちた建物の中で

「あ、綺麗…」


 カプセルの内蓋の表面に美しい女性が映っていた。腰まである銀髪にノベル作品のヒロインと思えるぐらい整った容姿。瞳の色は蒼眼。服装は動きやすいように青を基準とした上着とスカート。


 軽く手を動かすと内蓋の表面に映る女性の手が動く。不思議そうに顔を傾けると、彼女も同じ動作をするって…これ私!?


 カプセルの蓋を慌てて開けた。まるで荒廃したSF作品に出てきそうな研究室の中央に私が寝ていたカプセルがあった。


「本当に転生したんだ…つう!?」


 呆然としていると私に向かって小さな鉄の球体が頭に勢いよくぶつかってきた。


「いだぁ!! …く、ない?」


 明らかに固そうな金属球体が頭にぶつかってきたのに痛みがない。しかも、体の中に何かが流れていく感じがすると、頭の中で文字が浮かぶ。


「ギフト:痛みの加護」

(効果)全ての苦痛を無くし魔力に変える。

 

 「え、魔力に変えるって…?」


 そういえば、あの青年は「痛みなく、幸せに暮らして欲しい」とか言っていた。

 試しに頬を強くねじってみた。痛みがなく、代わりに体の奥に暖かい何かが生まれる。

 

 「え…? まさか? これチートだったりする?」


 アニメやゲームをこれまでやってきて、ひそかにオリジナルキャラやら能力を考えてきたオタク脳がフル回転した。


 全ての苦痛を魔力に変えるってことは、剣で刺されようが魔法で焼かれ潰されようが無痛でしかも魔力が貯まる。

 しかも「無くす」ってことは傷もできず、骨も折れたり頭を粉砕されない…はず。


 「うぁ…試したくないな…っと、忘れてた」


 ギフトの効果について考えて、さっき頭にぶつかってきた球体の事を忘れていた。

 気づいたら私にぶつかった謎の球体は宙に浮かび形を変えて手の形になった。


「もしかして、握手?」


 なんとなく握手を求めているようで何も考えずに右手を差し出した。

 私の右手があらぬ方向へ捻じ曲げられなどなく。普通に握手しただけだった。


「ちょ! まっ、まって!?」


 そのまま金属の手に引かれしまいカプセルから出た。

 部屋の端に連れてこられ古い冊子と銀色の眼鏡が置かれた机の前で手を放された。


「えっと、これを読めってこと?」


 人の手の形に変化した謎の球体は親指と人差し指で「○」を作る。

 この謎の金属はアレかな? スマホゲームとかに出るチュートリアル的に助けてくれる存在かな? と思いながら古い冊子と銀色の眼鏡を手にした。



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