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第二十七話

土日は更新お休みです

うーん。忙しい。

忙しいとしか言えない。

太陽が昇ると同時に起きて走り込みと剣の打ち込み。

朝食を家族皆で取りその後は魔法と剣術の指導を受ける。

軽く汗を流して昼食。

そして午後からはパーティーに向けてのダンスの練習やアルバとルーチェと共に勉強。

夕食後風呂に入って部屋で騎士さん達と談笑と言う名の情報交換。

寝る前に軽いストレッチをして就寝。

休日もダンスの練習は無いが、基本これと同じ様な事をして過ごしている。

少しと言うかかなり寝不足気味だ。

朝起きて鏡を見たら隈ができてたし、アルバやルーチェや両親に余計な心配を掛けさせないために部屋に置いてあったファンデーションで隠している。

慣れたものよ!!

だてに前世でも同じ様に隠していた訳ではないのだ。

「兄様!今日もお手合わせお願いします!」

「おー、今日も頑張ろうな」

互いに一礼し剣を構える。

審判役であるヴァレリオ卿の合図で、俺達は同時に剣を相手に向けて振り翳した。

慎重や体格の差いよってアルバの為に造られた剣であっても俺の首から上を攻撃するのには今のアルバでは難しい。

だからこそ、それすらも自身の長所として活かす術をアルバは知っている。

大きく振りかぶるのではなく、持ち上げはするが狙うのは腹や足、高くても腕や肩だ。

それも狙う場所はそれらの場所の繋目部分。

実践でそこを攻撃すれば僅かな切り傷であっても、下手に動かせば傷が広がり時間を掛ければ掛けるほど相手側が不利になる。

それにアルバは目がいい。

相手の攻撃を冷静に判断し僅かな隙きも見逃さず透かさず攻撃を入れる。

攻撃を入れた後は必要最低限の動きだけで相手の攻撃を避け、ジワジワと相手を追い込んでいく。

そしてそこに魔法も加われば相手からすればたまったものではないだろう。

剣での攻撃を避けても炎で作り出された矢で攻撃される。

それを凌いだとしても更に別の炎で造られたモノが襲ってくる。

しかもアルバの魔力量は底が知れないから更に地獄でしか無いだろう。

それが今俺を襲っている。

純粋な剣術でもアルバの場合は型に嵌まった動きなため対処が出来るが、魔法込であると今は何とか俺が勝ててはいるが、それも何時まで持つか………。

兄として弟の成長は喜ばしいが同時にその成長速度に肝が冷える思いだ。

流石ゲームのメインキャラ。

主人公補正怖い。お兄ちゃんは弟に負けないように、頼ってもらえるように強く在るために毎日必死です。

対して俺の戦い方はアルバとは真逆だ。

型に嵌らず何方かと言えば剣舞だろうか。それに近いものだ。

踊るのは好きだし、小さい頃は趣味で毎日のように踊っていたからな。

こっちで目覚めてからは寝たきりで筋力の衰えた体を動かすために踊っていたし、それは今も続けている。

足運びも軽やかに、足全体を地面に付くのではなく爪先を重心にして動く。

魔法を使ったとしてもアルバの様に強い魔法は使えない。

だから最低限の目眩ましとして使うくらい。

別にアルバの事を下に見ているわけじゃない。

ただ俺が上手く使えないだけなんだ。

どうしてか魔法は使えても思った威力が出ないのだ。

魔力を抑えるための物を付けているが、どうにもそれだけではなさそうな…………?

「今日こそ勝ちますよ!!」

「まだまだ弟に負ける気は無いぞ?」

体を小さくして一気に懐に潜り込んできたアルバ。

突き出された剣を持っている剣で流し、体を横にずらす。

間髪入れずに炎の矢が何十本も打ち込まれるが、クルリと回転し軽やかなステップを踏んで回避する。

用意していた炎の矢を打ち切ったアルバが更に新しい矢を作り出す前に、今度は俺がアルバに肉薄する。

剣を先のアルバの様に突き出し、彼が避けると同時にその場所に蹴りを入れる。

足は無し?決闘らしくない?

使えるものは何でも使うのが俺の主義何でね。

決闘なんて、ここがもし本物の戦場だったら?相手は待ってくれない。

それが人であってもモンスターであってもな。

防具で護られているとは言え多少なりとも衝撃は行く。

腹を抑え片膝をつきつつも体勢を整えようとするアルバの首に剣を当てる。

剣先で顎を持ち上げ俺の勝ちだと伝えれば、僅かにあがった息と上気した頬から汗を溢し苦笑した。

「そこまで。二人共また強くなったなぁ」

ヴァレリオ卿の声に剣を下ろし、立ち上がるアルバに手を貸しながら卿から受け取ったタオルを有り難く使わせてもらう。

「また負けてしまいました……」

「でも前より魔法の使い方も制度も上がったな。

最後の懐に入られた時は驚いたよ」

「次は絶対に兄様に勝ってみせます!」

「楽しみにしてるよ」

頭を撫でてやれば俺に勝つと宣言したキリリとした顔から一転しふにゃふにゃな笑みを見せる。

これに関しては俺は既にそのアルバの笑みに毎回白旗を振って降参してるんだけどな。

ホント、その可愛さに心臓がドキドキし過ぎていつか止まってしまいそうだよ。

敵わないなぁ。

アルバやルーチェの格好良い自慢の兄になれるよう、これからも頑張るからな。

「負けたらアルバのお願いを一つだけ何でも聞くよ」

「何でも?」

「何でも」

「約束ですよ!後からナシは駄目ですからね!」

「俺がアルバに嘘ついたこと無いだろ?」

「やった!」

嬉しそうに両手を上げるアルバの姿に、ヴァレリオ卿と目が合って互いに笑いあった。

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