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第二十一話

暫く経って、両親の傷は癒え俺も剣や魔法の鍛錬に今まで以上に打込んでいた。

あの襲撃以降、親戚が何人か居なくなったりはしたが特に何事もなく平和に過ごせていた。

「兄様!今度姉様も誘ってお茶会をしませんか?」

「ん?お茶会?」

「兄様に紹介したい友人が居るんです」

「あぁ、この前言っていた子?」

「はい!」

キラキラと眩しい笑みを浮かべながら駆け寄ってきたアルバを抱きとめれば嬉しそうにお茶会の提案を受けた。

ルーチェと行った時にアルバと遊んでいた友人を紹介してくれるらしい。

前々から紹介したいとは言われていたが、襲撃の件もあり中々時間を採ってあげることが出来なかった。

両親の怪我も治ったし比較的安全になった今ならお茶会くらいは大丈夫だろう。

「そうだな。父様と母様、ルーチェがいいと言ったらやろうか」

「やったぁ!約束ですよ!」

「約束だ」

まぁ、皆賛成してくれそうだけどな。

一応、騎士さん達にも話しておこう。

………襲撃が終わって誘拐事件も成りを潜めているが、犯人が捕まったわけではない。

あの時、フードの男を取り逃がさなければ不安が残ることもなかったんだがな。

フードの男と対峙し、少なからず会話をした俺が狙われるかもしれないという僅かな疑念と神の愛娘であるルーチェと膨大な魔力量を誇るアルバが狙われる可能性が高いことから、今後も護ってくれる騎士の二人を思い出し苦笑する。

片や騎士の業務から離れて休めると言い、もう片方は騎士として必ずお守りします!とやる気に燃えていた。

「あっ、そう言えば手紙の返事を書かないとな」

「それって、姉様といったお茶会で会った子とですか………」

「どうしたー?何でそんなムスッとしてるんだ??」

唇を突き出し拗ねた顔をするアルバの頬をムニムニと弄り、プクーッと膨らんだ頬を潰せばプシューと空気が抜けた。

「だって兄様が楽しそうだから……」

「そうかー?でもあの子もルーチェとアルバに会いたいって言ってたぞ」

あのお茶会で会った少女、チーロ・ステファノ嬢。

金髪に蒼眼の可愛らしい少女とは、手紙のやり取りを行っていた。

好きな本の話だったり好きなお菓子の話だったりとジャンルは様々だが話が合うのか話題が尽きることは無かった。

「兄様の弟は僕だけですからね……」

「かっっっっっわいいなぁ〜俺の弟は!」

「わぁ!兄様っ?!」

ボソリと呟かれた嫉妬の言葉。

それが可愛くてアルバの頭を撫で頬を捏ね繰り回す手が止まらない。

「俺の弟はアルバだけだよ。妹もルーチェだけだ」

「分かってるならいいです。でもちゃんと僕と姉様を構ってくれるなら、増えてもいいですよ」

可愛い。

でも何方かと言えばチーロは妹ポジじゃないか?女の子なんだし。

まぁそんな些細なことは放っといていいか。

「じゃぁ姉様と父様達には僕から話しておきます。

鍛錬中だったのに邪魔をしてしまいすみません」

「そろそろ休憩にしようと思ってたから大丈夫だよ。

許可が取れて日程も決まったら教えてくれ」

「分かりました」

俺の腰元に回していた腕を解き、手を振って屋敷へと戻っていくアルバに手を振替しなが見送る。

「お茶会です?」

「…………相変わらず急に背後に来ますね」

「驚きました〜?」

「もう慣れました」

「え〜、つまらないなぁ〜。次は違う出方にしよ」

「止めて欲しいです……」

何時からいたのか分からないが、最早急に背後を取られても驚かなくなって来たよ。

「お茶会をしたいみたいなんですけど大丈夫そうですかね?」

「お茶会くらいなら問題ないですよ〜。その代わりお菓子下さい」

「何時も食べてるのに?」

「お菓子はいくらあってもいいでしょ〜?」

今の今朝渡したクッキーを食べているのに、案外この騎士様は食いしん坊なのかもしれないな。

護衛としてここに派遣された日から朝と夜に俺の部屋での情報交換や警備内容を相談する際に作ったお菓子が起きに召したらしく、彼等にお菓子を渡すのが日課となってきている。

『ルイは何時お嫁に行っても大丈夫ね』とは母様の言葉だ。

母よ俺が行くとすればお婿だよ。それかお嫁さんを貰う方だからね?

「夜はマフィンが食べたいな〜」

「用意しておきますね。もう一人の騎士様は?」

「彼は周囲の見回り中〜、多分もうすぐ戻ってくるよ〜。

それまで手合わせでもする?」

「いいんですか?」

「いいよ〜、魔法を使って姿は見えないようにして音も遮断しておくから思う存分暴れよ〜」

「ハハハ、宜しくお願いします」

その提案は有り難い。

有り難いが怖いんだよな。

護衛騎士団の団員だから当たり前だろうが、俺の目の前の彼ももう一人の騎士様は強い。物凄く強い。

剣技の鋭さも力強さも、魔力の練り方も魔法の使い方に到るまで、今の俺では到底及ばないくらいの強さだ。

そんな現役の騎士様方に教えを請う機会は逃せないが、如何せん彼等の指導はスパルタなのだ。

そして何方も感覚型なため口で教えるより見て覚えろのスタイルなので兎に角戦い続けるしか無いのだ。

「最近はルイーナ様も強くなってきてますからね〜。

今日は今までより強くしてみましょ〜」

………もしかしたら今日は駄目かもしれないな??

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