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第百二十六話

「その魔法は、具体的にどうやって使うんだ?」

「はい。人体の体温を感知する魔法は例え姿を消してたとしても体温でその姿を捕らえ侵入を感知するものです」

 この世界の魔法は、前世でよくあったような様々な魔法が自在に使えはするが人体の体温を感知する魔法などは存在しなかった。

その為、姿を消す魔法はあっても存在の全てを消す事が出来ない事から、暗殺も誘拐もその手の犯罪は減ること無く手を焼いていた。

 だがその手の思いつきが無くとも、ルイーナには前世の仕事柄頼りにしていた様々な警備システムの知識、何をどうするのかと魔法を使う上で必要不可欠なイメージが具体的な形として脳裏にある。

「もう一つは姿を消すこと無く学園に侵入したり、誰かに姿を変えて侵入した者。

そして事前に登録されていない者を学園内に感知すれば監視を行う為の魔法です。

そしてこれら全ては術者の他にも第三者にもすぐさま伝える事が出来ます」

「確かにそのような魔法があれば警備の質も上がるな………」

 ルイーナが提示したものは、前世の侵入を感知すればすぐさま警備会社に連絡が行き人を派遣してくれる企業をイメージしたものだ。

この場合その警備会社から派遣される者の役割を果たすのはジュラルドとロベルトなのだが………。

因みにルイーナは警報機と警備会社から派遣される者の両方を担っている。

「だがその魔法はこの学園全体を覆うように掛けるのだろう?

そうなれば魔力量も相当なものとなる。

その点に関してはどう考えている?」

「そちらに関してはご心配無く」

 魔法を使用する上で最も重要なものは魔法を使うための具体的なイメージとそれに伴う魔力量が重要だ。

しかも今回ルイーナが提示した魔法はこの膨大な土地と広さを持つ学園全体とこの学園に通う全ての人間のデータを登録し管理するという事を常に行わなければ成立しない。

しかもその魔法を使えるのはルイーナただ一人。

通常であれば何十人何百人と言った魔法師が束になってやっと成功するか否か半々の確率なのだから、その心配も最もだろう。

 だが、ルイーナには秘策があった。

秘策というよりもルイーナ・ファウストに与えられた設定と今のルイーナ・ファウストだから出来る事を合わせただけなのだが。

「陛下も学園長も、二年前のあの事件の際にこの国全体を覆うように上空に現れた雲を覚えておいででしょうか?」

「勿論だ。

その雲から降り落ちた雪が人々の傷を癒やし、魔獣を祓ったのだからな。

そしてそれを行ったのが………なるほど。

だがそれは一時的なものであって継続的であったわけではない。

その魔法を使うにはそれ以上に魔力が必要となるのは分かっているだろう?」

「はい。

なので私自身の魔力と、この土地の魔力を使います」

「この国の魔力?」

「幸いにもこの国、特にこの学園は自然の中に存在します。

その為、学園周囲は魔力が多くそれを使えば継続的にそして負担も少なく魔法を行使することが可能となります」

 この学園の周囲を覆うように展開されている森の中が自然な魔力に溢れている事を、ルイーナは事前に変化した己の目で見ていた。

そしてその魔力が見れることによってその魔力を操ることが出来ることも。

「ですのでご心配なく。

魔法自体は問題なく使用可能ですので、数日間の使用実験後に結果を報告させていただきます」

「良いだろう。良い報告を楽しみにしている」

「この学園の生徒たちが安心して勉学に励めるのであれば反対は無いぞ」

「ありがとうございます」

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