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第百二十三話

火・木 更新中

 家の中に通されたルイーナは、その橙色のその瞳を大きく見開き頬も先より赤がさしていた。

「すごい……!!」

そしてキラキラと瞳を輝かせたルイーナは、感嘆の声を溢した。

 ダンジョンのアイテムは、どういう原理化は解明されていないがそのダンジョン内で造られ各所に設置されている。

ルイーナにとってはここがゲームの世界だと知っている為、ゲームシステム的なものなんだろうなと流せるが、この世界の住民特に研究職の者にとっては永遠の謎らしい。

 だがこの世界は今のルイーナにとっては現実だ。

例えこの世界がゲームとして浸透している世界の知識を持っていたとしても、この世界でその常識が通用しない事も勿論ある。

 特にそれはダンジョンに当てはまる。

ダンジョンにはアイテムが存在するのはどのゲームでも変わらない。

が、それはゲーム会社によって異なる。

面白さを求めギャグに走ったアイテムをドロップするもの。

武器や防具を中心とした王道系のアイテムをドロップするもの。

キャラの衣装や装飾品、ホーム画面等に設置できる系を中心としたアイテムをドロップするもの。

様々な物があるがこの世界、妖精舞踏会ではそれらの中でも乙女ゲームという事もあって衣装用のアイテムや、待機画面で好きなキャラを好きな背景や装飾品で飾ったりする為のものが多くドロップした。

勿論、戦闘シーンもある為武器等のアイテムもドロップするが、それでも余り数はなかった。

「これ本当にダンジョンで?」

「そうですよ〜?ロベルトが持ってたランタンは【妖精の隠れ家】と言って、このランタンの中に文字通り隠れ家が入ってるんですよ。

妖精なので植物が多いですよね〜」

 ジュラルドの言葉にルイーナは未だ輝く瞳のまま何度も頷いた。

彼の言葉の通り、この家の外装は木製で蔦が這っていた。

その蔦は種類は分からず、そもそも自然のものとして存在するかは定かではないが所々小さな桃色の花が咲いていた。

 そして何よりルイーナが興奮したのは、その隠れ家的な外装もそうだが内装もまたルイーナの男心というよりかは少年心を揺さぶった。

 内装の壁には木の根が張り、部屋の中心には苔むした幹があり、その上には大きく枝を広げ緑のドームを作る大樹が存在する。

決して威圧感を与えるわけでもなく、部屋に圧迫感を与えるわけでもない。

寧ろこの部屋の空気が澄んでいるようも感じられる。

他にも備え付けの家具は木製のローテーブルに椅子、そして葉で作られたようなソファ。

どういう原理なのかはわからないが、天井に穴が空いているわけでもないのに葉の間から降り注ぐ暖かな太陽光。

細かいものは無いが、それでも人が住むとすれ充分すぎる広さを持っている。

「まぁ他にも家具はあるんですけどね?

それはまた今度時間ある時に見せますよ。

…………ルイーナ様?」

「隠れ家みたいだ……」

「隠れ家ですよ?」

「おぉ〜!」

「おぉう?」

 ジュラルドは興奮冷めぬルイーナのその様子に僅かに困惑した声を溢した。

それはロベルトも同じだが、彼は一瞬目を見開いたものの次いで微笑ましそうに目を細めはしゃぐルイーナを眺めていた。

 隠れ家にしては整いすぎてはいるが、それでも自然の中にすんなりと溶け込む外装や本来自然の中でしか感じられない筈の感覚にルイーナは心惹かれていた。

前世ではここまでのクオリティでは無かったが、家の机の下に自分の秘密基地を作ったりログハウス等に憧れ何時かは作ってみたいと思っていたのだ。

憧れていたそれが目の前にあるのだ。

興奮しないわけが無かった。

 年相応とも言えるそのルイーナの様子に、ジュラルドとロベルトは驚いてはいたが同時に嬉しくも思っていた。

普段はその年の割には落ち着いていて物静かな印象のルイーナが、その目を輝かせはしゃぐ姿は微笑ましい他ない。

あれは何だ?こっちは?とパタパタと駆け寄り部屋の中を探索するルイーナ。

そんなルイーナについて回りながら、軽い説明をしていくジュラルドとロベルト。

その度にキラキラとした視線で自分たちを見上げてくるルイーナに擽ったい気持ちになりながらも、彼等はその評定を緩め笑みを浮かべていた。

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