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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

作者: VISIA

夢の中で、誰かと約束した事は有りますか?


もし有るなら、その約束の内容を覚えてますか?

 西暦2XXX年、酷暑8月X日の日没後。


 某情報番組の予想時刻通り、新型Cウィルス感染騒動に終息宣言が出され、速報が世界中に拡散していく。



────人類は歓喜し、庭駆け回る。



 一方、私が働く独特の金属臭漂う薄暗い工場内では、窓際に置かれた油まみれのラジオ端末が、人類の歓喜する音声で近くの作業員の気を引かせ、サボらせていた。


 私は、工作機械を荒っぽく操作しながら、無感動でソレを聴き流す。


 その後の短い休憩中に、


(工場内での住込隔離社畜労働から、我々は漸く解放されるらしい……)


と言う会話を隣で聴いて、本日分の希薄な労働意欲を支える最後の糸がプツりと切れた。



 刹那、私は(心の中で)早退を宣言する。



 完全に気配を消し、闇に紛れ、最短距離で目指した社員用出口手前まで辿り着いた時、不幸にも工場長に出会う。


 大熊のような工場長は、


「ヒヒヒ、明日は工場の突貫補強で休みにするが、明後日からは地獄の車通勤を再開してやるからな、ヒヒ、ヒヒヒ。」


と、笑顔で私の肩をバンバンと何回も荒々しく叩き、



♪スタあコラ、サササのサアアァ──


と陽気に歌いながら去っていった。



 今日は、特別に私を見逃してくれた。




 翌日の稀有な休日の大半を、自宅の布団の中で、VRゴーグルを装着し大人の動画を見て現実逃避しながら、穏やかに過ごす。


 枕の下に入れていた“飽きた”と書かれた紙を手で探り、紙の感触を手で確認してガッカリし、大きく溜め息を突く。


 丸くなって静かにゴロゴロしていると、時間が瞬く間に過ぎていった。




 休日明けの車通勤途中、(自粛を解禁した)熊型の屈強で恐ろしい野生動物達が落石の大岩を持ち上げて、後から全速力でついてきた。


 私は悲鳴を上げながら、汗ばむ手で握りしめたハンドルを右に左に激しく回しながら、友人に魔改造された軽トラの限界到達速度で、山道を進んで行く。


 そして、過呼吸寸前で漸く工場まで辿り着いた時、工場防衛班も命を削って働いていた。



 その僻地環境に建つ古い工場内には、設備の近代改修化に遅れ、時々暴走する危険な手動操作の改造工作機械が密に並ぶ。


 そこに定期的に現れる、短気で闇強化型の老人達が、その機械の隙間をスルスルと行き来しながら、複数の言語で怒鳴りながら指示を出していく。


 すると、日本語以外の言葉での複数の従業員の疲弊的返事が発せられ、直ぐにソノ声は機械の騒音に紛れて消える。


────この騒々しい現場は、昭和の古い時代から何も変わっていない。


 その中で、私にも更なる社畜的ノルマが要求され、忙しさで時間的感覚が麻痺する。


 また、昼間の社窓から見える太陽が黄色に見え、眩しくて、自身の体が溶けてしまいそうだった。



 気付けば2ヶ月が瞬く間に過ぎて、晩夏の連休を楽しむ行楽客の声を、TVで垂れ流す季節を迎えていた。




 土日・祝祭日・大型連休とは無縁の私は、TV音声を聴き流しながら、その日も普段の段取りで出勤前の準備を終わらせ、重い足取りで家を出た。


 無事に会社に着くと、休む間も無く引き継ぎ作業で袖を引かれ、厩戸皇子の逸話(多人数同時聴取)のような、日本語以外の荒々しい舌戦(半分愚痴)が始まる。



 約10分間の引き継ぎを疲労困憊で終えた時、作業開始の洗脳BGMが鳴った。


────残業推奨のコノ工場に、終業BGMは鳴らない。



 日没後、この日は運良く残業無しとなり、我が家への定時帰宅が許された幸福な日となった。




 靴を脱いで、幾つかの段差を乗り越え、家奥で部屋の明かりをつける。


 消費期限が12時間前の、久々に購入したコンビニ弁当(通販)をテーブルの上に置き、部屋着に着替え、漸く一息つく。


 心身とも落ち着くと、食欲と喉の乾きを体が訴えているのに、半日遅れて気付いた。


 冷めた弁当を手に取り、冷飯に冷水を十分に注いでほぐし、飲むように米粒を胃へ送り込む。


 米が無くなると、冷めて収縮し身から衣が剥がれた鈴のような揚げ物達を、半分程度噛み潰しながら飲み込んでいく。


 5分程で完食し、容器をゴミ箱へ乗せた。


────食後は、いつも疲労感が増して体が重い。



 歯も磨かずに、万年床の布団に向かう。



 到着後、布団上に顔を横に向けてウツ伏せでバタリと倒れると、枕の下を手で探り何も無い事を確認して、そのまま動けなくなった。





────社畜性高血圧症と高脂血症。



 近年の、定期健康診断の結果である。


 体が、過酷な仕事に適応する為に、本能的に血圧を上げ、各細胞に高濃度の酸素を送り込む努力を強いる。


────社畜中の社畜。


 また、そのストレスが心に大きな負担をかけ、悲鳴を挙げさせていた。



────社畜中の社畜中の社畜。



 それでも栄養バランス糞食らえで、疲労の為に、食事支度を面倒臭がる。


 最近は、1日3食全て“重豚骨カレー拉麺”という(心身危険な油の香り漂う)究極の飲み物にハマり出し、栄養の偏りが影響して、関節がギシギシと軋んで来た。



 症状が出てくると、精神的に焦り始め、効果が怪しいサプリメントを通販で購入し、飲み始める。


 だが、効果が望む程に現れず、次第に用法容量を守れなくなり、1度に飲む錠剤が鼠算式に増えていく。


 結局、胃にも腸にも無意識に社畜的な負担を強いている事にも気付かず、更に私自身を弱らせていった。



 そして、全ての社畜的皺寄せの影響を受けた“肛門”様が、ブリブリと悲鳴を上げながら、紅い汚物を苦しそうに吐き出した。


────血便である。


 掛かり付けの医師には、面倒な話になる流れを避ける為に、黙っていた。


 幸いに、その後の健康診断の結果に血便の影響は出なかったが、


(先行きの不安)


という影に、心の奥にまで深く侵食され、(処方以外の薬無しでは)膝や手が日常的に震えて、止まらなくなった。



(女性とキスするまでは、絶対に死ねない、死ぬものか!)


と、私自身に掛けた古い呪いの影響だろうか、私は3百万年過ぎても、未だに生き続けていた。



────現実の女性は、いつの時代も強く、美しく、恐ろしく、排他的だ(彼個人の感想です)。


 だが、霊体女性は距離を詰める積極的行動で、首締や階段・駅のホームからの突き落とし等、親密な交流をしてくれる。


 生き方に迷い、崖の上に立っていたら、そっと背中をオしてくれる優しさを見せてくれる。


 腹が膨れる程に多量の酒を飲み、寝落ちした後、胃から逆流した酒で誤嚥性溺死寸前の時には、優しく私の口を塞いで看病してくれる。


 ソノ優しさが忘れられず、Cウィルス騒動以前は婚活として、女性が亡くなった全国の事故現場に(出張のついでに)赴き、同情と共に女性を”お持ち帰り‘’していた。


 そのまま同棲し、夜中に金縛りを全力で解き、全力でキスを求め、



────全力で逃げられた。



 ネットで調べると、特に騒動以前は全国規模で20代以下の女性霊の争奪戦が激しいと言われた。


 中には、


『目や鼻、口や耳など霊の体の一部が残っていれば、どんなにグロテスクでも良い。』


と言う、パーツマニアもいる。


 千切れた足首が履くハイヒールで顔を踏まれて、喜ぶ輩の話も知った。



 そんな滑稽な話を、愚痴友の同僚にすると失笑され、


「それなら、癒されるから猫を飼えよ。」


と、オカルト話を全無視した上で勧めて来た。




 そこで次の休日に、猫を探しに近所の交差点に向かう。



 すると都合良く、近くを通り過ぎた猫の霊を見つけ、追いかけて飼い猫交渉をニャアニャアと行い、承諾を得た。


 銀毛と黒毛が5:5の綺麗な毛並みで、光の当たり具合で銀色と黒色が入れ替わって見える、不思議な雰囲気の猫だった。


────腹から内蔵が飛び出していたが。



 共に帰宅の途中、白いワンピース姿の大柄で若く貧弱そうな女性が、数m後方から静かに着いて来るのに気付く。


 顔を覆う黒い前髪が、道路に付く程に長く真っ直ぐ伸びていて、テラテラと太陽の光に反射して輝く様子は、艶やかで美しい。


 どこかで会っていた気もしたが、結論は出なかった。


 猫は時々振り返り、不安そうな表情を見せていた。



 家に着くと女性は、白くて細い足首をコキコキと鳴らしながら、シリコン製の白いイヤホンのような滑らかな足の指先で、ギシギシと床板を鳴らして部屋に入って来る。


 そして、息切れでフラつき、バタリと受け身無しで前方ウツ伏せに倒れ、そのまま動かなくなって……


(あれ…それから……どうなった?)



────少しだけ回復した体力の半分を、自身の片目を開ける為に使う。



 すると、目の前20cm先まで女性の顔が近づいていて、前髪の隙間から蛇のような眼で、私の顔をジィと見ていた。


 今宵は、女性と関わるのを面倒に感じて目を静かに閉じ、寝た振りを押し通す。


 すると女性は、私の瞼裏まで侵入してきて、ジィと見続けた。


 私が夢の中へ逃避して一息ついていると、女性が目の前10㎝先に現れ、瞬き1つせずに暫く私を見続けた後、


『改めまして、現実世界では無口なワタクシ、夢中ゆめなか結婚相談所の……と言います。コノ世界で会うのは4度目ですが、覚えていませんか?』

『……?』



『……では、再び御説明いたしますが、夢の中で御見合いして頂き、双方合意に至れば、術式“飽きた”で現実世界へ御相手を……』

『……あ…』


 私が、何かを言おうと口を開いた時に夢から覚め、夢の内容全てを忘れていた。


 瞼を重々しく開くと、目の前には、朝餌を要求する猫が、私の頬を右前足でビタビタ叩いていた。


 女性の姿は見えず、暫く辺りを見渡していると、グッと両手で私の口を内側から開けて女性が出てきた。


 そのような事が何度か続いた後は、仕事が更に忙しくなり、夢を見ている暇もなく、仮に見ていたとしても、夢の中での記憶を現実世界に持ち帰る事は全く出来なくなった。


 女性も、私の口の中から出て来る事が次第に少なくなる。


 更に休日出勤も増え、慌ただしく、冬と春が過ぎていった。




 そして再び、夏が来る。


 久々の休日の熱帯昼(私は昼寝中に気絶して、幽体離脱中。)、心配した女性は私を起こそうと、捕獲してきた蝉5000匹を部屋に解き放ち、一斉に鳴かせた。


 騒音にキレた猫が、殺虫煙幕を複数設置して反撃の狼煙を次々に上げていくと、隠れていたゴキブリ数百匹が次々と姿を現し、蝉と共に暴れ出す。


 狭い室内で、蟬とゴキブリの断末絶叫コラボが、猫耳に音響攻撃を仕掛けた。



────猫は、たまらず屋外へ逃げた。


 事の終息後、女性は猫に怒られて、しぶしぶ大きなレジ袋に虫の死骸をザラザラと入れながら掃除を始める。


 私も巻き込まれて、レジ袋に詰められた。


 そして女性は、膨れたレジ袋を何袋も抱えて、山へ不法投棄しようと出て行った。




 次の休日、女性は前日1人で留守番させられた故に、イライラして機嫌が悪かった。


 暫く私が疲労で黙っていると、女性は更にイライラして、私の“肛門”様に女性の利き手中指を、ズボンを貫通させて突っ込んできた。


 女性の中指は、腸から胃、胃から食道を通って口の中まで伸びて来て、私の歯槽膿漏の奥歯をガタガタと鳴らす。


────とても不快だった。


 気分を悪くして、次の朝まで布団で横になった。



 朝起きると、猫が体調を崩しながらも、気力を振り絞ってプルプルと震えながら立上がっていて、天井を見上げていた。


 天井を見ると、女性が身の危険を感じ、震えながら天井に仰向けに貼り付いている。


 その女性を狙って、怒り荒ぶる猫が、丸めたティッシュをポコポコぶつけ始めた。


 やがて、根負けした女性がドサッと床に落ちてくると、猫は両手の肉球で女性の両頬をグググと押し挟み、更なる猛省を促す。


────その時、猫の背後から、予備布団と予備掛け布団が怪しく近づいて来ていた。


 ソレらは、猫と女性を包み込み一瞬静かになると、ペッと猫を吐き出す。


 そして、そのまま立ち上がって、女性を籠城させた。



 それから、静かな休日が数回過ぎた頃の、涼しく穏やかな日の午前11時。


 私は起きた後、布団から1歩も動かず、ただ無意識にテレビ番組を朝から視聴し続ける。


 猫は、尻尾をパタパタさせながら、どこからか拾ってきた”‘死羅行姫”の同人誌を見ていた。


 女性が布団の隙間から、絵本の“あらすじ”を恐る恐る猫から伺っていると、女性の携帯に至急の連絡が入ったようで、布団を纏ったまま、慌てて外へ飛び出して行った。


 屋根を叩く雨音が、少しずつ強くなり始めていた。



 その2時間後、


────ニュースです。午後12時頃、○○市在住の○○さん自宅の寝室で、身元不明の腐乱した女性遺体が布団上で発見され……寝室の枕の下から“飽きた”と書かれた紙切れが見つかり、関連性を調べて……



 その放送直後、泥だらけの布団姿の女性が、寝落ちしていた猫を弾き飛ばして室内に戻ってきた。


 布団から出した右手で女の遺体を部屋内までズルズル引き摺って来ていて、その勢いで私を弾き飛ばし、万年床上に女の遺体を仰向けに寝かせた。



 ここまで顔色の悪い人物は、幽霊以外に見た事が無い。


 だが、縦横共に厚みを持つ無防備状態の妖艶な肢体に、何故か自身の内から沸き上がる欲を感じ、理性で押さえ付けた。



 反動で震える体を、両腕を胴に回して押さえ付ける。


 布団女性は、前屈みで挨拶をして、(嬉しそうに)部屋を出ていった。



 私は、沸き上がる煩悩が要求する口付けを拒み続けながら、ジッと遺体を見続ける。


────遺体の鼻穴の中から、赤黒く生命力に満ち溢れたムカデが1匹出てきて、遺体の口の中へ入っていく。



 猫は心配して、狩って来た鼠を(冗談のつもりで)私に手渡してニャアと鳴き、自身の寝床へ潜っていった。


 私は、受け取ったソノ鼠をアンパンのように噛りながら、賢者のような落ち着きを取り戻し、静かに遺体を見続ける。


────味も臭いも、ワからなくなっていた。


 遺体から目を離せなくなって、そのまま夜が明けた。



────咳が止まらない。



 疲労した脳が、遺体を生前の姿に錯覚させて脳内で映像化した。



 すると今度は、疲労した精神状態の理性では抑えきれぬ、“ジビエ食”という欲望が、次から次へと溢れ出してきた。



────今度は、抵抗出来なかった。




 私は遺体に顔を近づけ、激しく口付けを行った。



『思い切り吸え吸え吸え吸え……』

と、本能が脳の中心で叫ぶ。



 言われるがまま、遺体の顔の肉が失われる程に激しく荒々しく、湧き出でる欲望の赴くままに、初めての口付けを行った。


────遺体の、脳の一部も吸イ込ンダかもしれない。


 私の脳内で、私の顔写真を見て思いを巡らせる女性視点の記憶映像が、走馬灯のように現れては消えていく。


(……紹介してくれるのなら…紹介される時……紹介されれば……是非……まだですか……)


 直後、気分が悪くなった。


 トイレに駆け込んで、自身の内臓ごとゴボゴボと吐いた。


 後ろから静かに近付いてきた(遺体だった)彼女が、心配そうに優しく声を掛けてきた。



────大丈夫ですか?



 ソノ声に振り返ると、呪いが解けた全身骸骨の私の姿で、彼女を驚かせた。


 怯えながら、彼女が静かに話し出す。


(ワタシ、覚えてますか?……紹介してもらった……覚えていないのですか?……約束は覚えてますか?……覚えていないのですか?……覚えていないのですか?)


と、私に小さな紙切れを差し出した。



────“飽きた”と書かれていた。


 私は紙切れに、ゆっくり手を伸ばしたが、手が届く前に、指先からサラサラと骨が崩れ出し、やがて全身へと連鎖的に崩壊が進んでいく。


 そして、室内に吹く微風に流されながら、私は床に埃のように静かに降り積もっていった。


(ワタシ、貴方を何処までも追いかけます……約束……本当は覚えているのでしょう?……覚えていないのですか?)



 その時に私は、急に顔が痒くなって、手を顔へ向かわせる。


 すると、ゴツッと何かに手がブツかる。


────VRゴーグルを装着したままだった。


 画面内では、彼女が元の布団までフラフラ戻り、枕の下にソノ紙切れを差し込んでいた。


 そして、仰向けに布団に寝ると、そのまま死を迎え入れる。



 彼女は、数分で全身が溶けていった。




 やがて、彼女の腐敗した体から漏れ出した体液は、枕の下の紙切れを濡らす。


 紙切れは体液に溶け、布団に浸透して消えた。


 私は、そこまで見届けて、静かにVRゴーグルを外す。



 そのとき私は、目の前の布団上に、猫を抱いた彼女の、元気な生前の姿を見た。


 私は、念のため両手を顔にゆっくり近付けると、ゴツッとVRゴーグルにブツかる。



────再び、恐る恐るVRゴーグルを外す。



 そこにも、笑顔で微笑む彼女と猫の姿を布団上に見た。


 手を顔に近付けると、顔のVRゴーグルは、今だ装着された状態だった。

「お早う、フラン・ケイン君。」

「あ、おはようございます、シュタイナー博士。」


「で、実験の経過はどうかね?」

「ええと、順調に推移しているようです。」


「そうか。労働概念を与えた時は、少し心配したが……」

「やはり、パートナーやペットの存在は大きかったですね。」


「他に問題はあるかね?」

「最近、日々の実験報告に、誤差の範囲で乱れが出ています。」


「まあ、3百万年もタダ飯食わせていれば、仕方無いだろう。」

「そう…ですね……仕方ありませんね……」


「ああ…それと、最近コノ研究所の防犯カメラに、猿と猫と女の姿が映っていたそうだ。気に掛けていてくれたまえ。」

「……わかりました。」


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