エピローグ
…………。
キュルルル
……いた。私は鹿に狙いを定めるため、矢を番え狙いを定める。慌てず標的に狙いを定め、撃ち抜く。
何度もやってきた事。難しい事では無い。
…………矢を番え、弦を引き絞る。狙いは定まった。あとは矢を放つだけ。
「……ふっ!」
ギャッ!
「……命中」
鹿は動かなくなった。あと一匹くらいは狩っておいた方が良いかもしれない。
「……いた」
標的を見つけた。次の矢を番えて、狙いを定めないと。
キュルルル
……よし。狙いは定まった。あとは弦を引き絞り、矢を放つだけ──
「──様!」
キュルルル!
「…………」
せっかく狙いを定めたのに、逃げられた。
「も、申し訳ありせん!!」
「……良い。で、何の用?」
だけど、獲物が1匹というのは、情けない。あとで謝ろう。
「は、はい。族長がお呼びです」
「……族長が? 分かった」
族長からのお呼び出し。何の用だろう。
◆
「……戻りました」
「うむ。お前を呼んだのは他でもない。エミーリアが戻ってくるらしい」
エミーリア……確か、族長の孫。つい三カ月前に集落を出ていったはず。こんなにも早いとは、もしかしたら諦めたのか。それとも……。
……私が考える事では無い。
「……それで?」
「ああ、お前を呼び出したのはエミーリアが男を連れて戻ってくるらしい」
……早いな。もう見つかったのか。
「というわけで、お前には男の力量を見極めて欲しい」
「……族長がそう仰られるなら」
エミーリア様が見つけてきた男なら、強いはず。
「では、頼むぞ」
「……はい」
狩りでは、上手くいかなかった。今回の件は上手くこなさなくては……。
Side3 end