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日本は異世界で平和に過ごしたいようです  作者: 一般的なミリオタ
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第62話

日が昇ってきた王都では、また帝国の一日が始まろうとしていた。

王城周辺は依然として緊張状態が続いており、近衛兵と反乱軍との睨み合いが行われていた。


だが、王城内部では脱出のための準備が行われており、その動きは反乱軍のほうにも察知されていた。だが、反乱軍側は王城の周りを包囲する形で陣取っていたため、そのいつもとは違う動きに対して特段の措置は取らなかった。


日が昇り切ったころ。王都全体ではとある音が聞こえてきた。あるものはその音に歓喜し、あるものはその音によって恐怖に染まった。



そう。日本の登場である。




『6番機から各機。王城周辺には反乱軍と思われるもの多数確認。ヘリボーンの際は十分に注意されたし』


『1番機、これよりヘリボーンを開始する。援護を求む』

『同じく2番機、降下開始する』


編隊を組んで飛んでいたUH-60JAが散開して、いくつかの機は高度を下げていく。


上空待機の6~8番機もそれぞれ散開する。


『6番機より7・8番機。王城の正門及び通用門に反乱軍が群がっている。門の突破を阻止せよ』

『7番機了解。正門外敵に向けての射撃を開始する』


横のドアを開けたUH-60JAが機体を大きく傾けながら、正門の周辺にいる反乱軍の鎮圧に向かう。


『1番機降下完了。これより離脱する』


1番機からラぺリング降下した隊員たちは、城門の確保に向かった。

城門では、すでに銃撃戦が開始されていた。皇帝側は城門の丈夫に備え付けられた機関銃で銃弾の雨を降らせていた。

一方の反乱軍側も戦車と思わしきものや手持ちの大きい盾で銃弾の雨を防ぎつつ、ボルトアクションの小銃や、戦車の機関銃を城門の上にいる近衛兵に撃っていた。


だが、降下した隊員は城門の下部に背嚢から取り出した、あるものを設置し始めた。


一方そのころ、3・4番機が降下し、隊員を下ろしていた。ヘリから降下した隊員は、スタックを組みながら王城内へと突入していった。



「我々は日本国自衛隊である。皇帝陛下への救助へと参った!」


先頭の隊員が大声で伝える。それに対して、あらかじめ概要を聞かされていた侍従は自衛隊員の構える小銃を横目で見ながら答えた。


「ようこそ。バナスタシア帝国へ。皇帝陛下の元へご案内いたします」


小銃を構えていた隊員らは銃口を下ろし、侍従の案内で皇帝のいる部屋へと案内された。


「陛下、失礼します!日本軍の者がお越しなさりました」


ドアにノックをした後、要件を侍従が伝えた。皇帝はすぐさま返答する。


「入ってまいれ」





「ようこそ皆さん。バシナリウス八世だ。早速だが、脱出の準備は整っている。速く連れて行ってくれ」

「了解いたしました。チヌークが到着するまで少々お待ちください」


「わかった」


皇帝は振り返ると、集まっている部下たちに対して話をする。


「さて。この王城にいるのも今日で最後となる。皆よ、今までありがとう。正直わたしもこの城を捨てることになるのは心苦しいのだが、反乱軍の連中は本気でこの国を教圏に組み込むつもりだ。だが、俺は教圏は信用ならんものだと思っている。あんなもの頭が狂ってるとしか言えん。

だが、帝国が侵食され始めているのも事実だ。もしかしたらこの中にもベロネ教の信者がいるかもしれん。

もしベロネ教の人間が居たら、この場に残ってもよい。私はそれに対しては咎めない。


改めて言うが、私はこの国をあきらめたわけではない。むしろ、まだまだこの国は伸びしろがあると思っている。この国を、再び豊かな国になるために、協力してほしい」


バシナリウス八世は自らの心情を吐き出した。いくら転生者といっても育った国は帝国であり、帝国を愛しているのだ。


そこに、隊員の無線機が割って入る。


『チヌーク01より、全体。王城内の所定位置に着陸した。いつでも離陸可能。おくれ』

『3小隊からチヌーク01。ただいまより皇帝陛下の誘導を開始する。おくれ』

『チヌーク01、了解』


「では、ご案内いたします」


冷酷とも思える自衛隊員の先導によって、皇帝らはチヌークへと向かった。




「なんだ、、、これは」


王城から外の庭園へと出た皇帝と一行は、外で繰り広げられている惨状に驚愕した。

そう。自衛隊のヘリが機関銃とプロペラのけたたましい音をあげながら、城門上空を飛び回って城門を突破しようとする反乱軍に対して攻撃をしているのだ。


「我々は確かに王城侵入を遅らせて欲しいとは要請したが、ここまでするとは」

「おい、あの空を飛び回っている怪物は何だ?」


上空を飛び回る陸上迷彩のヘリコプターを初めて見て、皇帝の側近は狼狽する。


ただ、隊員は説明している暇もないので、無視して先に急ぐ。




「見えました。あれが乗っていただくヘリです。2機に分かれて搭乗してください」


庭園の開けた場所に降下したチヌークはエンジンを始動したまま待機していた。後部のドアには、見張りの自衛隊員が小銃を構えながら待機している。


皇帝らは2機にそれぞれ分かれて乗った。ヘリは役人と近衛兵が所狭しと搭乗した。


チヌークは後部ドアを閉め、エンジンの出力を上げていき、帝都を後にした。



そして、城門の近衛兵は一時的に城門から退避していた。ただ、陸自ヘリからの制圧射撃は休む間もなく続いている。


『チヌークの離脱を確認した。これより城門の破壊を行う。総員、指定地点まで後退せよ』


無線で後退命令が出された自衛隊員は走りながら城門から離れていく。


『2小隊、後退完了。おくれ』

『了解。これより、通用門の無力化を行え』

『小隊長了解』


「点火よーい」


小隊長の指示のもと、施設科の隊員が点火具を握りしめる。それ以外の隊員は耳をふさいでいた。


「点火!」


その合図と共に、担当の隊員は点火具をひねる。すると、石造りの通用門が大きな振動と音を出しながら崩れ去り、完全に通路がふさがる状態となった。


『通用門の爆破に成功。』

『6番機より2小隊。これより回収のヘリが向かう。所定の位置へ移動せよ』



その後、チヌークの着陸していた場所と同地点にUH-60JAが着陸し、これをもって全隊員の撤収が完了した。



なんか一人称の別の小説書きたいんすよね。(というか書いてる)

そういうことで、多分次の更新はこの小説のストックがある程度完成してからです。必ず7月以内には更新する・・・と思います。

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新作の小説です。恋愛物ですが、よろしければぜひ。

通り魔から助けた美少女が隣の席になった話。
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