第4話
西暦2020年10月1日 午後10時 首相官邸
「ではこれより緊急記者会見を行います」
佐藤官房長官が緊急の記者会見を行う。記者たちから、カメラを切られる。
「先ほど、日本領空付近で領空侵犯のおそれありとして、対領空侵犯措置を講じました。その後、航空自衛隊の戦闘機では追尾が不可能として、陸上自衛隊より、重要影響事態法に基づき特例措置として対領空侵犯措置を講じました。詳しくは防衛省の記者会見にて行いますが、八尾飛行場に着陸させたあと事情聴取を行いました。
これによって、領空侵犯をした該機はオルスター王国軍第3飛行群第12・13・101小隊と名乗りました。該機は航空機ではなく、生物であり、さながら中世代の翼竜とのことです。我が日本政府としては、領空侵犯に対しては非難するとともに、オルスター王国との国家と交流を深めてまいりたい所存であります。それに際し、海上自衛隊の派遣を決定いたしました。
次に、日本国内の情勢については、資源確保が懸念されるべき事項であり、日本政府として最優先事項として進めてまいります。日本国は地球とは異なる惑星に現時点で存在しているものと考えられ、周辺諸国との交流によって国民の皆様をお守りしていく所存です。 私から以上であります」
次に記者からの質疑応答に移る。
「NHR(Nihon Housou Rengou)の坂田です。日本が地球と異世界に存在しているという根拠は何でしょうか」
「一つ目としては、米国や周辺諸国、人工衛星との一切の通信が出来ていないことであります。海底ケーブルの調査も近日行いたいと思いますが、どこかで断絶しているものと思われます。
二つ目は、国立天文台より、地球とは異なる星図が確認されたことです。国立天文台としては星図の確認を進めてまいりたいとのことです。また、方位磁石にも影響が確認されているとのことです。
三つ目としては、自衛隊及び民間機による報告です。これにより、自衛隊機に緊急発進させて確認いたしましたところ、本来存在していないであろう陸地が存在していました。日本の領土であるすべての島は存在を確認できましたが、和歌山県の南方に未確認の陸地を発見できました。これに関して後に調査予定であります。以上です」
「テレビ陽日の佐須です。 海上自衛隊を派遣するとおっしゃりましたが、派遣することによって相手国に脅威を与えないでしょうか」
「相手国にはオルスター王国軍を通じて通告してあります。あくまで交流目的でありますので、脅威を与えることはないと考えています」
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オルスター王国軍第3飛行群 第12小隊長
12小隊長のカサトフ士長は、今の自分の状況を深く理解できなかった。
定時哨戒任務に就いていたカサトフは、遠方に光る陸地を発見した。すぐさま仲間に魔導交信機にて知らせ、現場に向かう。
しかし、その途中で、爆音を上げながら追いついてくる物体に恐怖を抱いた。思わず火炎攻撃を仕掛けようとしたが、中に人間がいたことに気付き、攻撃をやめさせた。とりあえず、魔導交信機にて意思伝達を行うが反応が返ってこず、次に拡声魔法にて試してみるが、爆音ゆえに相手側には反応がない。仕方がないので速度を上げて逃亡を図ろうとするが、相手側もぴたりとついてきたので、飛竜の体力から考えても仕方がないので、この状況を維持することにした。
仲間にはすきをついて各自散開しながら帰投するように指示した。
そして、後ろの物体がいきなり上昇し、スピードを上げながら飛び去って行った。隊員一同唖然としていたが、すぐさままた別の何かがやってきた。
さっきの奴よりは音は小さいものの爆音で飛んでくるそれに、恐怖を抱いた。攻撃されたらたまらないし、上部が何かものすごい勢いで回転し、突風が吹きつけてくる。
いちおう、先ほどの意思伝達を試してみる。
すると、相手側より、手信号で了承の意を示してくる。拡声魔法であったら効果が期待できるとのことで、続いて魔法を使う。
しばらくし、俺たちは誘導されながら着陸する。翼竜から降りた俺たちは、なにか細長い物体を持ったらしき男らに駆けよられ「こちらにどうぞ」といわれながら、建物に誘導される。
それから、俺たちがどのような人間であるかという、日本という国の人からの質問を数多くされた。我々の問いかけに対し、反応出来なかったのは深く謝罪すると言われたが、"りょうくうしんぱん"を私たちがしたため、"せんとうき"を向かわせたとのこと。
とりあえず、明日には日本側から"自衛隊"と共に、オルスター王国にあなた方を帰還させるとのこと。自衛隊の同伴と、日本の使者がオルスター王国と交流を深めるために向かいたいと言われたので、魔導交信機より司令部に連絡する。しばらくして、結果は了承とのことなので、海上自衛隊という組織と本国に起案できることになった。
しかし、日本側の武器は初めて見るものばかりだ。私個人としてはとても興味深いが、我が国と対立したならば、どちらの方が勝つのかが気になるばかりである。
ちなみに、日本側のご飯はとてもおいしかった。"カレー"というものが程よいからさでもう一回食べたかった。
なんで京アニが放火されないといけないんだよ。
筆者は怒りでどうにかなりそうです。
亡くなった31名(原稿書き上げ時)の精鋭アニメーターや監督の方々にご冥福をお祈りします。