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日本は異世界で平和に過ごしたいようです  作者: 一般的なミリオタ
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第21話

総火演行ってたのでちょっと投稿できませんでした。許してヒヤシンス

バナスタシア帝国 国家情報局 第3工作部

「現協(現地協力員)から情報が入りました。日本はアトラン港から食料を輸入しているようです」

「食料を輸入だぁ?なんで?」

「おそらくですが日本は食料を生産するすべがないか、人口分の食料を供給できていないかです」

「つまり、その食料を止めることが出来れば、日本は存続の危機に陥るわけだ」

「左様です。ですからアトラン港に停泊している日本の食料を輸送する船を沈めればよいと思います」

「うむ、確かにな。残りの人員の温存も図りたいから数名のみを割くとしようか」

「そうですね。今度は失敗しないようにきちんと計画を立ててくれ」

「はい。もう大切な局員を失いたくありませんしな」

「上層部は全くわかってないよな。亡くなった奴らも俺たちと同じ同士だ。」

「ああ。死んだ仲間たちの分の仇もきちんととるぞ」

「分かった。」


「以上だ。潜伏している局員は3名で間違っていないな」

「はい。間違いありません」

「では行動を開始してくれるように通達してくれ」



アトラン港

アトラン港でははやぶさ型ミサイル艇と輸送艇1号がいた。これらは緊急事態に備えているが洋上待機しているメンツとは違い、ある程度の自由行動が許可されていた。

もちろん、乗員の3分の1は艦艇警備、もう3分の1は輸送艇1号に搭載する食料の箱詰め作業をしていた。この世界に段ボールという文化はないので、下ろされた食料は自衛隊員が箱詰めをして搭載していた。

自由行動が許可された隊員は現地の資金はないものの、商店などを見て回ったり、釣りをしたりするなどして休暇を楽しんでいた。

中には、地元民と交流を深めているものもいたが、さすがに自衛隊はそんなに規則が甘くないので、接触に関して厳しく上司から言われていた。簡単に言えばハニートラップや不意な攻撃・窃盗に注意しろと。


なお、隊員は個人装備として9mm拳銃を装備していた。これは万が一の事態への自衛用として装備を命じられたが、ミサイル艇に搭載してあった拳銃は普段より多めに配分されていたが、全隊員分を支給することは出来なかったので、外出する隊員で交代して使用していた。そのため、艦艇警備などをする隊員は89式および64式の装備をしていた。



「でも違う世界だっつのに、植物とかが基本的に一緒って不思議だよな」

外出中の赤城二等海曹はそうつぶやく。

「まぁな。でもそのおかげで日本で食う食材が一緒だからありがたいぜ」

沢城二等海曹はそう返す。二人は同期であり、現在は航海員として艦での作業に従事している。

「そうだなぁ。名称こそ違えど味とかも変わらんしな。そして無農薬だろうし」

「この世界に農薬という概念があればいいがな」

「あるんじゃね?(適当)」

「なんだよ、まぁいつものことだからいいや。」

雑談を交わしながら、2人は街中に進んでいく。

「しかし、魔法ってのはすげぇよな。街中に電線が一切ない」

「そうな。街中の景観改善に役立ちそうだぜ」

そんな時、街中の商店の人から声をかけられた。

「あんたたち、話題の違う世界の軍隊さんかい?旦那が海軍軍人だけどあんな船見たことないね。いったいどこの国の軍隊なんだい」

「ええと。私たちは自衛隊、その中での海上自衛隊という部隊です」

「一応、軍隊じゃないですけどね。まぁ事実上軍隊ですが」

「なんだか難しいねぇ。あんたたちが乗ってきたあの船、何で出来てるんだい?見た感じ木製じゃないし」

このオルスター王国での主力船は木造船に大砲擬きを搭載したものである。よって、金属製の艦船は現地民が目撃するのは初めてのことである。

なお、輸送艇1号とはやぶさ型ミサイル艇がアトラン港が現在停泊しているが、明日には輸送艇1号(と護衛のミサイル艇1隻)は出港する。日本の食料問題を鑑みると、ほぼ毎日輸送艇を稼働させないと日本は食料不足に陥ってしまう。

出来ることならおおすみ型輸送艦を投入したいのが防衛省の本音であったが、港湾設備が整っていないのでどうしようもなかった。


「あの船は金属で製造されてます。ていうか我が国の保有する艦艇のほぼ全部金属製ですね」

「金属製?金属って水に浮くのかい?」

「浮きますよ?もちろん工夫はされてますがね」

「そんなもんかい。ありがとな、話を聞かせてくれて。お礼になんかひとつづつやるよ」

「いえいえとんでもない。まぁいただけるのであればこれください」

「あいよ。元気でな」

断りながらもおばちゃんの好意でついつい受け取ってしまう赤城であった。


「いや~このリンゴみたいなやつうまいな」

「あとで怒られないかな。ま、何とかなるだろ」

「はぁ、お前は昔からそういうy...

突如、周囲に轟音が響き渡った。各隊員が装備していた無線からは緊急事態との報告が上がった。

「まずくねぇかこれ」

「やばいな。駆け足で戻るぞ」

二人は駆け足で自分たちが乗船していた船へ駆けて行った。


輸送艦隊

「おい、どこから攻撃された!」

「海上からですが、正直暗くてよく見えません」

「艦艇の損傷度はどうだ?」

「はい、一部が損傷し、水没しかけましたが、当直員により回避されています」

「出港できるか?」

「はい、いけます」

「緊急出航命令、全乗員の帰還命令を指示。護衛艦かがへの連絡も入れてくれ」

「了解、緊急出航!」

停泊中の艦艇から非常事態を告げるベルが鳴り響く。

「各種装備の再起動完了しました」

「了解、レーダー探知の実施せよ」

「レーダー探知開始、不審船と思わしき船舶の距離算出」

「主砲110度、回転」

停船している2隻のはやぶさ型は主砲を回転させ、反撃体制をとっていた。

「乗船員帰還まだか?」

「残り2名です」

「乗員帰還完了次第、出航せよ」

「あっ、帰還完了確認しました」

「了解、出航せよ」

そうしてはやぶさ型ミサイル艇2隻と輸送艇1号はアトラン港より緊急出航した。


「臨検要員はいるか?」

「一応。しかし臨検用の装備が完全にそろっていません。それとここはオルスター王国の領海内です」

そもそも臨検を想定してこの艦艇は運用されていないのである。

「オルスター王国側との連絡は出来るか?」

「いいえ。しかし自衛のもとと事後説明いたしましょう」

「仕方がないな。立検隊の出動を命ずる」

「承知いたしました」

最大速度まで加速したはやぶさは、みるみる不審船に近づいていく。

しかし、うまくはいかないのが現実である。

「左舷後方被弾、不審船からの発砲であります」

「無線にて本部報告、仕方がない。威嚇射撃の実施せよ。被害区域の対応もなせ」

艦長が指示する。

「いいんですか?本当に」

副長が反論する。あくまでここはアトラン港の近くで安易に発砲してはならないことも誰でもわかる。

「そうか、オルスター王国領海か。畜生」

「立検の実施のほうがよいか」

「そろそろ不審船に接舷出来ます」

「接舷後はすぐに立検隊にて該船の鎮圧を実施せよ」

「了解、しらたかへの離脱要請も致します」

「輸送艇1号は荷物の積載、終わっているのか」

「はい。完了しております」

「では輸送艇1号は洋上待機の派遣艦隊まで全速へ向かうよう伝えてくれ」

「そろそろです!」

航海長が叫ぶ。それと同時に甲板上には立検隊の隊員が待機していた。

「接舷用意、3,2,1 接舷」

「立検隊、突入」

かくして、史上初めての立入検査隊の実戦が開始された。

総火演ってすげぇ。あんなに射撃するとは。

最新装備の19式装輪自走155mmりゅう弾砲ってやつ、作中でも出したいと思いまする。

ちなみに帰りのバスで1.5時間待たされたのは泣きたくなった。

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新作の小説です。恋愛物ですが、よろしければぜひ。

通り魔から助けた美少女が隣の席になった話。
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