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日本は異世界で平和に過ごしたいようです  作者: 一般的なミリオタ
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第15話

オルスター王国アトラン港

「ようこそ、オルスター王国へ。私はオルスター王国政務省外交部日本担当課マラトス・ストラーナと申します。歓迎します、日本の使節のみなさん」

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。私は日本国外務副大臣阿須 忠(あす ただし)と申します。わざわざお出迎えありがとうございます」

とりあえずの挨拶を終えたところで、案内された建物に入る。以前訪問した時は王国軍の飛行隊を連れてきたときには夜中になっていたが、会談を進めた。しかし今回は正式な訪問団ということで移動は翌朝に持ち越された。そのためひとまずはアトラン港で宿泊し、翌日から移動をして王都にて正式に祝賀会などが行われ外交のトップとの会談も行われるという。


アトラン港の付近の宿泊施設に使節団が到着した後、軽装甲機動車2台も到着し、宿泊するための荷物などを下ろした後自衛官も宿泊施設に入ったのだが、その珍しさゆえか軽装甲機動車や自衛隊員の服装・装備などを一目見ようとする街の人が集結したため、急遽歩哨として2人ずつ交代制で警備したとかなんとか。



翌朝

「ではカスティアまでご案内いたします」

マラトスが紹介する。今、使節団が宿泊していた建物の正面口に、馬車が5台止まっていた。いずれの馬車も華々しい装飾が施され、オルスター王国が歓迎の意を示しているようなものであった。

「すごい装飾ですな。まるで儀装馬車のような」

「儀装馬車ってなんですかね?無知ですみません...」

阿須副大臣が発した儀装馬車という言葉を棚里と田中(もう一人の随行する外交官)は理解できなかった。

「ああ。まぁ知らなくても無理はありませんな。儀装馬車っていうのは天皇陛下が乗る馬車のことですよ」

「儀装馬車ってああ。拝見したことがありますね。でも下手したら儀装馬車より派手な装飾じゃないですか?」

「確かにな。とりあえず乗ろうぜ」

先頭から順に棚里、阿須、田中の順で馬車に乗車した。もちろん、護衛の自衛官に挟まれて乗っている。

「すみません、私たちは後ろから付随すればよろしいですか」

「護衛の方々ですか。後ろから付随していただければ結構ですよ」

LAV(軽装甲機動車の通称)の乗員が王国軍の隊長と思わしき人物に自分たちの在り方を問う。

「しかし、貴殿たちが乗っている馬車は奇妙ですな。引いている馬がないですし、魔導駆動機を積んでいる様子もない。どういう風に駆動しているのかが気になるところですな」

「ぜひお教えしたいところなんですが、防衛機密に抵触する内容かもしれませんので、上層部に聞いて下さらないと何とも。」

「それでは仕方がありませんね。おや、そろそろ出発のようなので準備を整えたらいかがでしょう」

「そうですね。ではまた」

日本の使節団とオルスター王国の外交担当の役人を乗せた馬車の列はゆっくりと王都カスティアに向けて動き出した。


「景色がすごいですね。東京では見られない光景ですよ」

阿須は独り言のようにつぶやく。

「お言葉ですが、こんな風景なら北海道とかで見ることが出来ますよ」

同乗していた、護衛の自衛官が阿須に突っ込みを入れる。

「まぁ日本と違う点といえば上空にドラゴンがいる点だよなぁ」

「まだドラゴンではなく飛行生物という名称ですよ。まぁドラゴンだと思いますが。」

今回の訪問は、オルスター王国としても面子を若干潰されたことになるため、陸と空の二方面からの本気の警護を実施している。

「てか自衛隊って大変だよな」

「どうしてそう思うのですか」

「だって装備品とか重いだろうし、防弾チョッキ?みたいなものも着て暑いだろうし、国民からはそんなに支持されなくてな」

「装備品に関しては自衛官として耐えることは当たり前ですよ。まぁ反自衛隊の人々に関しては内心うんざりですが」

「そうですかい。いまこの馬車って時速どのくらい出ていると思います?」

「そうですね。体感は40~50Kmぐらいだとは思いますが、馬車にしては速いですよね。しかもサスペンションも良いものを使っているのでしょうか、乗り心地も良いですし」

などと他愛のない話をしながら着々と王都に近づいていた。



バナスタシア帝国 国家情報局

「局長、日本国の使節がオルスター王国と会談を行うようです」

「今回こそは我が国の脅威を植え付けることにするか。そろそろ日本国ともコネクションを持ってゆくゆくは属国化を行いたいな」

「今回はいかがなされるお考えで?」

「今回も襲撃させるか。今回も帰国時に拉致か殺害をしよう」

そう、前回の一件で面子を完全につぶされた情報局としてはきちんと落とし前をつけたいところだった。

「しかし、さすがに対策をするでしょう。今回も返り討ちに合うかもしれませんよ」

「だからこそだ。今回は陸軍の研究部から特別に拝借してきた武器がある。さすがに大丈夫だろう。なぜなら我が国は世界でも三本指のうちに入る軍事国家だぞ」

「そうですね。今回こそは喜ばしい報告を陛下にいたしましょう。前回の襲撃でも、あちら側の攻撃はほとんど効果がなかったですからね。だからこそ音信不通なのが疑問ですが」

「もしかしたら第三国の介入が?でも他の国家が絡んでいる様子は報告されていないしな」

「とりあえず、部隊を出動させましょう。展開に時間がかかりますし」

「分かった。ちょうど帰還した第三工作部を出そう。精鋭ぞろいの部隊だ、任務を必ず遂行してくれるだろう」

局長と秘書は不穏の会話をしながら、出動を命じたのだった。

嫌な動き()

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新作の小説です。恋愛物ですが、よろしければぜひ。

通り魔から助けた美少女が隣の席になった話。
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