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日本は異世界で平和に過ごしたいようです  作者: 一般的なミリオタ
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第11話

バナスタシア帝国 国家情報局

「なぜだ!なぜ通信が途絶えた!」

情報局長が声を荒げる。それもそのはず、自身が自信満々に送り出した工作員からの通信が途絶えたからだ。

「一応、敵から攻撃を受けているが、被害微小であるという報告までは受信できていますが」

「通信機の不調ということではないのか?我が局の最新艇を出撃させているのだぞ!」

そう、情報局長は新たに情報局に配備された最新式の小型艇の実戦をさせたくてわざわざ日本の外交団に向けて出撃を命じたのだ。

今回出動した第二工作部は国外を担当していた。第一工作部は国内を、第三工作部は特定国家向け工作を担当している。

ちなみに工作部と称しながら、活動内容は諜報活動、密輸、暗殺、拉致監禁etc...と多岐にわたっている。実質的には特殊部隊の位置づけである。

「通信機の不調は考えづらいですね。出動した小型高速魔力艇からの一切の報告が上がっていませんし、第1陣の隠密飛竜からの通信もありません」

局長の秘書が淡々と告げる。この秘書は女ながらに前代の局長の秘書を10年近く勤めてきた。先代の局長が病死したため現在の局長になったのだが、現局長は有名貴族出身のお坊ちゃまが就いている。しかしこのケースは珍しいことではなく、有名貴族から官僚になり、そのまま国の重要ポストに就くというのが常態化しつつある。

「第2陣の隠密飛竜はどのくらいで最終通信地点につくのだ?」

「目的が対象の我が国への安全な送還ですからね。多分後1時間後ぐらいですかね。幾分拘束してしまえば空路ほど安全なものはないですので」

「とりあえず、上層部には絶対にこの情報を上げるなよ?」

「了解いたしました」

やはり階級社会は帝国でも存在していた。ちなみに局長付き秘書は2,3年ほど工作員実務をこなしたが、その後昇格したため、実戦は2,3回しか経験していなかった。





防衛省

「報告です。オルスター王国に派遣していた艦隊が予定の5時間遅れで呉に帰港しました」

「ひとまずよかった。負傷者は今どうなっている?」

防衛大臣の日野は安堵する。しかし、被害が出ている以上、きちんとした対応を取らないといけない。

「負傷した保安官・自衛官はかがの艦載ヘリで緊急輸送しました。万が一異惑星における未知の病原菌などに対応できる施設が整っている病院に運びました」

「そういえば、異惑星だから未知の病原菌やウイルスがありそうだな」

「それも含めて現在政府や防衛省では対応を行っています。また、船体が損傷がしている点に関してはこの世界での火力に関しての貴重なサンプルになりえるとして、防衛装備庁で評価を行う予定です」

「まぁ、防弾ガラスが割れてるって話だしなぁ。今回は良かったが、出来るだけ艦艇とかは運用したいしな。立派な資源だし」

「とりあえず首相官邸に情報上げますね」



そのころ、首相官邸では衆議院の臨時会の要求に関する会議や異惑星に適応する法律の最終まとめに入っていた。もちろん書類の山に署名したり作成したり書き改めたり...

そんな中、官房長官は連日行っている緊急会見に今日も臨んでいた。


「え~では緊急会見を行います」

進行役が会見が始まったことを告げた。

ちなみに緊急会見と言いながら毎日行われている今回の会見の内容は、異惑星に転移した状況に合わせた自衛隊法改正と各種財政の補正予算や憲法改正の草案を近々国会に提出することなどだ。

また、オルスター王国に派遣した艦隊での正当防衛案件についての詳細な説明も行った。また、被害を受けた艦艇の調査も行うと公表した。

もちろん、記者団からは日本国憲法の改正や自衛隊法の改正などで過去の惨劇を繰り返すのか、とか再び戦争をして多くの人命を奪うのかなどと批判的な質問が寄せられたが、日本国民の皆さんのことを第一に考え、日本国民の生命や財産等々を守るために政府は全力で動くという趣旨の声明で説明した。


これに対しての世論は"内閣を支持する"との勢力が国民の8割を超えた。国民も異惑星に転移したという多大な不安感を誰しもが抱いており、このまま生活が保障されるのかという不安もあった。また、政府は異惑星における情報をオルスター王国関連のものしか公開しておらず、民間人が日本領空および領海の外に出ることを一切禁じていた。そのため情報があまりに少ないのだ。食料に関しての情報が出るまでは買占め運動が日本全国で広まっていた。ちなみに今は政府が食料や石油に関してある程度統制している。

そのため、地球時ではあまり肯定的に取られていなかった、憲法改正も賛成の風潮が強まっていた。何分野党の反発することに同調するより自らの命を守れるようにしたいのが大半の国民の考え方だったからだ。




でも、やはり反対勢力は存在していた。彼らは日本を破滅に向かわせたいのだろうが、破滅させたところでどうなるのかが知りたい気持ちで政府関係者は目の前の書類と戦うのであった。

韓国さん、本当にまずそうですね...

そんなことより最近暑すぎて倒れそうです。こまめに水分補給をして熱中症にならないように気を付けてはいますが、日光の皮膚が焼けるような熱線ビームに耐えられそうにありません。できれば引きこもりたい(おい。)

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新作の小説です。恋愛物ですが、よろしければぜひ。

通り魔から助けた美少女が隣の席になった話。
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