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日本は異世界で平和に過ごしたいようです  作者: 一般的なミリオタ
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第1話

西暦2020年10月1日 午前9時 日本各地

10月1日 午前9時 日本各地

「今日は全国的な快晴となり、お出かけ日和になるでしょう」

テレビのモニターからそんな声が聞こえる。現在、日本は東京オリンピックの開催に伴う、好景気により物価などが安定し、国際的にも高度経済成長期に次ぐ経済成長率を果たしていた。

国内で見れば失業率が1%以下という職が安定したことにより、経済はバブル時のような情勢になっていた。

そのため、消費税増税も国民からは受け入れられ、現政権は衆参両選挙でも続投を果たしていた。



東京の街には人が溢れ、人々の楽しそうな声が聞こえてくる。山々に目を向けてみれば、紅葉シーズンでもあるのか、こちらもまた観光客で大きな賑わいを見せていた。


日本のこの安定した平和があと少しの時間であることは誰も知る余地がなかった。


同日 午前11時 気象庁

「日本近海での地震を検知しました。M2.0の小規模地震だと思われます」

「こちらは海底火山の活動が活発になっています」

その報告に地震火山部長が判断を下す。

「う~ん、先ほどの地震が原因とみていいか。よし、気象庁のHPに情報を掲載の一報を情報通信課にいれといてくれ」

「了解」

気象庁では日本近海での小規模地震による対応をしていた。しかし、一部の職員がわずかな異変を感じていた。

「この頃めっきり地震がなくなったと思えば、太平洋のほうで割と大きめの地震が続発しているよな」

「ていうかこんな小規模な地震で海底火山って活発化した前例ってあったけ...」

「知らねぇよ。気になるなら後で火山課のデータベース見て来いよ。まぁなんかあったら火山課の連中がもう上に伝えているだろ」

「それもそうだな。」

気象庁の地震火山部の二人の職員はそのわずかの異変を持ちながらそのまま業務に戻った。

しかし、この小規模地震が短時間に連続して発生していることが、その後気象庁上層部に伝達されたが、普段の地震情報としてしか発表されなかった。



同日 午前11時59分

「緊急地震速報です。強い揺れに注意してください」

テレビ、スマホから一斉に日本各地で独特な警報音が鳴り響く。

そして、主要動によって日本各地で人々の悲鳴が聞こえることとなる。日本各地で観測された震度は、おおむね震度5弱程度で、南海トラフや首都直下地震ではないことを知った国民は安堵の声を漏らす。

建築物に対する耐震工事が義務化されつつあった日本では負傷者さえあれど、死者の報告はされていなかった。しかし、これによって政府では対応に追われることとなる。




同刻 気象庁

「緊急地震速報を発令しました!対象範囲は日本全国です!」

「は?なんだそれとりあえず対応を急ぐぞ!身の安全を図りながら情報を出してくれ」

そしてS波が到達し、1分ほどの揺れを計測した後、それぞれの職員がパソコンにかじりつきながら情報を出す。

「震源地は不明。マグニチュードは5~6だと思います!」

「なんでそんなに漠然としないんだ!計測計はどうなっている!」

部長が声を荒げる。しかし情報はまだまだ続く。

「すみません、IRIS(米国地震学連合)や、USGS(米国地質調査所)との接続が出来ません!」

「なんでだ。サーバーがパンクでもしたか?とりあえず、首相官邸に情報を入れてくれ」

「了解しました」

「続報です。津波の心配はなし!津波の心配はなし!」

「了解した。ひとまず今後の情勢に注意しろ」

地震火山部長は、あきらかな異常に不安を抱いていた。



同刻 防衛省

防衛省では米軍との連絡がほとんど断絶したことや、海外との通信が一切取れないことに混乱していた。

また、在日米軍司令部より、米国本国との通信断絶による問い合わせの対応にも追われていた。

「おい、なんで人工衛星や、海外と通信が出来ないんだ!」

「わかりません!C4SC(自衛隊指揮通信システム隊)によると、物理的な断絶であり、サイバー攻撃などの類ではないとの報告が上がっています」

「物理的な断絶ってことは海底ケーブルが不通になったってことか?」

「大臣、そこまではちょっと...」

「わかった。とりあえず、様子見をしよう。しかしこんな大規模な通信障害にどう対応するんだ?」

そうすると、若き防衛大臣、日野奏斗は懐からスマートフォンを取り出した。

「おい、Twit〇erがつながらないぞ?どうやって情報を出すんだ」

「とりあえず、防衛省のHPに掲載するしかありません。幸い、国内サーバーは生きてます」

「分かった。国内サーバーのSNSってなんかあったけ」

大臣秘書官はそう尋ねられると、長考してから答える。

「mi〇iとかですかねぇ。政府公式アカウントないですけど」

「あ~とりまアクセスしてみるか」

日野は机にあるノートパソコンを開くと、mi〇iにアクセスした。

「うわぁすげぇなぁ。Twit〇er民や、5c〇民とかが大量に流れ込んできてるな」

「コミュニティが乱立してますねぇ。」


そんなことをつぶやきながら、大臣室で新たな情報を待っていた日野であった。



同刻 首相官邸

「気象庁からは、異常的な地震の観測。防衛省からは衛星などの通信断絶が、総務省は海外へのネット接続ができないとの報告が上がっています」

「了解した。とりあえず、通信障害の特定を急いでくれ。情報収集は鉄則だ。防衛省に対外警戒を厳となすように伝えてくれ。」

「承知しました総理。緊急災害対策本部の設置も致しますか」

「そうだな。閣議もしたいから各大臣を招集してくれ。」



その後、内閣府から各種メディアを通じ、一切の海外との通信断絶、また地震による火山活動が活発にあることを発表した。そして、緊急災害対策本部の設置と共に、日本史上3回目となる非常事態宣言を布告した。

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新作の小説です。恋愛物ですが、よろしければぜひ。

通り魔から助けた美少女が隣の席になった話。
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