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顔じゃありません  作者: ニビル
第一章  中
8/26

金策 (1)

短いです

 この世界は、まるでテレビゲームや漫画のような特殊な力が宿る人間が少数存在する。その一人が俺だ。幼少期に過度のストレスが原因だそうだ。俺は極度の飢餓状態により、死を意識した。それにより、一切食事が不要な、【不食】の力を授かった。そして、この目の前にいる能天気そうなみずきも幼少期に過酷な経験をしたのだろうか……?

 

 「ねえ、みずきの祝福はなんだと思う?」


 舌足らずな声は俺の頭でやけに響く。みずきと会ってから思えばおかしいなと感じたことがあった。それは――


 「……【透明】?」


 突拍子もない発想だと思う。だけど、俺がいる北棟と南棟を行く通路にはゲートがある。警備員が24時間監視しているので『許可』がなく行き来はできない。南棟の食堂に移動するときもそれを確認した。今にして思えば、夜に出会ったのも偶然とは思えない。原則女性立ち入り禁止の北棟になぜみずきがいたのか。【透明】になれば誰に咎められることなく、堂々と男性専用の北棟に入れるのでは。待てよ……初めて会った帰りに送るとき警備員は普通にみずきを見ていたし……。考えれば考えるほど分からなくなる。


 みずきは笑みを浮かべて答える。


 「はずれー」

 「あれ、違ったか。ヒント教えて」

 「さっちゃんと『半分同じ』だよー」

 「同じ?【不食】の力があるの?俺はご飯が食べれなくなったけど、なんでみずきはご飯が食べられる?」

  

 結局話をうやむやにされたけど【不食】の力はみずきにはないとのことだった。俺自身もどうでもよくなりその話はそこまでで終わった。

 食事が終わり、これからの予定をたてる。午後からは運動をすることになっていたけどキャンセルだ。


 「病院の外に出たいんだけど、お金を少し貸してもらえないか?」


 俺はジュース代(昼食)として、毎日100円のお金を四日楓から貰っている。今日の分の小遣いは先ほど使ってしまったので今の手持ちがない。前世なら金の貸し借りは基本はしない。だけど、今度は自由に生きると決めたのだ。男に甘い世界なら女は確実にお金を貸してくれる……はず。


 「えーっとねー」


 みずきはポーチからお財布を出して中身を確認してくれている。ポーチにはお財布以外にも物が入っている。その視線が分かったのか、「きゃー、見ないで」とわざとらしく反応する。所詮子供の小遣いしかないだろう。やはりここは大人の女性から金を貢いでもらおうか……。

 

 「今!悪いこと考えてたでしょ」

 「ち、違う。用事おもいだした。オレ先に帰る。もう勝手に来るなよ」

 

 

 部屋に戻ると、机の上で充電中のスマホを取り、目的の人物に連絡する。悲しいことに、登録が1件しかない。

 

 「もしもし。俺、俺だけど」

 「皐月くん!?どうしたの?何か合ったの?」

 「大変なんだ。すぐに部屋に来て欲しい」

 「分かった。すぐ行くわ」

 

 それから数分もたたずに部屋のドアが開けられた。

 俺の安否を気遣うのか、やたらと触ってくる。

 

 「大丈夫?どこか痛いところは?」


 楓の手をどけて俺は「体は平気。楓さん、お小遣いもっと欲しい」と言い切る。


 「お小遣い?」

 「うん、頂戴」と出来るだけ子供らしく言ってみた。

 「何か欲しいものがあれば何でも買ってあげるわ」と以前言われたけど、俺は自分で欲しいものを見て、買いたいのだ。

 「何か欲しいものでもあるの?」とやはり聞かれた。こうなれば――

 

 「……プレゼント。いつもお世話になってる楓さんにプレゼントをしたくて――」

 (半分嘘だが)


 無性にテレビゲームがしたくなってきた。前世てやりかけのゲームを思い出した。外で遊びに行くついでに、楓さんにプレゼントでも買って残りのお金でゲームを買おうと心に決めた。


 「そんな、こと、を考えていたなんて」

 

 俺が自分勝手に考えていることなど知るはずもなく、楓は感動していた。これは悪いことをしたかなと思ったけど、仕方ないよね。

 楓さんから現金で5万円を貰った。

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