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顔じゃありません  作者: ニビル
第二章 外
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チート

 憂鬱な月曜日。目覚めが悪い。体がだるく感じるので今日も重役出勤日とする。無理やりに体を動かして行くのはやめだ。ゆっくり出勤じゃなかった……登校した方が精神的に楽になるから仕方ないよね。無理をするのは体によくないって聞くしな。

 男に甘い世界なので学校を欠席、遅刻しても特に何も言われない。寧ろ心配されるくらいだ。真面目な男しかいないのか、俺以外に学校を欠席遅刻するような男は見かけない。噂も聞いたことがない。俺に噂話をする友達もいなかったよ。

 遅刻確定するから朝の出勤登校ラッシュを眺めながら優雅にコーヒータイムと洒落込みますか。2度とあの店に行く気はなかったけど気が変わった。彼女にお礼をしてなかったので喫茶店プローシルイでいいか。他の店を開拓するのは今度にしよう。携帯端末の画面から目当ての人物に電話を掛けた。


 「本当に私でいいの?間違い電話じゃないのかしら?桃……立花さんから皐月君と結婚したと聞いて……しかも皐月君からプロポーズされたって……」

 「間違いでもない。なずなと行きたかったから誘ったんだ。結婚だって?俺はまだ15歳だからする気もないからな。立花さんがなずなの事をからかったいただけだ」

 「そうなの?勘違いした私が恥ずかしい。まだ…なんだ」

 

 あの女。桃っていう名前だったのか。誰にも言うなと忠告したけど結局周りに言い触らしやがったな。元々働く気は無かったが、デートで一緒に働く約束は白紙だ。苦情は一切受け付けないぞ。

 戸惑うなずなを落ち着かせて納得させることができた。


 喫茶店は通勤時間ということで通りから外れてるけど人通りはそれなりにある。

 

 「なずな。俺、金は一銭も持ってないから」

 「ううん、大丈夫。男の子にお金を出させるつもりはないから。現金もある。カードもあるし、ここ親のお店だから……」

 

 俺はなずなの返答にもったいぶって問題ないと言う。以前奢って貰ったお礼をすることにする。今日はなずなに俺のチート能力を見せてあげる。きっと驚くはずだ。実は俺もようやく魔法が一つ使えるようになった。祝福の力ではなく魔法だ。チート能力を諦めきれず、隠れて練習していたら少し前に使えるようになった。首を傾げるなずなに応えるように俺は指笛を吹く。すぐに上空から小型無人機(ドローン)が下降してきた。

 

 「おう、いつも警護ありがとうな。今日はレイか。トムはメンテ中か?」

 

  クラクションを一回鳴らしたので肯定の合図だ。


 「皐月君。(ドローン)とお話してるの?」

 「ああ、こいつはレイって俺が勝手に名付けて呼んでる警護ドローンだ。人工知能が搭載されてるから“会話”だってできるんだぜ?なあレイ?」


 俺の声に反応するようにクラクションを一回鳴らす無人機。


 「ドローンと“会話”を出来る何て話私今まで聞いたことない……信じられない」

 「まあ、今日はそんなことより魔法を見せてあげる。まだ誰にも見せてない世界初公開になる。今から何もない所から……100万でいいか。100万円を出します。レイ100万くれ」

 

 パンと俺が手を叩き、片手を差し出す。しばらくすると前方から警備ロボ犬が走って俺の前で待機する。


 「はい、お手」

 

 ロボ犬は口に咥えていた札束を俺の手に乗せてた。礼を言い、撫でると来た方に走っていく。


 「じゃーん。何もない所から100万円札が出てきました」

 「えっ!?ドローンが何故個人(皐月君)の命令に聞くの。あり得ないわ。無人機だって警備ロボも国の物。どういう事なのかな。皐月君詳しく説明してくれるよね?」

 「魔法だ。さあ、中に入って。金は御釣りが出るほど手に入った。何でも好きな物を奢るからコーヒーでも飲んで一服しよう」


 何もない所からお金が無限に湧き出す不思議な呪文を手に入れた。何で俺に金をくれるのか深くは考えないようにしたけど魔法だから仕方ないよね。


  

 窓際に座り、俺となずなはアイスコーヒーを頼んだ。


 「ここのアイスコーヒーは美味しいね。」

 「うん。最近、誰か(・・)の影響でアイスコーヒーとクリームソーダの売り上げが増えてるの。魔法の事は置いとくとして、今日私を誘ってくれた理由を教えて?」

 「ごめんな。学校に遅刻するし、朝から迷惑だったよな……。楓さんからなずなが元気がなさそうって聞いて心配したんだ。俺で力になれることは何もないのか?相談なら無料で乗るぞ」


 ごめん、本当は魔法を誰かに自慢したかっただけだ。暇つぶしに無人機と“会話”をしたら仲良くなった。駄目で元々と金をくれとお願いしたら幾らでも渡してくれるから面白くなってきてついな。


 「そうなんだ。皐月君は私の事を心配してくれたんだね。ごめんね。本当に何でもない。ちょっと、勉学と実習で疲れが出ただけ」


 適当に話したら重い話になった。

 この世界の人は働くことに価値を置いてるんだった。まだ10代か。無理に働く必要があるか?……働くなんて大人になってからで十分だろ。


 「今日は奢りだ。好きなだけ飲もう。店の客の代金を全部俺持ちにしてくれ」


 なお、喫茶店プローシルイの過去最高売り上げを1日にたたき出したそうだった。

 

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