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顔じゃありません  作者: ニビル
第二章 外
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価値観

 ドライブをして気づいた。こちらも駄目か。 

 何度も同じような状況になって嫌になるな。狭い町から出たいのに出ることができない。

 ドライブは嫌な事(仕事)を忘れさせてくれるので前世ではよくしていた。知らない景色を見るのが好きなので基本ドライブするなら遠出することが多い。しかし、この不可解な状況はなんだろう。自動走行なのに、県外に出ようとしても車が勝手に途中で違う方向に走る。AIの暴走か?そんな訳ないよな。原因を探るべくスマホで検索すると男性は許可なく登録地から出ることができないと書かれていた。男の居場所が判別されるのはマイクロチップか。7歳以上の男性体内にはマイクロチップを内蔵する義務がある。俺の体内(右腕)にもマイクロチップが存在して、GPSで居場所が国に特定され管理されている。マイクロチップの除去は『お金』の力でも不可能。もし違法に除去した場合、男性でも捕まるようだとネットでみた。

 仕方なく、暇潰しにゲーム感覚でどこまで登録地内を男性が車で通行できるか試してみる。

 すでに日は落ち暗くなった。時間が立つのを忘れるほど熱中してしまった。家に帰りたくねえな。久しぶりにドライブを堪能した俺はまだ物足りなさを感じた。自動運転は体は楽だが何か物足りないんだよな。ドライブは自分で行きたいところにどこまでも行けることが運転の醍醐味だと思う。そんな訳で、車の取扱説明書をスマホでダウンロードして自動運転をどうにか解除して手動モードにした。

 手動モードは免許がいるようだ。前世で普通自動車免許取った訳だし問題ないよな。以前はあきらめたチート能力。諦めきれるわけがない。「来いよ前世の免許証。ワープ。転移」と叫び、ポケットに手を突っ込んで取り出したのはスマホだ。前世の免許証なんてあっても使えないの何やってるんだろうな。親から電話の通知があったけど無視だ。よし、行くぞ。


 境界線をあっさり超えることができた。今まで自動運転では行ける範囲があってそこまでしか行けなかったのに。手動運転に切り替えたらどこまでも自由に行けるようになった。何か問題がおきたらやばいよな。任意保険には入ってるけど、無免許になるし、事故を起こしたら……。そもそも運転は今はすべきではない。自由には責任が伴うので俺は自動運転に戻して自宅に帰宅した。

 

 深夜の1時を回ってたので、静かに2階の自室に戻るつもりでいても楓さんにばれた。俺のベッドで寝ているのは反則だろ。誰もいないと思っていた部屋の電気をつけたら人がいて心臓一瞬止まったぞ。先手必勝で「実習(仕事)関連で色々合ってね……」と適当に誤魔化したら直ぐに納得してくれた。褒められても嬉しくない。15歳ですでに仕事人間でいいのか。ゴスロリから神話の話を聞いたけど、未成年である俺の体の心配より、仕事を優先するこの世界の価値観はやはりおかしいよ。俺は絶対働くつもりはないからな。


 土曜日なのに、仕事(実習)の事が頭に浮かんで碌に休めた気がしなかった。新作ゲームを金曜日学校終わってからクリアまでやる計画だったけど何もする気がおきない。何で生まれ変わっても同じこと(仕事)で悩まなければならないんだ。頭では違うと分かっているけど、実は働くのが嫌なので死んでいなくて長い夢を見てるのか。


 俺が落ち込んでいると思ったようで、楓さんが「大丈夫?具合が悪い?」と聞かれた。俺は「大丈夫ではない」と答えた。やせ我慢はしない。前世では我慢をして無理をして死んでしまった。今世は無理は一切しない。やりたくないこと(仕事)にははっきりと断る。明日用事で実家に帰るから俺も行くのかと聞かれて、行けたら行くと答えた。楓さんの母は金持ちだったはずだ。俺が男というだけでセキュリティが厳重な新築を建ててくれた。まだ直接会っていなかったな。血は繋がってないけど俺の祖母ということになるのか。子に厳しくても孫には甘いとネットでみたから来月の誕生日プレゼントでも早めに貰いに行くか。

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