遭遇
「あの子供女神め!次に会った時には、絶対に、いろいろと文句を言ってやる。」
木々が立ち並ぶ森の中で、俺は自分の勘を頼りにさまよい歩いていた。要するに、迷子になっていた。
全てはあの女神のせいだ!俺を転生すると言っていたのに、生まれ変わっていないじゃん!少しだけ、期待していたのに!目を開けた時に、全然変わってなかったから逆に混乱したよ!そのせいで、服装は、制服なんだってことに気づいた時に、じゃあ、登下校の時に俺は死んだのか?って、今の状況とはあまり関係がないことについて考えてしまったよ。
それに、ここはどこだよ!!せめて、送る場所やその周辺の環境くらいは教えてほしかった。そのせいで、何も知らない森の中に一人でいるから、じ~っと誰かが来るのを待っているわけにもいかずに、とりあえず歩き始めた。
だからこそ、後のことを、何も考えてなかったあの子供女神に、俺は文句を言わずにはいられなかった。
そうして、森の中をだいたい30分?くらい歩いたあたりで、「ガザッ!」と小さな音が耳に聞こえてきた。
音の正体を確かめてみようと、発生源であると思われる離れた場所に目を細めて見ると、そこには、人?が立っているのが見えた。
俺は、もっとよく確かめて見ようと一歩近づこうと動く瞬間、その人?と目があったように感じた。
(ヤバい!)俺の中の何かが激しく反応して、警戒音を頭の中で鳴らしていた。
俺は、急いで後ろに振り返って、そいつから離れるように走り始めた。
「グギャアアアアア!!!」
後ろの方から大きな叫び声が辺りに響き渡った。同時に、俺に向かっているだろう足音が聞こえ始めた。
その大きな叫び声と足音を聞いて、俺は、今までに感じたことがない程の恐怖を感じてしまい、何も考えず、ただ必死に走り続けた。木を避けながらほぼ一直線に。
走り始めてどれくらい経ったか、
俺は、運が良かったのか?森から出ることができた。そして、整備がされているような道の真ん中くらいの場所で立ち止まってしまった。森から出ることができた喜びで、自分が何で必死に走っていたのかを忘れてしまったから。
ズシン! ズシン!!
聞こえてくる足音が少しずつ大きくなっていった。
その音を聞いて、俺は今の状況をようやく思い出した。
徐々に大きくなる足音
俺は、近づいてくるやつのことが気になって、音が聞こえる方向に顔を向けて今度はじっくりとやつを見た。
第一印象はデカイだった。2メートル以上はあるだろうそいつは、全身がほぼ緑一色で、右手に太い棒(棍棒?)を持ち、しかも、額に短い2本の角が生えているのが見えた。
その、見た目が鬼みたいなやつを見てしまい、俺は、蛇に睨まれた蛙のように動くことができなかった。
その場から、動けないでいる俺に少しずつ近づいて来る、やつの顔は、ようやく獲物に追い付いたことを喜んでいるような、笑っているような表情をしていた。
その顔を見た俺は、自分の死を予感する程の寒気におそわれ、ただじっと立っていることしかできなかった。
やつは、俺の目の前に立ち止まって、ゆっくりと右手の棍棒を両手で持って、頭上に掲げ上げた。
そして、次の瞬間、
ドカァアアアアン!!!
大きな音が響き渡った。