始まり!
「は…転生?」
「そうじゃ。元々こちらの世界に来る予定だったのじゃ。それが少し違う形になっただけのことじゃ。うん。そうしよう。」
ダイアは、納得したように首を縦に振りながら、再び操作盤?を操作し始めた。
すると、いきなり俺の足元に魔法陣のようなものが現れた。
「おい、ちょっとまて……」
俺は、すぐに魔法陣から抜け出そうとしたが、遅かったようだ。
「それじゃのう。二度目の人生になるのじゃ、今度は長生きできるように頑張るのじゃよ。」
足元にある魔法陣から強烈な光がでて、光ととも神木龍太は神界から消えていった。
消えていったのを確認したダイアは、
「転生に関する後の設定はいろいろと面倒じゃから、後は自動でいいじゃろう。これをこうしてっと。」
・・・了解シマシタ。コレヨリオートモードニ移行シマス。・・・
・・・承認ガ必要デス。・・・
無機質な音声が辺りに響くように聞こえてきた。
「えっと、承認が必要じゃと?ささっと、『承認完了デス。』これでようやく終わったのじゃ。…おっと、もうすぐ神々の集会の時間になるのじゃ。急いで準備して行かないと、また、アマテラスに怒られる。」
そして、準備が終わったダイアは集会に向かう前にふと思い出した。
「あ!妾の刻印を消すのを忘れてしまった。けど、そのうち消えるじゃろうから放置しても大丈夫じゃろう。
」
そういって、ダイアは消えるように出て行った。
・・・エラー発生、エラー発生、コノママデハ転生ニ重大ナ欠陥ガ発生シマス。手動デノ修正ヲ実行シテクダサイ。・・・
・・・手動デノ修正ヲ実行シテクダサイ。・・・
誰もいなくなった空間に無機質な音声が 響き渡った。
当然、誰もいないので修正することができなかった。
すると、「やっぱり、こうなってしまったのね。」と一人の女性が突然現れた。
「ええっと。…ここをこうして、あれをこうして、ついでにここもこうしてっと♪」
女性は、画面と操作盤を出し、次から次へと修正が必要な箇所を見つけ、直していった。
ついでに、変更もしていた。
・・・転生カラ転移ニ変更シマス。…肉体ノ再構築ヲ実行シマス。・・・
数分後
「これで最後…終わりっと♪」女性がそう言ったのと同時に、
・・・修正ノ完了ヲ確認シマシタ。・・・と聞こえてきた。
・・・最終項目、神木龍太ヘノスキル付与ヲ実行シマス。・・・
・・・対象者ニスキル”???”ヲ付与…完了・・・
・・・スキル”アイテムボックス(SR)”ヲ付与…完了・・・
・・・以上、コレヨリ対象者神木龍太ノ転移ヲ開始シマス。・・・
「ここからようやく始まるのね。あなたに会える日を楽しみにしているわよ。」
女性は、嬉しそうな表情をして言ったが、すぐに、悲しそうな表情になって、小さく呟いた。
「でも、あなたを殺した私に、あなたと会う資格は本当にあるのかしら?」
女性は、今の自分の表情にきづいて、顔を左右に振って、どこか遠い所を眺めながら、消えていった。