6話
「今更重装甲艦を作るなど、予算のムダにしかなりません。」
「しかし...」
霞ヶ浦の会議室では、陸、海、空の参謀と財務省の担当者が5ヶ年の予算分配を協議していた。
「こちらとしては防衛費のGDP比8%までの増額、及び戦時特増員の手配を求める。」
「8%は国家の運営に支障が...」
「国家の存亡がかかっているのですよ!もしそちらが最低金額しか配分しなかった場合、現状では八丈、南大東の二つの防衛ラインを突破され海兵隊による本土、沖縄本島への上陸作戦が行われた時点で陸自にしか防衛は不可能です。」
自衛隊側に乗り込んでいる形の財務省の担当官が折れ、防衛費はGDP比8%に上昇、戦時特増員は条件付きで内閣からも許可が降りた。
_____________________________
それから約半年後、ヨーロッパでの戦闘は終わり、連合側と枢軸側での終戦条約、「ペルミ条約」、その更に半年後には日米の終戦条約「仙台平和条約」が締結され、この世界は枢軸側が率いることになった。
日独冷戦、イタリアのフランス侵攻、トルコの核武装など、元の世界のように課題は山積していたが、終戦時期が早まったことで結果的に被害は史実の第二次世界大戦よりも小さいものとなった。
_____________________
「このあといったいどうなっていくのだろうか。先が思いやられる...」
戦後初の総理大臣は執務室で呟いた。
どうにか話を膨らませてみます