3話
8月25日、小笠原諸島 父島沖50海里
「北東に水上目標4有り。」
護衛艦いなづまを中心とした第22特防編成に、緊張が走った。
「艦長、敵はおそらく米軍の水雷戦隊と思われます。」
「危険度順に目標アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタと指定」
「敵の発砲を確認し次第、速やかに対水上戦闘へ移行可能なよう、誘導システム及びハープーンの点検を行え。」
二つの艦隊同士の距離が20海里に到達した。
「目標αの発砲を確認、ハープーン発射はじめ」
「打てーぃ。」
「インターセプトまで残り10秒」
「マークインターセプト」
レーダーに写った一つの影から煙のようなものが吹き出している。
「チャフ散布、回避運動を取れ」
艦隊から200メートルほど離れたところで水柱が上がった。
「次いで、SSAM3機を発射。」
「SSAM発射、サルボー」
3つのVLSの蓋が開き、煙とともに三つのミサイルが発射された。
「第一段燃焼終了、2段主翼、尾翼の展開は正常です。」
「音速突破を確認」
「フェアリング分離、及び徹甲弾の分離を確認」
「カメラ映像、来ます。」
CICのプロジェクターには、1隻の煙を上げている軽巡と、3隻の駆逐艦が映っていた。
「着弾確認、破口径、4メートルと推定」
横腹に大きな穴を開けた駆逐艦がそこには映っていた。
「すぐにこれを防衛省に送れ。」
結果は大成功だった。
JTの塩よりも伯方の塩の方が旨味がある気がする(個人の感想です。)