2話
6月
しとしとと雨の降る中、1隻の軽巡洋艦から、甲高い音が鳴り響いた。
「主機起動異常なし」
「過負荷試験開始」
壁にあるメーターがゆっくりと時計回りに回転していく。
「出力110%、これより10分間の推力維持試験を開始します。」
煙突から吹き出す熱風により、雨の雫はたちまち白い煙となってゆく
「主機異常なし、試験完了」
「これより、軽巡長良以下4隻を、第21特別防衛編成部隊として、八丈島沖へ展開を行う。」
「お国のために、誠心誠意職務を全ういたします。」
第20、21特別防衛編成連合艦隊、重巡洋艦高雄、青葉、軽巡長良、由良、駆逐艦松、秋雲、護衛艦てるづき、はやぶさの8隻は、出航から約12時間で目的の海域に到達した。
「東南東35海里に敵影、数は16、大型爆撃機と推定されます。」
「ジャミングは?」
「既に開始済みです。」
「全艦、各自の目標のみに対処せよ。」
「こちらCIC、目標群は分裂、それぞれ目標α、βと命名」
「目標αは秋雲、βは本艦がが担当する。」
「了解。」
「CIWS、AAWオート」
4分後、レーダーには何も写ってはいなかった。
「対空戦闘用具収め」
「一応は耐えきりましたね。」
「明日には米艦が応援に来るらしいからな、くれぐれも誤射だけはするな。」
「了解」
翌日
「Hey! are your Japan sea force?」
「Yes」
『すまないね。ジョージとレーガンはもうちょっと南の海域にいるんだ。』
『いえいえ、第七艦隊の主力、第15駆逐隊が来ていただければ、我々に必ずしも、勝機が巡ってくるはずです。』
『そこまで言ってもらうと、こちらの士気も上がるよ。』
全16隻が、八丈島沖に集結した。
「これより単横陣を取り、全艦は各自の目標に対処せよ」
「了解」『Sir』
こうして着々と日本の周りには、見えない檻が形成され始めていた。
次はドイツ編でもしようかなー。