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31.謎の少女

「うぅ……。ん……」



 ユヅキが目を覚ますと、何処かの部屋のベッドに寝かされている様だった。軽く辺りを見渡すも、どうやらユヅキの知らない場所の様だ。



「どこだ……ここ。っつ! 身体、あちこち痛むな……。あぁ、リッチーに勝った後、ぶっ倒れたのか」



 軽く上半身を起こしたユヅキであったが、身体の痛みに顔をしかめる。その時だ、ドアが開き一人の女の子が入って来た。



「あ……起きた? まだ、身体痛むでしょ?」



「あ、あぁ。この手当は君が……? ここは……」



 入って来た女の子は、ミカよりも少し幼く見えるくらいの少女であった。

 銀色の髪を腰まで伸ばしたその少女は、とても愛らしい容姿をしている。目は双方銀色で目付きは少し鋭いものの、そのかわいい容姿と態度を加味すれば、キツイ印象は一つも受けることはなかった。



「うん。近くに薬草になる草が生えてるから。ここはリアの家。リアは一人でここにいるよ」



「君はリアというのか。すまん、俺はユヅキだ。助けてくれてありがとう。あのままじゃ死んでいてもおかしくはなかった」



「ううん。お腹空いた? 山菜のスープ、食べる? リアもこれからご飯」



 ユヅキはリアに身体を支えてもらいながら、別の部屋に向かう。

 先ほどよりも落ち着いて周りを見る事が出来たが、どうやらここは家と言うよりは小屋に近い様な造りの建物であるようだった。窓からチラッと見えた景色から、森の中の湖畔の様な所にいるようだ。



 ーー



「ふぅ。美味かったよ、ありがとう。ところで、ここはどこなんだ?」



 食事を終えたユヅキは、とりあえず情報を集めようとリアに問いかける。



「ここはリアの家だよ? リアは一人でここに暮らしてる」



「リアの家なのはわかったが、何処にあるんだ? まだ魔の森の中なのか?」



「うーん……。森の中だけど、魔の森……はリアわかんない。リアは気付いた時にはここに居て、この辺りから出たことない」



 話を聞くと、リアはどうやら最近のものしか記憶が無いらしく、ここの周辺で獣や山菜を採って一人で暮らしているとのことだ。

 はぐれてしまっているミカとレイムの事も気になるユヅキは早々に辺りの探索を行いたかったが、流石に二、三日は動けそうに無いため、リアの好意に甘え、世話になることにした。



 少しの間とは言え一緒に暮らすと、リアの異質な様子に段々と気付いてくる。


 まず、とにかくリアは強い。ぱっと見はとても可愛らしい少女だ。山菜食がメインかと思っていたユヅキだったがすぐにその予想は裏切られ、食卓には肉が多く並ぶ。



「お肉食べると、傷は治る……!」



 と、ユヅキにどんどん肉を進めるリアであったが、その肉はもちろんリアが獲ってくる。罠でも張るのかとリアに質問したが、きょとんとした顔で『罠? 殴ると、獲れるよ?』といった答えが返ってきた。

 最初の山菜スープは副食……味噌汁的な扱いであったようで、次の日からは朝昼晩とひたすらたっぷりの肉が食卓には並び、限界以上に勧められていたのだった。


 また、身体に似合わず豪快に肉を食べ進むリアは何処に入っていくのかという勢いで肉を食う。とにかく肉が好物らしく、ユヅキにも勧めるが、自分ももりもりと肉を頬張るその姿は、まるでハムスターを見ているようだ。

 小動物のように愛らしいリアであるが、頬張るのはもちろん、山程の肉、肉、肉であった。



 他にも、ユヅキが一番困ったのはリアの羞恥心の無さだ。

 リアには記憶が無いとは言っても、生活する上での基本的な知識はあるらしいのだが、一人で暮らしていたため、羞恥心というものに欠けているのである。

 最初に驚かされたのは初日の夜だ。身体を拭こうとしていきなり、上半身裸になりだしたのだ。

 いきなりの事で驚いたユヅキは、脱いでしまった服を慌てて着せたのだが、当の本人は『着ると身体拭けない……』とご立腹であった。

 結局自分が先にベッドに戻るから、それからにしてくれと言ってその場をやり過ごしたユヅキなのだが、その日はしばらく寝付けなかったようだ。






 ーーユヅキ異世界新たな出会い STARTーー

更新ペース落ちております……。

なるべく早くペース上げられるようにがんばります!

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