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30.続々、魔の森の死闘

「マズイ! かわしきれないっ!!」



 虚を衝かれたユヅキは、迫り来る斬撃をかわせないと判断し、手に持つ剣に全力で魔力を込め始める。



「うおあああああああああ!!」



 リッチーの放った黒い斬撃と、ユヅキの魔力を込めた蒼く輝くブルースフィアの剣は正面からぶつかり合い、互いを消し去ろうと激しく輝きを放つ。



 ドガーーーーーーーン!!



 数秒の拮抗のあと、二つの魔力は耐えきれず爆発を起こした。

 辺りには土埃が舞い、ユヅキの姿は見えない。



「爆発ノ余波デ消シ飛ンダカ?」



「そんな訳無いだろう」



 リッチーがそう呟いた瞬間、土埃の中から猛スピードで飛び出したユヅキが、リッチーに斬りかかる。

 先程とは逆に、今度はリッチーの虚を衝くことに成功したユヅキは、リッチーの右腕を肩から斬り落とした。



「ふぅ。流石に今のはキツかった。身体中ボロボロだぞ、どうしてくれるんだ」



「フン。我ノ右腕ヲ奪ッテオイテ、ヨクホザク。今ノヲ耐エテミセルカ……」



 流石に腕を斬り落とされてダメージ無しとはいかないようで、リッチーは表情こそ骸骨のため変化はないが、言葉の節々に苦しそうな悔しそうな感情が見える。



「悪いがこのまま決めさせて貰うぞッ!」



 ユヅキは間を空けず飛び出すと、リッチーに次々と攻撃を繰り出す。

 なんとか捌くリッチーだが、片手を失っていては先程の様には上手く行かず、防戦一方なばかりか、目に見えて被弾する回数が増えていく。


 ユヅキの魔力剣はリッチーにも効果を発揮しており、リッチーの身体には切り傷がどんどん増えて行く。

 しかし、優勢なユヅキではあるが、その身体は先程の爆発により傷だらけであった。着ていたコートは所々が破れ、身体中いたる所から出血している。



「ガ……ァ……。ヌァッ!!」



 ここで引いても、持久戦では分が悪いユヅキは、身体の悲鳴を無視しながら全力で猛攻を続ける。

 リッチーも満身創痍であり、反撃の芽を掴めず、一方的に攻撃をくらってしまっており、ついには片膝を落としてしまった。



「そろそろ墓に帰りなッ!!」



 チャンスと見たユヅキは、今までで一番の魔力を剣に込め、リッチーに袈裟斬りに斬りかかる。


 その瞬間、リッチーの目が青く光った。



「うがっっ。……な、んっ……!」



 なんと、斬り落としたリッチーの右腕が、死角からユヅキの腹を打ち上げたのだ。

 決まったと思い全力でリッチーに斬りかかっていたユヅキは、予想外の攻撃に身体の自由が効かないまま、リッチーの右腕により数十センチ程浮かび上がる。



「離レタ身体ノ操作ハ、大量ノ魔力ト体力ヲ失ウノダガナ。コレデ終イダ。ヒトニシテハ強カッタゾ」



 リッチーの振り下ろした大鎌の先端は、咄嗟に構えたブルースフィアの剣を真っ二つに折り、ユヅキの身体を斜めに斬り裂いた。

 そのまま吹き飛ばされたユヅキは、木々を薙ぎ倒しながら森の中に姿を消してしまった。



「咄嗟ニ剣ヲ盾ニシタカ。然シ、ソノ程度デハ今ノ一撃ハ防ゲマイ。其レニシテモ、益々ヒトニシテオクニハ勿体無イ奴ヨ。死シタ後、我ガ秘術ニテ、我ノ手下トシテ蘇ラセテヤロウ」



 そう言うとリッチーは、ユヅキの吹き飛んだ方向へと歩き始める。



 リッチーが見つけたユヅキは、血塗れで巨木にもたれ掛かっていた。

 身体は大鎌により斜めに斬り裂かれており、大量の出血と全身の打撲によりピクリとも動かない。



「辛ウジテ息ガアル様ダガ、今楽ニシテヤル」



 リッチーは左手に持つ大鎌を振り上げると、ユヅキの顔目掛けてソレを振り下ろした。



 キィ………ンッ!!



 突如として腕を上げて大鎌を防いだユヅキの右腕には、先程までは無かった小手が装着されていた。



「ナッ! マダ動ケルトイウノカ!」



 驚愕するリッチーをよそに、ユヅキはゆっくりと立ち上がり始める。


 両腕には小手が。そしてボロボロに斬り裂かれて既に役目を果たしていなかったコートは脱げ落ち、代わりに新しい黒いコートが”纏われる”。



「第二の能力ってことか……。死にかけてチカラに目覚めるとか、やっすい漫画じゃねーんだから、勘弁してくれよな……」



 そしてその右手には、折れた剣に代わって、一本の”刀”が握られていた。



「ナンダ、貴様ノソノ武器ハ!」



「さぁて、なんだろうねー。もう、身体動かねぇから、悪いけど長々は付き合ってやれねーぜ」



 ふらふらのままだが、ユヅキは手に持つ刀を鞘ごと中腰に構える。



「強かったぜ、リッチー。【重力付与】居合『一意専心』」



 ユヅキの気配にナニカを感じ取ったリッチーは、咄嗟に大鎌を身体の前に斜めに構えるが、次の瞬間、ユヅキは目の前から姿を消していた。



 カチン……。



 リッチーの背後には、刀を鞘に収めた体勢のユヅキが居た。



「マサカ、我ガヒト如キニ……ナ」



 リッチーの持つ大鎌は、刃も持ち手も真っ二つにに斬り捨てられ、リッチー自身も同じ様に真っ二つにされ、黒い霧と化す。



「うーん、このまま倒れると死にそうなんだけどな……もう、限界だ……」



 リッチーを居合により斬り裂いたユヅキであったが、全てを出し尽くして、そのままその場に倒れこんでしまった……。






 ーーユヅキ魔の森の死闘 COMPLETEーー

初となる大きなヤマ場、如何でしたでしょうか?

バトルシーン苦手なので、中々難しい回でした。

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