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3.ユヅキの旅路

「のわっ!! またかよ……」



 光が収まったと感じ、目を開けたユヅキを待ち構えていたのはまたしても目の前の老婆スタートだった。



「ループするにしても間隔短すぎんぞおい……。マイラさん、だよな?」



 二回目の転移だ。慣れ親しんだとは言わないが、耐性のできたユヅキは冷静に目の前の老婆に話しかける。



「いや、マイラは二の国におる私の姉じゃが……。姉を知っておるのかい? 私はマイラの妹のマルカじゃよ」



「へ……? ど、どういう事だ? え、ここはイリス国じゃないのか?」



 混乱するユヅキに、マルカの背後にいたこれまた王様っぽい人が話しかける。



「イリスは隣国だ。ここはウルカ、三の国ウルカだよ。どうやらイリスのことは知っているみたいだが、見た所この世界の人間ではなさそうだが、異世界転移は成功していたのか?」



「ウルカ様……。この者の服装や、魔方陣の反応を見る限りは成功だと思うのですが、なぜ姉の事やイリス国のことを知っていたかまでは……」



「それも、君に聞けば解決しそうだね? 頼み事もあるんだ、情報交換といかないかい? とりあえず応接の間に行こうじゃないか」



 慣れた転移だと思いきや、またもや想定外の出来事に再び混乱しながらも、ユヅキはウルカ王について部屋を出る。






 ウルカ王の話によれば、やはりここはリスターの世界で間違いないようだ。

 勇者が支配する状況までを聞いたユヅキは、自分が先程までイリス国で話をしていたことをウルカ王に伝える。



「ふむ……。前例のない話ではあるが、どうやら時間差で二国が転移魔法を発動し、ユヅキ殿がどちらの転移魔法にも対象として発動されてしまったということか……。ん? ということは重力制御以外にもスキルが付与されているのではないか?」



「マジですか!!!!」



 ユヅキの興奮はここで限界突破し、ユヅキらしくなく、前のめりに机を叩きながらウルカ王に食い入る。



「い、いや、わからんよ。ただの仮説だからな。調べてみればはっきりするだろう」





 ユヅキの緊張は先程の比ではない。スキル二つともなれば、最強への道が約束されたようなものだ。

 ほんの少し前にも同じことをしていたなと、ユヅキは自分の行動に軽く笑いながらも、ドキドキしながらも技能水晶に手をかざす……。




『スキル:重力制御』


『スキル:???』




 水晶により表示された内容を目にしたユヅキは、喜んでいいのか落胆すべきかなやんで、半分喜び半分疑問を浮かべるという超難易度の表情を作り出すことに成功する。



「ふむむ……。これまた前例のない表示だな。いや、マルカよ。そう言えば昔の文献にもこの表示の仮説が載ってはいなかったか?」



「確か、に……あれは……。あぁ、思い出しましたぞ。技能水晶には現時点で得ているスキルが表示される。これは通常のことなのですじゃが、ごく稀に、まだ身に馴染んでいないスキルを持っている者がおるのです。その場合、何かのスキルがあることまではわかるのですが、こういう表示が出てしまい、スキルに目覚めるまではなんのスキルかわからない、そういう事だったかと」



「じ、じゃあ! 俺には何かまではわからないがスキルが二つ付与されていることは間違いない無いんだな?!」



「あぁ、実際に見たのはこれが初めてだが、恐らくそういう事だな。流石転移者ということか……ユヅキ殿っ?!」



「え?」



 ヒュイイィィーーー……ン



「あ、またですか?」





 ーーユヅキ転移陣の常習者 STARTーー

今日はここまで。

また明日投稿します!

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