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25.続、魔の森

「うーん、段々魔物の数が【アクア・ボール】増えて来たわねぇー」



「やあああっ! わわっ。んーーたぁ!!」



「確かに。まぁ、こっちであってるって、よっと! ことなんじゃないか?」



「はぁはぁ。たあああああ! えいっ!! ふわぁっ。たああ!!」



 魔の森の奥地に進むにつれ、死霊系の魔物の数は増えて来ていたが、ユヅキ達は難なく撃破しながら奥へ奥へと進んでいた。


 ……一人を除いて。



「はぁっ。はぁっ。ち、ちょっと休憩しませんか? 二人ともっ、はぁっ、なんでそんなに、余裕なんで、すかっ」



 ミカだけは、度重なる戦闘に疲労が嵩んでいたようであった。



「なんで……って言われてもなぁ? 弱いし」



「そうねぇー。これくらいの魔物ならねぇ? 弱いし」



「弱い弱い言わないで下さいー! うぅ……どうせ私は二人に比べれば弱っちですよぉ」



 初めから心配していた様に、足手まといになってしまっていそうだと感じていたミカは落ち込んでいた。



「ユヅキくーん。女の子を泣かしちゃいけないわよー?」



「え、俺のせいにすんのかよ……。わかったわかった。ほら……っ」



 ユヅキがその赤い瞳でミカを見つめると、ミカは自身の身体から重さが減ったことに気付いた。



「あ……。ユヅキ、ありがと……っ」



「へぇ……。それがユヅキくんのチカラ、なのね? ミカちゃんの負荷を軽減させた……ってとこかしらー?」



「はぁ……。まぁ元々そんなに隠す気もなかったからいいけど、そのしたり顔はやめろ。別に必要がなかったから使わなかっただけだ」



 レイムは、二の国を出てから初めて見ることのできたユヅキの重力スキルに興味津々だった。



「スキルの話はイリス様から聞いていたのよー。アタシにも、一度かけて欲しいなー?」



「レイムは必要ないだろ。それともスケルトンに殴りかかってみるか?」



「ふふー。意地悪さんなんだからー。っと、遊んでる暇は無いみたいよー? また今回はさっきまでよりも大歓迎ねー」



 レイムの言うように、奥からは今までよりも遥かに多い死霊の軍勢がこちらに向かって来ているのが見えた。



「これはちょっと流石に面倒だな……。来た方向からも向かって来てるぞ。ミカ、自動制御モードでかけてみるから、もし効果が切れたら言ってくれ」



「え、出来るようになったんですか?」



「あぁ、任せとけ。後ろまで相手にしてたらキリがない。レイムの魔法で前の奴らを吹き飛ばしたら走り抜けて奥に行くぞ」



 この場に留まることは不利と見て、ユヅキは前進することを選ぶ。

 二人はユヅキの提案に頷き、全員が覚悟を決めた。



「行くわよー。遅れないようにねー? 奮発して中位魔法よー。『吹き飛び、切り刻め【エア・ハリケーン】』今よ、走って!」



 ユヅキとミカが先を走り、魔法の効果範囲外にいた魔物を蹴散らす。

 すぐ後ろからはレイムも追いついてくる。



 三人は逃げながらも森の最深部へ向かって走り続ける。

 少し引き離しつつはあるものの、後ろからは死霊の軍勢が追いかけてきていた。


 その時だ。三人は前方から凄いプレッシャーを感じ、警戒して走るスピードを緩める。



「目的地に到達……ってことかしらねー?」



「私、怖いです……。ナニがいるんでしょうか……」



「進めばわかる……。ミカ、レイム、俺が先を行く。俺の少し後ろを来い」



 ユヅキが先頭となり、プレッシャーの主に向かってゆっくりと進む。

 後ろの魔物には追いつかれるかもしれないが、それでも慎重にならざるを得なかった。



「あれは……なんでこんなところに?! 魔の森にいるレベルの魔物じゃないわよー……」



 森の景色が少し開けた場所に出た三人だが、そこにはプレッシャーの主がこちらを出迎えるように待ち構えていた。

 身の丈は3メートルに及ぼうとする巨大な骨の化け物。ローブのような物を纏い、右手には身長ほどの大きな杖を持っている。



「レイム、知っているのか?」



「えぇ……。ワイト、Aランクモンスターよ……。一応、Aランク下位とはなっているけどねー」



「ユヅキ……後ろからも同じ気配がしてこない……? 私の気のせいって言って欲しいんだけど……」



 ミカは絶望の表情でユヅキに問いかけるが、レイムも同じ様な表情をしている。



「残念だったな。俺も同じ気配を感じてるよ。どうやらワイトのサンドイッチって訳だ。レイム、Aランク冒険者として、あいつは一人でやれる程度か?」



「無理……ね。基準ではあるけれど、全員がAランクと戦えるから昇級できている訳じゃないわ。特大のを当てることができれば倒せるけれど、魔法使いが一人で戦うのは不可能よ……。更にワイト二体だなんて、集中すらできないわ」



 レイムが弱い訳ではないが、近接戦闘の苦手な魔法使いのレイムには仕方のない話だ。元々前衛に集中する時間を稼いでもらってこそ、最大火力が出せるのが特徴でもあるのだ。



 絶体絶命の状況に固まるミカとレイムであったが、ユヅキだけは何かを確信し、薄く笑っていた……。






 ーーユヅキパーティ魔の森の死闘 STARTーー

魔の森編、がんばります。

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