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19.いざ二の国へ

「ふーん。コカトリスにホブゴブリンなんかも多いなぁ。ランクで言うと、Eくらいなのか?」



「そうですね。確かあの二種類はEランクです! 二の国までで一番強いのは、Dランクのブルーウルフみたいですねぇ」



 共に旅をすることになったユヅキとミカは、順調にその歩を進めていた。

 因みに、魔石売却の功績でユヅキはCランクに、ミカも西門でのオーガ討伐が認められ、Dランクまで上がっている。

 強さに直結する訳ではないが、一般冒険者にはやはりギルドランクというのは大きな目安となるものである。

 ユヅキにとってはその目安も意味を成さないというところではあるが……。



「よしここら辺なら人目もないし、ミカには俺のスキルを見せておく。いざという時にパーティで連携が取れないのは意味がないからな」



「ユヅキ、強い強いとは思ってましたけどスキル持ちだったんですか?! 凄いですねぇ……。私スキルって初めて見ます!」



「ん? スキル持ちってそんなに珍しいのか?」



 ユヅキは知らない事ではあるが、ミカの言う通り、この世界においてスキル持ちというのは少ない。

 稀に後天的に得る者もいるが、基本的にスキルは先天的なモノとされていて、スキル持ちは10歳までに発動する者がほとんどだ。

 故に、スキル持ちと判明した者は国軍にスカウトされたり、冒険者として名を馳せる者が必然的に多くなる。



 それとは逆に、魔法は後天的に得る事が可能となっている。魔力自体は量に差はあっても、誰しもが体内に持っているものなのである。あとは修行によって、体内の魔力をコントロールする(すべ)を身につけることで、魔法が使えるようになるのだ。



「そんなもんなのかぁ。まぁ俺は使える、それだけで十分だけどな。俺のスキルは重力制御だ。見るのが早いだろう【重力制御:コントロール】」



 そう言って、ユヅキはいつものように次々と魔物を自分の元に落ちてくるように重力を操ってみせる。

 ミカはその不思議な光景にただただ驚くばかりだ。



「それと、応用でこんなものもあるぞ【コントロール】」



 今度は、周りの石や岩を浮かせて魔物にぶつけ始める。

 遠方からの攻撃に、ホブゴブリンは近付く間も無く絶命する。



「大体こんな感じかな? 応用の仕方次第って感じだけどな。今みたいに石とかを操るのは、結構消費する魔力が少ないみたいだ。逆にデカイ魔物とかになれば、その分チカラも食うから多用は出来ないけどな」



「す、すごいですね……。あ! これであの時私のことを助けてくれたんですね? 身体が急に軽くなって、攻撃の威力が増したから何が起こったのかと……」



「そういうことだな。少しだけ身体にかかる重力を調整したのと、インパクトの瞬間にコントロールして威力を高めた。練習すれば、発動させている間は自動で身体の負担を減らすようにする、くらいは出来そうだ」



「じゃあ、次は私の番、ですね!」



 そう言うと、ミカはおもむろに片脚をあげ、そこに着けたレガースの様なものを見せる。

 昨日までは深緑のワンピースタイプの服装をしていたミカだったが、今はショートパンツを履き、脚に密着して邪魔にならなそうなレガースを装着していた。

 近くの魔物に向かって駆け出したミカは、コカトリスやホブゴブリン達を一蹴の元に蹴散らしていく。



「ふぅ。オーガには通用しませんでしたけど、少しは武術の心得があるんです! Eランクの魔物くらいだったら私も役に立つんですよ?」



 自信満々に笑うミカに、ユヅキも軽く笑いかける。



「E程度じゃ役に立たんから、早くオーガ程度は蹴散らせるようになってくれな? ほら、とりあえずブルーウルフがいるから倒してこい」



「うぅ……。ごもっともですけど、ユヅキ酷いですよぉ……」



「ほら、制御の練習がてらスキルかけてやるから、そんな顔すんな。【コントロール】」



「う……。やっぱりすごいですね……。身体が凄く軽く感じます! じゃあいってきまーす!」



 こうして、道中の魔物は全て二人の練習台兼飯のタネとして、狩り尽くされるのであった。






 ーーユヅキ異世界二人旅 STARTーー

なんか、意外といいコンビな感じが出てて好きです。

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