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13.宿場町リリーム

 宿場町リリーム……ここは、一の国と二の国を繋ぐ中継地点として栄えた町である。他の国と比べると近い位置にある一の国と二の国ではあるが、ひと息で通り抜けるのには流石に遠い。その為、商人達が中心となり露店や宿泊施設を建設し、今では大きな町へと成長したのだ。



 それなりに大きな町になれば、大概は魔物の進入を防ぐ為の外壁が建設されており、門を潜って町へと入ることになる。

 ここリリームも例外ではなく、二人の旅人は丁度、西門から町に入ったところであった。



「ふわぁー。人もお店もいっぱいですねぇ……!」



「さて、俺はこれからギルドに向かう。ミカルウィアスも元気でな」



「え、え、え、あの! 私もギルドに!」



「ん? ミカルウィアスもギルドに用事があったのか。そしたら行くか」



 勇気を振り絞って同行したいと頼んだのをスルーされてしまい、中々再び言い出せないミカルウィアスは、とりあえず離れなくて済んでほっとしていた。

 そんなミカルウィアスに全く気付かないユヅキは、黙々とギルドに向かって歩き出していた。





 冒険者ギルドリリーム支部。リリームの町が大きく発展してきた為、最近設置されたギルドだ。



「ギルド登録と、魔石の買い取りをお願いしたいんだけど」



 受付の女性が登録用紙と買い取りの準備をしているうちに、ユヅキはようやく手放せるなと、荷物袋の中から別袋に分けておいた魔石を受付の机に置いておく。



「えええええ?!」



 受付の女性の声がギルド中に響き、皆が何事かとこちらの様子を伺っている。無理もないだろう、普通買い取りの依頼に出してくる魔石は、朝から狩りに出て20個前後くらいだ。多くてもパーティで50個といったところか。対してユヅキはここに来るまでの三日間で、300個もの魔石を集めていた。

 それを一纏めに机の上に置いたものだから、ギルドは騒然となっていた。



 目立つのは好きではないユヅキは、内心ミスったなという気持ちでいっぱいではあるが、出してしまったものは仕方がない。

 そんなユヅキの顔を見て、申し訳ないという表情で受付の女性が話しかけてくる。



「注目を集める態度、受付としてあるまじき行為でした。申し訳ございません……。ギルド登録されますと買取価格を一割上げることが出来ますので、先にこちらの書類をお願いします。」



「いや、仕方ないよ。俺も少し反省してる。この紙に書けばいいんだね。あ、ギルドの説明は前に聞いてるから、無くて大丈夫……っと。んじゃ、これで」



「はい……。確かに確認致しました。ランクはFからのスタートとなりますが、買取が確定致しましたら恐らくいきなりランクは上がると思います。普段はそんなにお待たせしないのですが、量が量なので一時間ほどあとにまた来てもらえますか? あとは何か質問はございますか?」



「はい、はい!」



 横で大人しくしていると思ったら、いつの間にかギルド登録用紙をもらって、自分も登録を行なっていたミカルウィアスが手を挙げた。



「パーティ登録とかって、どうするんですか?」



 パーティを募るつもりは無いが、情報としてはおもしろそうであったため、ユヅキも隣で説明を聞くことにしたようだ。



「パーティですね。ギルドに登録される方と、自由に組まれる方がおられます。登録なさいますとこちらでもパーティと認識できますので、高ランクの依頼受注の際や、こちらから依頼を紹介させて頂く際に話がスムーズに通るという点が一番の利点となります。また、パーティ名がギルドカードにも表示されますので、連帯感を得る為にも登録される方は多いです。但し、登録されるされないに関わらず、報酬の分配などは個人にお任せしており、ギルドは一切関与しておりませんので、登録していないパーティでも特に不利益はございません。登録される場合、メンバー全員が自身とギルドカードをお持ちになって、用紙への記入を行なって頂ければすぐにでもパーティ登録は完了となります」



「なるほどー。でも、憧れですよねぇー、冒険者パーティって!」



 目をキラキラと輝かせているミカルウィアスであったが、ユヅキの方を振り向くと、説明は理解したからもう用は無いとばかりに、既にユヅキはギルドの出入りまで歩き去っていた。



「はぅ……。ユヅキさんドライ過ぎです……」



「大変そう……ですね」



 今のやりとりでミカルウィアスの気持ちを大まか察したのだろう。受付の女性はミカルウィアスをなぐさめるように、一緒にため息を吐くのであった。





 ーー異世界の猫苦難の道 STARTーー

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