一
目を上げると、そこは知らない風景。
というより訳の判らない状態になっていた。
目で見える辺りは、真っ白い世界。
ここは何処なのだろうかとも、思った。
天国か?地獄か?何処なのだろう。
考えるよりも行動した方がいいと思い、歩くことにした。
この場所から出なければ……………………
自殺しに来てこんなことになるとは、想像もできなかったことだ。
一歩、二歩、ゆっくり歩く。
まるで空に浮いてるみたいに感じる。
空を歩いてる時は、このような感覚なのだろうか?
歩いても歩いても、終わりは見えない。
無心になって歩く、一歩、二歩、三歩……………………
もうどのくらい歩いただろうか、振り返っても、自分が歩いた所は判らない。
進めど進めど、白、それ以外には何も見えない。
俺はこのお腹も空かない、喉も渇かない、不思議な世界で死ぬのだろうか?
ふと、自分の目的を思い出す。"自殺"
この世界では死ぬことは出来るのだろうか?
舌を噛もうかと思った。
その時、遠くで何かが光っていた。
それが何なのかは見ようと、そっちの方へ歩き近づいて行く。
半透明な宙に浮かぶプレートがあった。
文字が書いてある。
『世界選択』と……………………
文字を押す、するとまた文字が出る
1.魔法のある世界
2.近未来ロボット戦争の世界
3.ゾンビのいる平行世界
これの中から選択しろとでも言うのだろうか。
文字を見るだけでも判る、借金地獄よりも危険だろう。
1.魔法のある世界
は魔法ということは、それを使っての争いごとは勿論あることだろう。そして、ファンタジーというものによくある、魔物という存在も居るかもしれない。そういった世界に行くのは夢だろうが、やはり現実は甘くは無いだろう。
2.近未来ロボット戦争の世界
は文字にある、戦争というワード。どう考えても、危険な匂いしかしない。近未来とは何処までのことだろうか、レーザーでも飛び交っているのだろうか?それとも、実弾だろうか?勿論、ロボットというのはロマンがある。だが、戦争はその言葉で片付けることなどできやしない。
3.ゾンビのいる平行世界
論外である、危険度が他の世界より飛び抜けていると思われるだろう。食糧なども枯渇し、国という枠組みも無くなり。そして世界中にはゾンビが蔓延っている。
さあ、どうしようか…………。