表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

09 誰でもいい

 学年が変わって半年、今日からは『後期』のスタート。委員や役員も改選され、新たな体制が始まる。

 僕も、ファーの世話役ではなくなった。

 たまたまクラス委員だったから彼女のお守りを頼まれていた、それ以上でもそれ以下でもないはずなのに、この寂しさは何だろう。そんなことを考えれば考えるだけ、気が滅入ってくる。

 そんな不純な思いを見透かしたかのように、ファーが僕の席へと近づいてきた。

「テスさん。……後期も、これまで通り面倒を見ていただけたらと思うのですが」

「でも僕、もうクラス委員じゃないよ」

「私の仕組みを最も理解して下さっているのは、テスさんです。誰でもいいわけではありません。……駄目でしょうか」

 ファーはわずかに眉を寄せると、真っ直ぐに僕を見つめた。そんな風に頼まれて断れるわけがないと、彼女は知っているのだろうか。

 僕はわざとらしく頭を掻き、悩むふりをしながら答える。

「うーん。……分かったよ。じゃあ、先生にはファーから言っておいてもらえる?」

 はい、といい返事をして微笑み、ファーは僕に頭を下げた。その頬が何となく赤く染まっているように見えたのは、きっと僕の気のせいだと思うけれど――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ