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【番外編3】 不良品 -another side-

本編「不良品」の後の、ファーの小話です。

 再々点検でも異常なし。しかし、ラボの中では至って正常なのにも関わらず、登校すると中頻度でオーバーヒートを起こす。原因は不明。

 緊急点検の結果が打ち出された紙を見て、私は今まで感じたことのない『心』が自分の中に膨らんでくるのを感じた。

 もしもこのまま直らなかったら、私はどうなるのだろう。

 当初の予定通り分解されて、分析に回されるのだろうか。

 もともと一年限りの学校生活なのだから、たとえ今、退学したって構わない。少しだけ楽しいと感じ始めていたけれど、仕方がないことだ。私は機械だから。不良品なら、仕方がない。

 ――テスさんにも会えなくなるけれど。

 そこまで考えたところで、まだボディに繋がったままだった計器から警報音が鳴りだした。確認すると、『高負荷』を示す赤いランプがせわしなく点滅していた。頬や首に手をやってみると、熱くなっている。冷却が追いつかないほどの熱だ。

 人間で言うと、これは『病』なのだろうか。

 原因不明で、治らない病気?

 ――分からない。そんなこと、私の中のデータにはないから。

 警報音は鳴り続ける。研究員に聞かれないよう、私はそっと計器との接続を切った。

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