表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/25

20 すべりこみセーフ

『ファーの試験登校期間が無期限で延長される』

 知らせを受けた僕がナナミヤに着くと、ファーは制服姿で待ちかまえていた。駆け寄ってきた彼女に思い切り飛びつかれて、意外と重みがあることに気付く。ボディの内部はほぼ金属だから当然だが、今日はそんな些細な発見すらも宝物のようだ。

「私の脱走のおかげなんですよ」

「変なの。……元家出娘の言葉とは思えないよ」

「それなら、テスさんは家出の共犯ということになりますが」

 妙に得意げなファーの笑顔に、僕もつられて笑う。

 実際、彼女の言う通り、終業式翌日の『脱走』がこの結果に繋がったらしい。彼女の感情と行動のプログラムからすると完全にイレギュラーな行動に、研究員たちが興味を抱いたとのことだった。

 ならば、これからは僕らの恋も研究対象となるのだろう。もっとも僕の中では、再びファーと過ごすことができるという事実一つで、そんな不安など帳消しにされているのだが。

 彼女も同じようなことを危惧しているのか、やや顔を曇らせて僕に尋ねた。

「私は、あなたともっと親しくなることができますか?」

「うん。……これ以上ないって程に、ね」

 僕の言葉に、ファーは笑みを浮かべて目尻を指で拭った。

サイトでの完結時に書いた後書きは下記のURLです。

http://silentsirene.blog77.fc2.com/blog-entry-263.html

いろいろと言い訳をしておりますので、よろしければご覧下さい。


これで、「親しい間柄ですか?」本編は終了です。

この後、番外編がいくつかありますので、できればそちらもどうぞ。


「私とトリウミテツノスケさんとは心を通い合わせることが可能な、親しい間柄ですか」

「うん。……そして、もっともっと親しくなれるよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ