旧友…
健「体調どう?」
み「いきなりどうしたん?元気やけど…」
事情を知らないみさとはなぜ健也がいきなりそんなことを聞くのかわからず笑いながら答えた。
健「よかった。」
みさとは健也に対してなにか安心感のようなものがあったのですっかり打ち解けていたが、今の二人に思い出がないことを健也は寂しく思っていた。
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コンコンッ
み・健「はい。」
泰「おはよう。今日はな、小学校と中学校の同級生何人か来てくれたんやで!」
み「そうなん?誰?」
?「みっさとー!久しぶり!」
?「やっほーみさと!」
?「よぉみさと!」
?「みゃーちゃん元気?」
みさとが知っているのは4人の内2人だけだった。
?「わかる?千尋やで!」
?「彩華やで!」
?「俺は俊や!」
?「翔太やぞ!」
みさとは千尋と彩華という女の子のことは憶えていなかったが俊と翔太のことは憶えていた。
み「俊…翔太…久しぶり!ち…千尋ちゃんと彩華ちゃんは中学校の同級生…なんかな…?」
千・彩「そうやで!」
俊「記憶喪失でも小学校までの記憶は戻ったんやってなぁ?」
翔「だからみゃーちゃん俺らのことは憶えてるんか!」
翔太が納得したように言った。
それからみさとはみんなと昔の話をいろいろした。
千尋と彩華とはさすがに女の子同士なので記憶がなくてもすぐに打ち解けていた。
みんな楽しそうだった。
ただ1人、健也を除いては…
千尋と彩華の話を聞いているうちに記憶が徐々に戻ってきていた。
今のみさとは思い出しやすくなっているようで元のみさとに戻りかけていた。
思い切って健也は聞いてみることにした。
健「俺のこともなんとなくでも思い出せた…?」
み「……ううん…ごめん…」
健「そ…そっか。いいよ。」
みさとは申し訳なさそうだった。
それを見た健也は笑顔を見せた。
健也が笑顔を見せるとみさとの表情が明るくなった。
健(みさとの笑顔をなくさせちゃだめだ…)
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1時間後…
みんなのことを完全に思い出したみさとは記憶をなくす前の表情だった。
それを見た健也は無性に寂しく感じた。
健(俺じゃ思い出させてあげられなかったのに…)