笑顔…
健「みさと…なんか思い出したん?」
み「昔よくその子達と遊んだ気がする…それで…泰成さんのことをやっくんって読んでたような気がして…」
泰「そうやで!そう呼ばれてた!」
み「この黒糖のケーキ、としみちゃんのおばちゃんが作ってくれたの?ショートケーキはゆきなちゃんと?」
泰「うん!思い出した!?」
み「昔のことは思い出した…!でも小学校ぐらいまでのことしかまだ思い出されへん…」
健「ゆっくり思い出していけばいいよ。」
み「うん…ありがとう…!」
健「いいよ。じゃあ俺そろそろ帰るね。泰成さん、ありがとうございました!」
そう言うと健也はみさとの頭を撫でて病室を出た。
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健也は病院を出て自転車で家に帰った。
帰っている途中、健也はいろいろな感情が溢れてきてどうしたらいいかわからなくなっていた。
健(みさとの記憶が少しでも戻ったのは嬉しい…とても嬉しい…でも思い出したのは小学校まで…その記憶の中に俺は居ない…小学校の時だって好きな人ぐらい居た普通…なら今みさとは誰のことが好きなんだろう…俺なんかじゃなくて…いや…考えるのはよそう…記憶が戻ったのはめでたいことなんだから…)
健「ただいま。」
健母「おかえり。みさとちゃんに会いに行ってたんでしょ?どうだった?」
健「記憶が戻ったよ!…小学校までのだけどね」
健也は笑顔を作って言った。
健母「そう…!」
その顔がとても寂しそうでせつなくて…健也の母は何も言えなかった。
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翌日、健也は朝早くから病院へ行った。
病室のドアをノックしようとした時、みさとの母に後ろから声をかけられた。
み母「健也くん!」
健「おはようございます。」
み母「おはよう。これから先生に検査結果聞きに行くの、健也くんも一緒に聞いてくれない?」
健「…わかりました。」
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医「これがみさとさんの脳です。脳には異常ありませんでした。」
み母・健「「よかった!」」
医「しかし…言いづらいんですがね…これを見てください。心臓の写真なんですがここが損傷を受けているんです…今の医学では治すことはできません…残念ながら余命1ヶ月ぐらいです」
み母「あの…手術をすれば延びることはないんでしょうか!?」
医「残念ですが…」
みさとの母は藁にもすがる想いで聞いたが返ってきたのは予想通りの言葉だった。
健也は状況を理解するのがやっとだった。
話を聞き終え、健也はみさとの部屋に入った。
み「おはよー健也!」
健「おはよう!」
健也はみさとを不安にさせないように笑顔で言った。
目の前にあるこの笑顔を守るために…