意識…
9月12日
宣告を受けてから3日が経った。
みさとの意識は戻らないままだった。
健也は信じると決めた……だがだんだんと不安になってきていた…
健(みさとが死ぬなんてあり得ない…そんな事考えたらだめだ…)
健也は不吉な考えを頭から飛ばすように頭を振った。
その時…健也は驚くものを目にした…みさとの目から泪が流れていたのだ……!
健「…み…みさとっ!?俺が考えてたことがわかったの?大丈夫だよ…俺もうそんなこと考えないから…だから…戻って来てよっみさとっ!」
健也は必死だった。
みさとが戻って来る…そう考えるだけで嬉しかった。
健(障害があったっていい…俺が支えてあげればいい…幸せにすればいい…だから…だから…こっちにおいで……!)
その強い想いが届いたのかみさとの目が開いた!
健「おかえり…おかえりみさと!よく帰って来たね!よく…頑張ったね…。」
健也はそう言ってみさとの頭を優しく撫でた。
まもなく医師がやってきて検査を行なった。
その間みさとは一言も喋らずぼーっとしていた。
医「今のところ異常はありませんが、また明日細かく調べてみないことには何とも言えませんね。しかし意識が戻ったのは奇跡です!早く回復できるように全力を尽くします!」
健「よかった……ありがとうございます。」
健也は嬉しくて堪らなかった。
最愛の人が戻って来てくれたのだから…
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話を終え、みさとの元へ戻った健也はみさとに話しかけた。
健「みさと…この間は1年の記念日だったのに会えなくなってごめんね。でもみさとが入院してる間は毎日来るからね…!」
健也は笑顔でそう言った。
みさとも笑顔で答えてくれる…そう健也は思っていた。
だがみさとは笑っていなかった。
健「まだ怒ってるの…?」
健也は恐る恐る聞いてみた。
しかし…
みさとは不思議そうに健也を見つめていた…
そして初めて口を開いた。
み「私はみさとっていう名前なんですか?あなたは誰?私のこと知ってるん?ここってどこ?」
健也は目の前が真っ暗になった…
健(みさとは自分のことすら憶えていない…もちろん彼氏である俺のことも…)
いわゆる記憶喪失…つまり『ここはどこ?私はだれ?』状態だった…
健也は急いで医師に伝え、検査をしてもらった…