写真…
またまた遅れてしまってすみません(>_<)っつ
健「はい、麦茶でいいよね?」
み「うん、ありがとう。」
2人は飲み物を飲みながらのんびりといろいろな話をした。
みさとはとにかく明るく、楽しく大切な《今》という時間を過ごしたかった。
だから沢山笑っていっぱいいっぱいはしゃいだ。
健也はそんなみさとを愛しく思った。
いつまでもこうして居たい…みさとの笑顔をいつまでも見ていたい…
でも健也はわかっていた…永遠に続かないことを…
だからこそ思うことでもあった。
《お願い…離れて行かないで…俺を独りにしないで…ねぇみさと…これって我儘なのかなぁ…………》
気が付くと健也はみさとをじっと見つめていた。
み「……健也?どうしたん?」
顔を紅く染めてみさとは恥ずかしそうに聞いた。
健「なんでもないよ。」
健也は笑顔でそう答え、照れた顔を隠す様に優しくみさとの頭を撫でた。
健「そろそろ戻ろっか。」
みさとの頭を撫でながら健也は言った。
み「もうそんな時間か!早いなぁ!」
みさとは驚いて笑ってそう言った。
でもその笑顔はどこか淋しそうで…哀しい笑顔だった…
空は2人の気持ちとは裏腹に綺麗なオレンジ色だった。
み「あっ!」
みさとは突然何かを思い出した様に声を上げた。
健「なに?」
み「写真…一緒に撮ろ?」
みさとは笑顔でそう言った。
健「いいよ。」
健也はその笑顔がとても可愛らしく思えて明るくそう答えた。
みさとはベンチにタイマーをセットしたカメラを置いた。
ピッ…ピッ…ピッ…………ピピピピピッカシャッ
2人は仲良く写真を撮った。
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コンコンッ
部屋に戻って少しするとノックする音が聞こえた。
看「ご飯ですよ。」
返事をすると看護師さんが夕食を運んできた。
み「ありがとうございます。」
看護師さんは夕食を机に置くと部屋を出た。
み「いただきます。」
みさとはゆっくりとご飯を食べた。
食べるペースは前に比べると随分と遅くなった。
顎の力も衰えてきた為もあるが手の動きがゆっくりになったのが一番の原因だった。
みさとが夕食をとっている間、健也はずっとみさとの隣に居た。
み「ごちそうさまでした。」
健「じゃあ、俺そろそろ帰るね。」
み「うん、ありがとうね!」
みさとがそう言うと健也は優しく微笑んでみさとにそっとキスをした。
みさとは顔が熱くなるのを感じて俯いた。
健也はその頭を撫でた。
健「また明日ね。」
み「うん!ばいばい。」
2人は明るく別れた。
…………しっかりとしたみさとの声を聞くのがこれが最後になるとは…健也は全く予想もしていなかった……