空…
翌朝先に起きたのはみさとだった。
み(泊まるならソファ使えばよかったのに…風邪ひいちゃう…)
みさとは近くにあったカーディガンを健也にかけ、トイレに行こうとベッドから降りた。
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みさとがトイレの近くに来ると話し声が聞こえてきた。
みさとは音をたてない様にドアに近付き、耳を傾けた。
医「余命のことをみさとさんに伝えますか?」
み・母「はい…でもまだあの子は記憶が戻って間もないですから…もう少し様子を見てからに…」
医「しかし…あと1ヶ月の命…あまり余裕はありませんよ…」
み・母「考えさせてください…」
医「わかりました。」
み(…!!!!!!!?)
ガチャッ
み(やばい!)
みさとはすぐ隣のトイレに隠れた。
コツッコツッ
みさとの母親は通り過ぎて行った。
み「はぁはぁはぁ……」
み(今の話って…どういうこと…?私の余命…しかも1ヶ月…聞き間違え?でもはっきりと『みさと』『余命』『1ヶ月の命』って言ってた…これって健也も知ってるのかな……あっだからいつもあんな目を……!…そっか…そういうことやったんや…健也の…あんな表情を作ったのは私…!?健也を不安にして…心配かけて…泣きそうな顔まで作らせて…私…私……)
みさとはいつの間にか走り出していた。
息を切らしながらエレベーターのボタンを押した。
途中看護士にあったがみさとは平然とした顔をしてある場所へと向かって行った。
そして目的の場所に着いた。
ガチャッ…
ヒュー
みさとは屋上の扉を開いた。
とてもいい天気で気持ちのいい風が吹いていた。
みさとは近くにあったベンチに倒れ込む様に座った。
そして上を見上げた。
…立体に見える雲…薄ーく広がって細長い雲…飛行機雲…孤立した小さな雲……
みさとはいろいろな雲を見つけた。
みさとは空が大好きで何かあった時はいつも空を見上げていた。
いじめられた時…辛い時…悲しい時…おじいちゃんが亡くなった時…おばちゃんが亡くなった時…健也に告白された時…嬉しい時…
みさとは自然と昔のことを思い出していた。
み「あの時もこうやって空を見上げたっけ…」
みさとは呟いた。
み(私のせいでみんなが寂しそう…私がおれへんかったら健也は今苦しまんでもいいのに…私がおれへんかったらお母さんだってあんな辛そうな声…出さんでよかったのに…全部…全部が私の存在のせいや…私の存在がみんなの人生狂わしてるんや…)
み「私さえ消えれば……それで全てが解決する……」
みさとはそう呟いて立ち上がった。
何のためらいもなく前へ進んだ。
ガシャッ
みさとはフェンスに登り、フェンスの向こう側へ降りた。
み「健也…お母さん…みんな…今までごめんな…これで終わりやから…」
そう言った後、みさとはふと思った。
み(車にひかれそうになったあの男の子…どうなったんやろう…私すぐ気を失ったから…あの子は生きててくれたらいいな…)
み「私の分まで長生きしてな……」
そう言ってみさとは両手をフェンスから離した…