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スペースオペラって何だっけ?【仮】  作者: 吉高 都司


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 -8後編

 白いセーラー服の三人が出迎えてくれた、腰にはそれぞれサーベルをたずさえて。

 それが正装に準じているのだろう。

 そのサーベルの(つか)の当たる音が小気味よく聞こえたのは、出撃する前とは違った、気持ちが伝わっていると思うのは、気のせいだろうか。


 それでも、左サイドテールの三女は気まずそうに。


 ツインテールの長女は、顔が紅潮していた、多分自分の見立てが、俺を味方にと進めていた手前、面目が保つことが出来たから嬉しかったんだろうと、思っていた。

 が、

 この後女の人の気持ちの機微を、もっと勉強すべきだと後で後悔する事になる。


 二女の右サイドテールは特に表情は変わらず冷静で、感情をあまり表に出さないのだろう、二人の間に立ち二人に何か言葉を掛け合っていた。


 三姉妹は。

 一人は、出撃前、そんな戦力では無理ゲーを敷いた手前の気まずそうな。

 一人は、喜び一杯。

 一人は、冷静だった。


 それらのそれぞれ思いで、それぞれの顔色で、帰艦した我々を出迎えてくれた。




 夕食会と戦勝祝賀会を合わせて招待してくれた。

 その席で。

 俺は、彼女達に向かい君たちの想定の、それ以下の手駒で戦って勝つから、その実力が分かるんだろう?と、改めて出撃する艦の諸元表を見ながら言った。

 続けて、

 この星に残されているのは、相当古い艦ばっかりだ。

 軍縮条約が発効されて以降の、新しい艦はすべて、徴発されて父君や、兄が用いているようだ。

 唯一あの白鯨と呼ばれている弩級戦艦か、いや、登録は練習艦だから条約から外されたといった具合か。


 三人を前にこう言った、特に三女に向かって言ったつもりだった。

 今回、はっきりしたことがある、決して、君たちの御父上や兄上は、古い艦を捨て駒の様に置いていったわけではない、むしろ逆だ。


 三女、

 どういうこと?


 俺、

 諸元表を見て、最初は自身が無かったが、乗艦して、運用してそれは確信となった。

 三女

 確信?


 俺、

 そう、ここに条約発効前の艦ばかりだ、つまり無制限状態の艦、リミッターの無い艦ばかり。



 乗船してすぐにリミッターを解除した。

 当然、封印はされているから、それを取り外した、ここで、俺が外すことによって、その責任は俺にかかってくる、君たちではない。ふらりと寄った、どこの馬の骨とも分からない傭兵が勝手に封印を解いて、リミッターを解除してしまった。

 君たちの知らない所で、勝手にされた事。

 その後、ボアアップされ様が、しようが、全て見知らぬ傭兵がやった事。

 多分、それを見越して、敢えて最新鋭の艦を凌駕する性能の旧型を置いていったんだろう、この事を想定して。

 多分父君は、かなり賢明な方だと推察する。


 俺の艦がそうだ、制限のかかる前の艦は制限機能、リミッターが無いからいくらでもボアアップできるし、外観以外は装甲を含めいくらでも改造し放題だ。


 諸元表と、実際の諸元が桁、単位が間違っているのかという位乖離していた。

 あまりにも、現物の艦の性能が格段に上だったから。


 多分今、俺の艦を修理してもらっているが、整備兵、整備工は信じられない、こんな化け物みたいな戦闘艦でよく無事に航行できるもんだと、思いながら取りかかっていると思う。


 三女、

 じゃあ。


 俺、

 そう、これからいくらでも改造できる、艦を置いて行ってくれたんだ。

 さっきの戦いを見ただろう、特に最後の殿(しんがり)の戦艦は新型の艦だったはずだ、俺の戦艦は余裕で追いつきそして撃破した。

 三女、

 確かに。


 そうつぶやくと、左サイドテールの三女は二女、長女の傍に寄り添いごめんなさい、と小さく呟き、お父様疑ってごめんなさいと続けて何度も謝りながら、三人とも抱き合い、お互いががお互いを労わり合っていた。そして、三人がうなづき合いこちらを振り向きこう言った。



 三姉妹が、急に居ずまいを正したかと思うと。

 ツインテールの長女、国家元首は高らかにこう言った。

 私は、貴殿を夫にすることにいたしました、当家のしきたり、我が國のしきたりに則って

 宣言いたします。



 俺の思考は停止した。




 侍女はあっけにとられ、直ぐ我に返り、国家元首に詰め寄り何がどうなっているのか、問いただした。


 元首は、

 我が國では同じ考えを持った者同士が特に尊ばれ、身分、地位は度外視される。


 抗うと私は思っていた、殿方も同じ思いで、行動原理で、我々を守ってくれた。しかも、家長である父上の名誉も回復してくれた。

 こんな高潔な殿方であれば、身も心もこの殿方に捧げます。



 侍女は、そんな後から言われても私の方が先に掟により艦長の妻になることが決まっている。と言い放った。


 いやいや、俺はその件は受諾してないが。



 私の旦那様となる方に対して無礼であろう。

 即物的に、見られたからとかがその起因することと、するなんて、なんて野蛮な。

 我々の様に、あくまでも、深遠な、神聖な、心が、精神がその原理となっています。

 抗う、その心が、魂の共鳴がとても高尚な事なのです。

 裸を見られた?そんなもの、肉体がどれだけの意味がありますでしょうか、我が夫に相応しい、殿方を、見つけて、いや、運命の輪が私たちを繋げたのです。

 妹たちも、心の準備が整っております故。

 妹たち?

 そうです、姉妹も一緒に殿方に一生添い遂げましょう。


 もっとも、それを聞いている俺の頭がバクハツしそうだった。


 侍女は、普段はあんなに冷静沈着な彼女が、火が付いた様に三姉妹に食って掛かっていた。



 その光景を見ている途中で、亡命旧家臣が近づいてきて、俺に耳打ちをした。


 あのリングについてだ。禿(かむろ)一行が調査した途中経過の報告が入って来た。

 分かったことは。

 やはりこの國のみならず、星域全体にかかる問題。

 使用権、領有権を主張しているやつらがいて。

 この國の父君、兄上を徴発(ちょうはつ)したそいつらが、後ろで操っている。

 何故そんなまどろっこしい事をするのか。


 三姉妹と侍女が言い争っているところを見ながら、あの、戦艦の艦橋から見たリング。

 次空間転移ゲートを思い出していた。

今回も、この回を、この拙作に目を通していただき誠にありがとうございます。

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