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スペースオペラって何だっけ?【仮】  作者: 吉高 都司


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 -7.2

 右舷被弾(うげんひだん)損害軽(そんがいかろ)し。

 高次(こうじ)高度飛翔弾(こうどひしょうだん)、命中。

 主砲通常弾、一斉射。

 味方、駆逐艦、(われ)操舵不能(そうだふのう)、我操舵不能。自沈乞(じちんこ)う。

 敵戦艦、大破。

 敵重巡、撃沈。

 敵艦隊、退却し始めました。


 戦線より、敵艦船影(てきかんせんえい)確認できず。

 我が方の勝利です。


 音声モニターに戦況(せんきょう)報告が鳴り響き。

 正面画面モニターには、味方艦のマーカーと敵艦の撃沈地点のマーカーの点滅が音もなく(またた)いていた。

 敵艦群(てきかんぐん)のマーカーが退却を示し、そのマーカーがモニターから姿を一切消えたのを確認して、警戒警報を一段階下げさせた。

 対空監視と重力振(じゅうりょくしん)監視は続けるよう、そして、全幹部を作戦指令室に集合させるよう言い残しコクピットから退出した。


 指令室に向かいながら思った。

 父上や兄上、主だった重臣(じゅうしん)達が()ってからどれくらい月日が経っただろうか。

 (のこ)された、妹たち、それに母上や、重臣達の残された妻子(さいし)


 この星には、主だった戦力は虎の子の伝説の海洋生物から名前を冠した、この弩級戦艦(どきゅうせんかん)白鯨(はくげい)

 何とか供出(きょうしゅつ)から隠し通せたのは奇跡としか言いようがない。これも、父上や兄上の機転が物を言った。この白鯨が無ければ、この星はあっという間に野盗共に蹂躙(じゅうりん)されていたことだろう。

 文字通りまっしろな艦船はその伝説を現実のものと彷彿(ほうふつ)させるのに十分な威容(いよう)であり、雄一の我が星での旗艦(きかん)である。そして、人材の育成が急務であることも(かんが)み、合わせて幼年兵学校(ようねんへいがっこう)の練習艦としての運用も兼ね備えさせた。

 自然、女子しか成り手が居ないので、幼年兵(ようねんへい)女学校(じょがっこう)となった。

 その他には戦艦、重巡、軽空母、駆逐艦、等と言った、防衛に最低限度の戦力が残るのみ。



 作戦会議室の前に立ち、思った。

 あの時、そう、突然そいつらはやって来た。


 新型兵器とやらをちらつかせ、ほとんど、植民地扱いで、我々の星の物、人の、戦力のほとんどを供出、奪い取り、持って行ってしまった。

 形だけ、侵略ではなく、協力要請というアリバイ作りの為、やってきた人間はこの星に残らなかったのは唯一の救いだった。

 おかげで、戦力的に手薄になった我が星は、格好の周りの悪党(あくとう)どもの、野盗共(やとうども)の標的となった。

 多分我らの戦力を持って行ったやつらと、()()()みなのだろう。

 いずれにしても、父や兄たちが帰ってくるまで、それまで、この星を、我が故郷を、父の代わりの元首(げんしゅ)として民草(たみくさ)を守らなければ。

 そう誓ったのはつい最近の出来事の様だった。



 長い髪を(うしろ)で左右に分けた彼女は、作戦会議室に入った。


 すでに妹たちは、スクリーンに目をやり近づいてきている()()について話し合っていた。

 ()()、は。

 情報で聞いていた。

 どうやら枢軸と帝国が手を結び、一大勢力となった。その際、ある傭兵団の協議会と呼ばれる団体が壊滅的な攻撃を受けた。

 その生き残りではないかと。

 その証拠に、我が星に亡命している、ある星の旧重臣と連絡を取り合っている内容を、証拠として情報局が掴んだらしい。

 そこで。

 長い髪を右に()っている下の妹は、で、あるならば亡命している旧重臣とやらに懐柔させては。

 と言い。

 長い髪を左に結っている二番目の妹は、いや、どんな災い、を持ってきているのか分からない、先の大連合の戦い、枢軸と帝国が大連合して一つとなって、連盟や、同盟を叩き、今回は協議会がほぼ壊滅的と聞いている、そんなところから、どんな素性か分からないものを、(かば)ったとて、只でさえ戦力が乏しく、野盗連中に狙われているこの星に何の得がありましょうや。


 たしかにそうだ。

 亡命してきた御仁(ごじん)、旧重臣は、父上や、兄上がまだ、この星で健在だったからこそ、国力も十分だったからできたわけで、戦力供出を命じられ、ほぼすべての戦力を欠いている今の状態では、どうする事も出来ない。


 持って行き場の無い怒りがずっとくすぶっていた。

 少し考えさせてほしいと、作戦会議室を後にした。



 窓から、白鯨の白い艦体の光り輝くさまを見るのと、自身の感情の落差をどうしても拭い去れない、自身がこの星の民草すべての命を預かっていると思うと、やってくる、助けを求めてくる何者かを助けたい思いがそうさせる。


 本来ならば、まだ高等学校で青春を謳歌している年代。

 実際、このことが起こる直前までは、この星の国技の全国大会に向け、日々血の滲むような練習をしていた。

 チームのみんなで苦しみや喜びを分かち合おう。を合言葉に、悔し涙や、うれし涙を共にした友達の顔を思い浮かべた。

 あの時に誓った、青臭いと呼ばれるかもしれない一つ一つがそれでいいのか、と自分自身い問いかけてくる。

 持って行き場の無い怒りは、我々から全てを奪い取った奴ら、そして、便乗する野盗共に対してだ。


 そして自分に。


 下の妹たちも、それぞれ、学問に、スポーツに、恋にとその人生の華と咲こうとしているその時に、このような(あらが)うことのできない、時代の流れに翻弄(ほんろう)されてしまった身を。

 どのように抵抗していこうかと、もがき苦しんでいるのがありありと分かる。


 今、この星に辿り着こうとしているそれは、もしかするとこの現状を少しで変える事ができるのではと、根拠はないが漠然とそう思った。


 意を決し、作戦会議室に戻り、この星の元首として、妹たち他重臣、そして幼年兵女学校たち幹部に言った。


 我は、(あらが)う。と。


目を通していただき有難うございます。かなり時間が空きました。申し訳ございません。何とか書き続けて参りますので何卒よろしくお願いいたします。

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