表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

黒尾の欠片はフェイクなのか?

黒尾って…誰だっけ…?


あぁ…浦川学園の時の…


レイの報告を受けたレッドは黒尾の存在自体忘れていた様子で暫しの間、思い出すのに苦労したみたいだが黒尾に対するレッドの印象は異様に殺人願望の強い小者でしかない。

レイにしても異様に執着心が強いと言う印象がプラスされただけで似たりよったりの感想でしかない。


だが…


「なぁ〜んか違和感が有るのよねぇ」


呟く様に言ったのはイエローだ。

魔界全土を所狭しと言わんばかりに活動しているヒーローにとって雨音の街くらいの規模なら箱庭程度でしかなく、人間の動きを把握するなんてのは造作もないが面倒なのでそこまではしない。

やっていたのはレイとレイに絡んだ者達の監視のみだった。

黒尾はその中の一人だったのだが、イエローだけは黒尾の存在が何か異質な者と感じていたらしい。


「てかさぁ、唯の人間の幽霊が妖怪の技なんか使える筈がないじゃない?然も伝授どころかコピーすら出来ない筈の固有スキルをさ」


話題にしているのは黒尾が何故にソウル・イートが使えたのかと言うことだ。

ソウ・イートは魂喰の固有スキルの筈で他の者に伝授するのは不可能の筈なのだ。

今までこの話題が出て来なかったのは格上には不発に終わってしまっていたからに過ぎない。


「黒尾って幽霊にあの技を伝授したのではなくて欠片を植え込んだとかじゃねぇの?それなら可能だろ」


あの戦闘を思い出しながらブルーが口を挟んで来た。

ブルーの言いたいことも解るが、あの状態の黒尾に欠片が入っていたのなら何故妖怪化しなかったのかが疑問に残る。

魂喰が黒尾が保有している悪意そして他の幽霊を取り込んだパワーを見逃す筈がないからだ。

それに、レイを狙っていた魂喰にはあの状況は絶好のチャンスだった筈だ。それをしなかったと言うことは黒尾の欠片に入っているのは魂喰ではないと言うことになる。


「だとすると強欲しかいないな…」


難しい表情を浮かべでレッドが呟く

強欲ならあの状況でも何もしないと言うか出来なかったからだ。

出来なかったと言うのは、表に出た時点で気付かれてしまい、魔王側に存在がバレてしまう。そうなると計画が破綻してしまう可能性が高かったからに過ぎない。


「でもさ、欠片の中に欠片を紛れ込ませるなんて出来るの?」


前列あったかなと言うよりそんな事が出来る妖怪なんて知らないよと言いたげにイエローが食い付くがそれに対してアホかお前はと言いたげにレッドが


「提督の能力が有るじゃないか

髪の毛一本程の欠片でも寄生させていればヤツならそこから再生可能だ」


と、言ってのける。

5欲の主である強欲は当然ながら5欲全ての能力を保有しているのは当たり前。

従って、欠片を幽霊に寄生させて潜伏状態にするなんて造作もないことだろう。

そうなると解らないのは、黒尾と強欲の接点だ。

村岡でさえ、5欲としか接点はない

例え5欲の全てと接点があって全ての欠片を植え付けられたとしても強欲にはならない


「じゃあ、真紀に強欲の欠片が入っていたってこと?」


レッドの言葉にムッとしながらそんなことを言い出すイエロー。

あるとしたらその線しかないだろう

そうなると同じような人間が何人も存在していてもおかしくはない

だが、真紀の様な人間はそうそういるものではない

念の為、雨音の街の住人を対象に調べてみたがそこそこの犯罪願望を持つ者は存在しているが、真紀や黒尾程ではないし幽霊や妖怪に取り憑かれている訳ではないので俺達の出番はない。


「ヒントは斎藤佑哉にあるのでは?」


四人のやり取りを黙って聞いていたブラックが口を開く。

とは言え、斎藤佑哉は既に死亡していて、その魂は地獄へと落ちている。

地獄と言えば村岡と是流

この二人に訊けば良いのではないかと思うのだが、地獄にも多種多様な場所が存在しており管轄区域に対象の魂が落ちていなければどおなっているのか解らない。


「レイの動向ばかりに気を取られてそこまで調べることは無かったからな」


ここに来てどん詰まり感は否めないが、謎を謎としたまま残すわけにはいかない。


「兎に角、ダメ元であの二人に渡りをつけるしかないだろうな。」


後が怖いので関わりたくはないが、こればかりは仕方がない。

意を決した表情になり二人に会いに行くことにしたレッドはそのことをレイと真智子に伝えて地獄界へと赴くことにしたのであった。


………

……


レッドめ…

伸二の修行はどおすんだよ…


レッドの報告を訊いたレイはブーブー言っていたが、一度言い出すと前言撤回しないのは解っているので「さいですか…行ってらっしゃい」としか言えなかった。

伸二の修行はレッドの帰還を待ってからにしようとか考えたのだが、真紀の出所に間に合わない可能性がある。


横で座禅して瞑想している伸二をチラリと見てため息混じりに真紀の監視をゆう子に任せて伸二の修行を始めようとした時


「ちょっとアンタ!

あたしをのけ者にして何楽しいことをしてんのよ!」


何処で訊いたか嫁の感と言うヤツか解らないが突如現れたコヨミがレイに有無を言わさず伸二の首根っこを引っ掴んで


「この幽霊はあたしが鍛えるからアンタはアンタのやる事をやる!」


と言って消えてしまった。

後で知ったのだが、お母さんが幽霊相手に修行を着けることになった事を嗅ぎつけて天音とゆう子を問い詰めて事の経緯を知ってしまったとのことだ。


なにはともあれコレで体制はバッチリってわけだ。


後は…


あの欠片が他の受刑者に感染しない様に監視しないとな。

俺は真紀の監視を強化するのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ