表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

復讐心に火を灯せ

ことの成り行きを黙って見守る緑発を無視して美穂を引き摺って移動したのはマンションの屋上だ。


「明夫くん…なんで…」


号泣しながら「何で死ねない…ごめんなさい」を連呼して自殺を繰り返す明夫に絶句したかと思ったら「もう止めて」とか言いながら明夫に抱きついて自殺を止めようとしたのだけど、幽体状態の明夫は捕まえることが出来ないどころか美穂に気付くことなく飛び降りる行為を止めることは出来ない。


どおして…


唖然あぜん呆然ぼうぜんの美穂に対して何も言わず再び首根っこを掴んで移動した場所は美穂の母親が住んでいるアパートだ。

真紀の裁判の原告は被害者の会を結成した被害者の親であり、その1人が美穂の母親なのだ。

何で連れて来たかと言うと、自分自身の遺影を見せる為。

遺影を見せたら否が応でも自分が死んでいると理解出来るだろう


「美穂は死んでいる…」


美穂の母親は幸いにも夜勤の様で誰も居なかったから堂々と自らの遺影とご対面させることが出来たが遺骨が無かったと云うことは既に然るべき措置を成されているのだろう。

まぁ、納骨先は解るけど後々面倒なことになりかねないので行かなくて良いよな。

おっと…そんなことを考えていたら美穂のヤツが漸く現状を理解し始めたようだぞ?


「なんで…

なんで気付けなかったの?

死んだら永遠の親友?

嘘に決まってるじゃない…

美穂って本当に馬鹿…

お母さんごめんなさい…」


ふ…フフ…アァ〜ハッハッハ…


つぶらな瞳が大きく見開かれ、そこから溢れ出る大量の涙。

然し声は泣き声ではなく笑い声そのもの。

そんな美穂を横目に遺影の前に置かれた封筒が目についたので中身を確認したところ、何とそれは明夫から美穂に宛てた詫び状だった。

こんなもの書いたところで後の祭りだろうよ

内容は事の経緯と許されないことをしたことに対する謝罪だった

それを美穂にも見せると怒りに更に燃料を投下したみたいで


「許さない…ゼッッッタイに!!!」


と、言い切った

コレを…この状況を待っていた

真紀の呪縛が解け怒りに火が灯るこの時を!

すかさず美穂に対してどおしたい?と問い掛けると


「腐れ外道の真紀に復讐出来る程の力を下さい…

お願いします!!」


懇願する美穂の周囲に黒い霊気が纏わり着いて行く。このままだとR級化するのは考えなくても解る。

なので


スパコーン!


グーパンか平手打ちでも良かったのだが、黒い霊気を鎮める為にはハリセンが1番なのだ。

引っ叩かれたことによりダメージが入った美穂は頭を抱えて痛がっていたのだけど、黒い霊気は消え失せたからヨシとしないとな。

目的は短時間で美穂をLR級中位以上に育てるためだ。


「先ずは落ち着いて怒りの感情を殺せ!修行はキツいぞ!?生半可の覚悟では界底落ちすんぞ?それでもやるのか!?」


復讐に囚われた幽霊がどおなるかそしてその末路を説明した後で別の方法も教えて選択させると迷わず後者を選んだ美穂を天音に託して俺は次の手に移る。


現状では死刑にするのが最適解なのですがね…


次の行動は、真紀の裁判官の守護霊を呼び出して真紀の判決を懲役刑にすることだ。

勿論、遺族の感情を考えると死刑にするのが良いのだけど、それでは被害者本人がかわいそすぎる。

あの女には死より辛い生き地獄に叩き落さないとならない。

何にしてもあの時のトラウマを払拭したい気持ちが大きいんだ。

それは真智子も一緒だと思う

時間を戻してやり直しなんて出来ないけど、ヤツの一人勝ちにはさせない!

難しい表情をしながらも受け入れた裁判官の守護霊は守護対象を誘導するべく戻っていく。


さて、真智子とゆう子はどおなっているかな?


………

……


ゆう子?ちょっと話があるのだけど、今は大丈夫?


ピンクと結婚した後、ヒーロー活動に勤しむゆう子は激務の連続の様でろくに顔を合わせてもいないと言うか念話で話そうとしても忙しいからまた後でとかの連続なので疎遠に近い状態になっている。

そんな状態なので今回も話は出来ないかと思っていたのだけど、レイが根回ししていた様でアッサリと話しをすることが出来た

現在は魔界でダンスや野球等の文化普及活動を中心に動いているとの事で忙しいと言いながらも調査はしてくれていたみたい。

現魔王は私なのだけど、文化普及活動の担当は空なので恐らくは私を抜きにして動いているみたいね。

一人目の宮下伸二は心を壊された時点で使い物にならないと思ったのだろう。

雨音大橋の下に連れていき、自分で首を吊れと命令したら抵抗することなく首を吊ったとのことだ。


二人目の脇坂メイは苛烈な仕打ちに耐えきれなくなり、一度は逃げ出したものの、逃げたことがバレて激怒した真紀に捕まり72時間に渡り性的暴力を加えられた挙句の果てに心が壊れてしまい隣町の駅の近くの踏切を通過する貨物列車に飛び込ませたとのこと。

もうね…これだけのことを平然とやってのけて私は悪くないと宣った真紀に対して憤怒の感情しか湧いてこなかったわ。

程なくゆう子そして私達が暴走しないようにとピンクが来てくれたので宮下伸二の現状を確認しに行った。

でも、アレから何年もの月日が経過しているので界底落ちしているのではないかなと危惧していたのだけど、号泣しながら「真紀ちゃんゴメン」を繰り返して首を吊っていたよ。

どおしたらこんなに追い込むことが出来るの?

あのスーパー最悪人め!

まぁ、この子が未だに自殺を繰り返していたと云うことに対しては驚いたけど、完膚無きまでに心を壊されたと言うことなのだろうね。

この状況では呼びかけても無駄だろうから浄化の気を纏わせた右拳で思い切りぶん殴ってやった。

ぶん殴った感覚で解ったのだけど、美穂と同じく真紀の想念に取り憑かれていたよ

そんな状況なら抜け出せないのも無理ないか

ぶん殴られた衝撃で想念が吹き飛び、序に10m程吹っ飛んだ伸二の魂が邪魔すんなと叫びながら突進して来るけどゆう子の金縛りの術で動きを止められて何も出来なくなってしまう。


「フンッ!

男なんぞ連れ込みやがって…直ぐに出ていくんじゃもん!」


動きを止めた伸二を結界で包み風龍神社に連れて行ったら今度は男が来て良い場所じゃないと言い出す緑発様をひと睨みして黙らせ、漸く大人しくなった伸二に事の経緯を話して死を受け入れて成仏するか 真紀に復讐するべく私達の提案を受け入れるかの2択を迫ったら復讐したいと宣ったので、天音の所に送ってあげたよ。


で、脇坂メイなんだけど…

この子が酷かった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ