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アルビオンの幼子  作者: Nyatoruhu
ユリゼンの星
8/13

07 「それが伏見の答えなんだ」


人ならざる白髪の女性が私をのぞき込んでいる。

人でないとわかるのは頭部にある二本のヤギのような角の存在。

手を差し出されて手を繋いだ。

そのまま引き寄せられて、耳元でささやかれる。


「よかったね」


何がいいのか。その人を見た。

酷く楽しそうに笑っている。


「記憶を失った程度で済んだんだ、伏見」


これは私の事を知っている?

誰なのか、何を知っているのか。

問おうと声をだそうとして声がでないことに気づいた。


「ここは伏見若斗の記憶の欠片。君が見る夢。過去にあった出来事」


「だから当然。今の君は声を出すことも、何か影響を与えることもできない」


一方的に語りかけてくる。


「魔術を学ぶものは自らの身を護るためにそれを学ぶ」


「学ばなければ、君自身の魔力に殺されてしまうし

それに悪い人が君を実験材料にだってするかもしれない

そういったことから自分を守るために学園に通う」


「でも君は身を護る術も忘れてしまったんだ」


手を引かれ、うっそうとした森のような場所を歩く。

どこか見覚えがある景色だった。

開けた場所にたどりついて、彼女は言った。


「さぁ最初の問いだよ」


挿絵(By みてみん)


「あれは大切なもの?」


挿絵(By みてみん)


指さされた先を見る。

巨大な影と木に寄りかかる小さな影。

2m、3mはある。獅子、蛇、山羊、様々な獣がつぎはぎされたような巨大な獣とロマン・ベルモンドが血だらけで木にたたきつけられていた。

化物は鋭い爪を振り上げている。

それを見てどくんと鼓動が跳ねた。

この景色を私は知っている気がする。動悸が激しくなって背筋が凍りそうだ。

身体が勝手に動く。

手を伸ばす。


「それが伏見の答えなんだ」


挿絵(By みてみん)


目が覚める。

焦りの感情だけがあった。

どんな夢を見たのか覚えていない。

ただ、ロマンさんに会いたかった。

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