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第六話 お化けスポンジ

 翌日、神聖学園の校門前で兄の夢乃神姫(ゆめのしんき)は妹の真夏(まなつ)と待ち合わせをしていた。


「ヒメちゃん、お待たせ」

真夏は、あどけなく兄のヒメに言い放った。


「真夏、今日、時間あるのか?」

「ヒメちゃん、今日はお稽古もないから大丈夫。

ーー もしかして、昨日の続き?」


「真夏、ちょっとだけ違うけど、ほぼ正解だよ」

ヒメが言うと兄妹は笑いあった。


「実は、ネットで面白い話が流れていて

ーー 有名な成功者の彩虹二人(さいこうふたり)さんの話なんだが、真夏は知っている?」


 駅と学園の途中にある公園のベンチで、ヒメと真夏の会話が弾む。


「真夏、なんで人間の殆どが成功していないか知っている?」


「ヒメちゃん、なんか、難しいお話なの」

「真夏は、難しい話が大嫌いだよ。

ーー 知っているよね」


彩虹二人(さいこうふたり)さんが言うには、

ーー 人間の脳が間違った情報を認識するんだって、

ーー 脳もお化けスポンジと同じで間違った情報をも受け入れてしまうとか」


「昨日のお化けスポンジの話の続きなの?」


「真夏、途中まではスポンジの話の延長かも知れないけどさ

ーー ちょっとだけ違うと思う。

ーー 彩虹(さいこう)さんは、自分の脳におかしいを伝えないといけないと言っていた」


「ヒメちゃん、それってどう言うことなの?」


「真夏、脳が勝手に違う現実を創造してしまうと、

ーー 彩虹二人(さいこうふたり)先生が解説していた。

ーー なんか無意識レベルのお話と似ていないかな?」


「じゃ、どうするの」

真夏がヒメに質問する。


「そこで、考えて見たんだよ。

ーー 潜在意識が底なし沼のようになんでも吸収する特性を持っているなら、

ーー それを逆利用してみようかなと」


「利用って、どうするのよ!

ーー と言うより危なくないの?」


「真夏、潜在意識のスポンジに別の情報を吸収させれば、

ーー 多分、問題ないかなと思う」


「それでもさ、ヒメちゃん、危なくないよね」


「真夏、それを二人で、これから考えようと思って、

ーー 今、真夏に話をしている」


「お兄ちゃんが、言う意味は分かるけどさ、

ーー 未知の領域でしょう」


「ある意味、昔の映画、

ーー 神との遭遇の様な大変なことで・・・・・・」

「私には、想像も出来ないよ」


「分かるけど、真夏の生まれながらの霊能力の高さに期待しているんだよ!」

「ヒメちゃん、それ、すごい誤解よ」


「霊能力が高いのは、私じゃなくてヒメ兄よ!」


「私は、いつもヒメ兄に守られて錯覚していただけで何もできないし、

ーー していません」

ヒメは、その言葉に反論出来ないまま、押し黙って妹を説得する言葉を探していた。


 ヒメは、未だ覚醒していないのだけれど、妹は、ヒメの覚醒を疑わない。

ヒメ自身、本当に覚醒したらと思うと、ぞっとして眩暈(めまい)を感じた。


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