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課題0 現代一行詩

作者: すみ いちろ

目の前まっ黒 頭まっ白




放った言葉に 離れる人




昨日の幸せ 今日の悲しみ




笑いあったのに もう話せない




日が沈んで 心が沈む




夜に目を閉じる 想い出が目を覚ます




昨日の葛藤 今日妥協




お話ししたいな お話ししたくない




そんなの嘘だろ それは本当だ



 

真実に怯える 嘘に酔いしれる




どこまでも目を逸らして テーブルの隅を見つめる




秒針の音 君からの手紙



 

目くらましに 花火




初めて見た君 最期の後ろ姿




車内に一人 終点まで




スマホの明かり メッセージは無し


 


ひとり帰路につく 無言の「お帰りなさい。」




そばにいてほしかった ふたりの距離は今は永遠




録画予約 予定の無い手帳




暗い部屋にポツン まぶしいアオハル純恋愛アニメ

  



揺さぶられる気持ち 今も変わらない

  



抱きしめたい あきらめたい



 

二度と来ない夜 明けない夜明け




ひとり眠る 眠れぬ夜




ひとり想う 夢で再会




言葉がはずむ 沈黙がしめつける




息が止まる 止まらない鼓動




時間が止まる 止まらない感情


 


繰り返す 停止と再生の涙



 

泣いていた 誰もいないのに




確かめる 不確かな画面




暗闇に メッセージ




分からない 箱の中身




空っぽの自分 君を除いて




縮こまる明け方 割れた胸の内ぱっくり




旅立ちは夜明け 飛び出す白い鳩




どこへゆくのか大空へ 青空のような人だった




雨ばかりふらし ごめんなさい




ふりそそぐ雨 降り止まぬ雨




歩き出す 黙って濡れて




歩き出す 傘もささず 




ふりそそぐ雨 冷たい雨




歩き出す 何も持たず




歩き出す 濡れたまま




打ちつける雨 シンとする




ひとりきりの ふたりきり




並列する 地平線 水平線




その上に広がる青空 真ん中にいるふたり


 


大きな風が吹いて 飛ばされるはてしなく




無数にいる僕 誰だか分からなくなる君


 


落ちた水面 向かい合わせの鏡




正解 不正解 間違いじゃない




選び取った答えは 間違いじゃない


 


探し求める本当の答え 届かない答え




届かない青空のように決して 決心した君




どこへゆくのか大空へ 青空のような人だった




いっぱい雨ふらし ごめんなさい




アメ玉のように とけてった




口の中に何も無い 甘酸っぱい


  


いつまでも残しておきたい 朝の歯磨き




夕べは眠れなかった 目の下のクマだけ残して




爽やかとは言えない 鏡の中の男


 


そのまま扉を開く おいてゆく 


 


足先が向かう 彼方の水平線




境界線を越える 空と海の真ん中



 

愛おしい あなたらしさ




追いかけようとして 見えなくなる後ろ姿




吐き出した溜め息 白い深い霧




紛れ込む自分自身 見えなくなる


 

 

世界の果てに飛び込む勇気の無い自分 変われない自分




崖から這い上がる自分 生まれ変わる自分   



 

力強く歩き出す君 弱々しく歩き出す僕




大差ない世界 大差あるふたり




今日もどこかで 明日もどこかで 誰かに出会うまで




最期の後ろ姿 初めて見た君




君に出会う 最長距離




地球上では測れない 確かな憶測




宇宙の真ん中で 君と出会おうか


  







 











 










 





















 











  











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― 新着の感想 ―
[一言]  お~、好きなフレーズが所々に。  これ、やりたいけど、200字が遠いです……。
[一言] なるほど俳句とは違うのですね。反対に難しいかも。 昏迷苦まだ遠く 道々食む金平糖 
[一言] おぉー、読ませていただきました! やはり短い詩ほど、作者の個性が見えてくる気がします。 すみいちろさんの作風として、あえて1マス空けることでその前と後ろの対比が面白いです。矛盾だけど矛盾じゃ…
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