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異世界魔王の現代生活  作者: 紅葉 空葉
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魔王と少女 そして始まる新生活

今回はユリシスと奏衣の出会いから本ちゃん新生活始動まで書かせて頂きました。

今回も伝えたい事の情報量が多くて読者の皆様にちゃんと伝えられるか心配です。

一生懸命伝える事と楽しく書く事を両立出来るようファイトします!

暗闇の中に遠くから音が聞こえて来た。

それは最初、小さく聞き取るのが難しかったが次第に大きくなってきた。

意識を音に集中させると光が一瞬で広がり、私は目を覚ました。

「なんだ、ここは」

狭い路地だろうか周囲は賑やかな音で飛び交っている。


路地から出ると見た事のない光景が広がる。

四角い建物に見慣れない衣服を纏った人間、チカチカと眩しく点滅する光の玉。

「光が煩い、ここが人間の言う天国ってやつなのか?」

訳が分からない状況で整理が追いつかない、一旦落ち着ける場所へ移動しようとした時だった。

「お嬢ちゃん、可愛いねー、コスプレ好きなの?」

いきなり男がこちらに向かって何かを発している、言葉だろうか・・・意味が分からず考えていた。

ただ、馴れ馴れしいヤツだなと思い殺そうと思った。

「何をしているんですか、その娘困ってますよ」

また違う人間か、今度は女だ。

『なんだ?揉めてるのか?』

『んー、ダメだ、さっぱり分からん』

考えていると、急に右腕を掴まれ走り出した、掴んだのは女の方だった。

いきなりの事で驚いた、直ぐ冷静になり『なんだ、この女馴れ馴れしいな』

掴まれた腕を振り払い殺す事は容易だったが情報が無い現状を把握したい。

そう考えた私は、そのまま女に連れられ走った。


息を切らせて女が止まった。

周りを見渡す私、するとまだ荒い息遣いで女が言った。

「貴女、なんで逃げないのよ!」

「ん?」

「あのままじゃ、大変な事になってたわよ」

ものずごい数の言葉が飛んでくる、初めは捲し立てられ威圧しているのかと思ったが女の顔は威圧とは全く違う表情だった。

『哀れみ、違うな』

そう思い私は女の頬に手を当て額に私の額を当てた。

すると、この世界に関する情報が一気にすんなりを流れ込んできた。

『よし、欲しい情報は粗方揃った』

私は用が済んだので、近かった女と少し距離を取った。

「情報の提供感謝すーーー」

「な、なにするのよー!初対面でこんな!」

私の言葉に被るよう女が声を上げた、その表情はさっきのとはまた違った。

今は頬を真っ赤にし怒っている。

「ん・・・って、あれ?」

ある事に気づいた、さっきまで分からなかった言葉も理解出来ていた。

「ちょっと!聞いてるの?」

考え込む私に女は言い寄り更に詰め寄る、怒る彼女に私は考えて先程得た知識の中から答えを選んだ。

『これだ!これしかない!』

「あー、ごめん」

思ったより軽いトーンの声になり、イメージとは違う声で私の頭の中はグルグルだ。

そんな私を見ていた彼女はいつ冷静に戻ったのか知らないが、私を落ち着かせようとしてくれた。

「そんなに、テンパらなくても大丈夫よ、一回深呼吸しましょうか」

そう言い私の肩をポンと叩いた。


「さっきは、いきなりでびっくりしちゃった」

そう言い彼女は私に笑いかけてくれた。

「さっきの行為にイヤらしい意味はないのよね?」

そのままの流れで聞いてきた彼女の笑顔は、笑顔とは裏腹な何かを感じた。

「ないよ、私はこの世界の情報が欲しかっただけ、だから・・・ありがとう・・・」

お礼なんて言った事が無かった私は次第に声が小さくなり、同時に顔が真っ赤になり熱くなる。

『な、なんだこの感覚は、この感情は』

「えっと、厨二病なのかしら」

厨二の意味は分からないが小バカにされた気がした。

「厨二が何かは知らんが、私は魔王だ、こことは違う世界の魔王だぞ」

『決まった、恐怖し怯えるがいい人間よ』

前の世界で名乗を上げた時と同様に決めた、泣いて許しを得るだろう、そう思っていたが反応は違った。

「ッぷ、はいはい魔王ね、で名前は?」

彼女は笑いを噴き出すを堪えながら聞いてきた。

「な、おい、笑い事では済まぬぞ!」

すると彼女は堪えるのを止め涙を流しながら大笑い。

しばらく、笑う彼女に何度も自分が魔王である事を訴えた。


「ごめんなさい、分かったわ、魔王なのね」

笑い過ぎてか涙を拭きながら

まだ信じていない彼女に対し私は頬を膨らませ怒る。

「私は、新美奏衣[にいみかなえ]よろしくね」

そんな私に彼女は笑顔で手を差し出してきた。

差し出された手の意味が分からない。

「握手よ、仲良くなった証」

察してくれたのか彼女が教えてくれた。

「あ、うん、よろしく」

私は、分かったような分からないような曖昧なまま彼女と握手を交わした。


手を握り合ったまま、少し時間が流れた。

『ど、どうしたら』

「あのー、そろそろ貴女の名前を教えて欲しいな」

苦笑いし、頬を人差し指でポリポリ掻きながら質問を投げてきた。

「私は、ユリシス、ユリシス=パズズ=サタンだ」

「そう、じゃあよろしくね、ユリシス」

彼女の言葉で胸が熱くなった、人間にとっては普通の事なのだろう。

だから彼女は、あんなにもサラッとし優しい笑みを向けてくれたのだと思った。

名前を呼ばれたのも嬉しかった。

それからお互いの事を話しながら、私達は彼女の家に向かった。



なんだかいい匂いがして目が覚めた。

外はすっかり明るくなっていた、ベッドから降り匂いのする方へ足を運んだ。

どうやら朝食を作っているようだ、まだ頭がボーっとする。

「あ、起きた?おはよう!良く寝れたかしら?」

私に気づいた彼女が明るく声を掛けてくれた。

「お、おはよう・・・うん、寝れた、ありがとう」

なんだろ、この世界に来てから御礼の言葉がすんなり出てくる。

「もう出来るから、顔洗って座って待っててくれる?」

「わかった」

私は洗面台の鏡を見て己の姿を確認し絶句した。

目の前に写ったのは、人々に恐怖を与えた魔王ではなく、15歳くらいの少女の姿だったのだ。

同時に彼女が私を魔王だと一向に信じなかった理由も理解できた。

確かにこんな子供じみた魔王じゃ怖くないわな、泣けるわ私。

顔を洗ってリビングに戻るとテーブルに朝食が並んでいた。

「あら、ずいぶんと長かったわね」

「いやまあ、ちょっと衝撃の事実が判明してショックを受けてた」

そう言いながら彼女の対面の椅子に腰を掛ける、うわ美味そう。

思わずヨダレが垂れそうになる。

「それじゃあ、食べましょうか、いただきます」

「いただきます」

美味い、トーストにベーコンエッグ。

まさかこんなに美味いとは、人間のご飯恐るべし・・・。

がっつく様に食べ終え満腹になった。

「ごちそうさまデシタ」

ご飯の後には、この言葉を感謝を込めて言うらしい。

「おそまつさまでした」

私の言葉に嬉しそうに返してくれた。


彼女が片付けている間、その姿をずっと見ていた。

片付けが終わりお茶を入れテーブルに着く彼女が聞いてきた。

「ユリシスが魔王だったとして、これからどうするの」

まだ信じてないな、仕方ない・・・この容姿じゃそうなるよな。

「昨日も言ったけど、私は前の世界で死んでるから戻る事はないかなー」

「だから、この世界で生活しようとは考えてる」

すると彼女が独り言様に漏らした。

「じゃあ、この世界での名前も戸籍も必要よねー、けどこんなに成長してる人のって取れるのかしら・・・」

それを聞き漏らす私ではない、いい事を思いついたのだ。

「よし、新美奏衣よ!私が魔王である事を証明しよう、戸籍とやらを取る場所に案内しれくれ」

「え、ま・・・まあ、それは構わないけど、本当に大丈夫なの」

少し心配そうにしている彼女に私は自信満々で答えた。

「問題ない!行くぞー」


市役所に到着し、書類に目を通す。

名前・・・住所・・・ヤバい、何処を書けば・・・

苦笑いしながら彼女の方を見る。

まさかこんな所に落とし穴があるとは。

すると見かねたのか彼女が近寄って来た。

「あらー、さっきの自信はどうしたのかしら」

くそー、言い返す言葉が見つからない。

「冗談よ、住所はユリシスがいいなら私と同じでも構わないわよ」

「いいのか」

「もちろん」

ありがたやー、住所が書けた。

『年齢か・・・、まあ20歳で行ける』そう思い生年月日を書き始めた。

「ねえ、まさか20歳にしないわよね」

「ん、まあ、その方がー」

「ない、ムリね、何がとは言わないけど」

意地悪くニヤニヤしながら言ってきた。

「ちなみにいくつに見える」

「16歳でいいんじゃない」

即答の彼女。

「なぜ」

半泣きで問う私に。

「同じ歳なら行動するにも一緒にできる事が多いでしょ、私もサポート出来るし」

今の私よりずっと建設的な説明に論破された、てか天使ですか貴女は!。

ヤバい、泣きそう・・・人間って涙脆い生き物だな。

他の必要事項を彼女と共に書き込んで行き最後に名前を買いて終わりか。

「名前、前の世界の名前をそのままは流石にマズイかもしれないわね」

「なぜだ」

「だってパズズだのサタンだの、この世界じゃ悪い意味で目立つわ」

ここまで世話になっているのだ無視は出来ないな。

「ちぇ、じゃあー、なんか良いのあるか?」

唇を尖らせ拗ねる様に投げた、反応が無かったので彼女の方を見ると真剣に考えて悩んでくれていた。

『少し、やり過ぎたか・・・』

次の言葉を探す、少し間が空いて言葉が見つかった。

「あのー」

「思いついた」

私の言葉と被った、しかし彼女には私の声は届いていない様子。

「どんな名前だ?」

遊莉(ゆうり) (しずく)なんてどうかしら」

「ユウリ シズク・・・理由を聞いて良いか」

「パズズとサタンは難しかったのとユリシスって名前が私すごく気に入ったの!

だからユリシスを少し変えてユウリ シズク」

「安直過ぎないか」

私もユリシスの名は唯一私を呼称する名前だったので思入れがあり、そこを気遣い考えてくれた事が今まで生きて来た中で1番嬉しかった。

「ダメ・・・かしら」

そう言いショボンと落ち込んでしまった、ここは素直に気持ちを伝えないと。

「い、いや・・・ダメじゃない・・・本当は凄く嬉しい・・・あ、ありがとう、その名前使わせて貰う」

あー、恥ずかしい顔から火が出そう、いやもう出てる絶対出てる!。

「・・・本当に!よかったぁ・・・」

彼女の目には安堵の涙が見えた。


書類を書き終え窓口に出しに行く。

「ちょっと、このままじゃ受理されないわよ」

彼女が心配そうに問い掛けてくる。

「大丈夫、ここからが魔族の本領発揮だ」

そう言いながら私の顔はここ1番、悪どい笑顔である事間違いなし。

窓口の椅子に座り書類を手渡しした時に暗示をかけ一時的に洗脳し審査を通過。


戸籍の完成を待つ2人。

「ねえ、さっきのってもしかして魔法とか」

「ちょっと暗示を掛けただけだよ、どーよ」

ドヤ顔で言ってみる。

「今回は仕方ないけど、今後は・・・」

そう言いかけ俯く彼女が何を言いたいのか分かった。

「今後は安易に使ったりしない、悪魔に誓って」

私は真剣な思いで彼女の目を見て伝えた。

「悪魔って、普通そこは神に誓ってじゃない」

私の思いが届いたのか彼女はまた優しい笑顔を私にくれた。

この笑顔を見ると胸の辺りが暖かくなる、安心する。




そしてこの日、私ユリシス=パズズ=サタンは遊莉雫として正式にこの世界の住人になったのだ。

「それじゃあ、改めてこれからよろしくな!奏衣」

「ええ、よろしくね!雫」

私達は互いに笑い合った。


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書き終えて、知識って大事だなと再確認しました(泣)

やはり、人生は一生勉強と中学、高校と先生や周りの大人に言われて当時は「ふーん」って軽い感じに受け流してたけど、作品を作るのに普段、目を向けない事へも目が向く様になり今は毎日の生活の中で作品に使えそうなモノを探すのが楽しく又辛くもあります!

今回も読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!

御意見、御感想お待ちしております。

今後とも宜しくお願いします!

でわ、また次のお話でお会いしましょう!

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