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閑話〜神界2〜

残念女神達の話です。


 真琴が黒曜とイチャイチャ終焉の地から移動している時、神界では不穏な空気が渦巻き始めていた。


「ねぇ、あの魔王が終焉の地から出て来たらどうする!?」


「恐ろしい事言わないでよ!私も私の侍女もあんな恐ろしい化け物を目にするだけで寝込んでしまうわ!」


「私達が管理する地が終焉の地の入り口なのよね…」


「「「いやー…!恐ろしい…!!!」」」


 女神達は、白銀の美丈夫に仕える者たちから、騒がしいと苦情を受けて自分達の神殿に移動をしている最中であった。


 話題は専ら黒曜の事であり、どれほどその姿が醜悪でおぞましいモノか。やら、黒曜が終焉の地から這い出て来たらどうするか。そんな事をひたすらループしていた。


 そして、神殿に着く頃1柱の女神がある名案を思い付いたと声をあげた。


「私達はか弱い神だから、あの魔王を人間達に退治させたら良いんじゃない?」


「えー、でもそれ創世神様にバレたら私達が消されるわよ?」


「だからね…?」


 その女神が言うには、女神達の教会に訪れた信者や神職者達全てに無差別で神託を告げる。各々1柱だけの信者に告げるより、あの地を統べる全ての神々の信者達が、同時に同じ神託を受ける事で信憑性を持たせる。


 そして、魔王を滅ぼしてもらう。


「私達はただ神託を告げるだけ。加護などは与えない。加護を与えなければ創世神様でも私達が神託を降したとは分からないはずよ」


「なるほどね…。その作戦、私は乗るわ」


「私もよ!」


 なら、神託の言葉を決めましょう。誰とともなく意見を出し合う。


「コレに決定ね!じゃぁ手筈通り今から数刻だけ神託をしましょう。」



 そして同時刻同タイミングにて、数十数百の信者、神職者達に神託が降った。



『この地に、魔王が復活しました…。どうか愛し子達よ魔王に屈しないでください。魔王はとても醜悪で狡猾です…。ですが、愛し子達であれば……。魔王を…どうか。』



 今まで神託を受けた事のない人々は歓喜し、そして絶望した。

 そしてこの神託はすぐさま王城へ伝えられ、王はあまりの内容に急ぎ魔王討伐隊の用意を指示。同時に、魔王の所在地の確認を早急に進めるよう各地の領主へ早馬を飛ばした。


 だが、それだけでは足りないと、冒険者組合への魔王捜索・討伐依頼、騎士志願者の招集を大々的に発表した。


 こうして、女神達の作戦により地上はかつて無い程混乱に満ちる事になる。

 だが結果的にこの出来事のおかげで、黒曜と真琴に取っては行動がしやすくなり、尚且つ頭角を現す事になるのだが。女神達は自分達の行動に疑いを持つ事もなく、魔王こと黒曜の最後をまだかまだかと期待していた。





「これで創世神様にバレても、私達は咎められないわ」


「そうね!私達は魔王を退治して何て伝えてないもの」


「人間達が勝手に行動したんだものね」


「「「私達頭良いわ〜。魔王滅びよ!」」」



 女神達は高笑いし、この件は方付いたとばかりに他の話題へと移っていった。






 だが、女神達は致命的なミスをおかしてる事に気が付いていない。


 魔王の風貌を伝えてないのだ。

 故に人間王は、醜悪で狡猾な魔物の調査・討伐を先に指示し、知能がある魔物が居た場合捕獲する事により、魔王の存在を探ろうとしていた。


 勿論、黒龍は神に属するモノの為、纏う力は神力。そして、創世神に並ぶとも劣らない実力を兼ね備えている。

 そんな存在を人々は魔王と認定するのか否か…で、考えれば自ずと答えはでるのだが…。


 黒龍憎し!のみで形成されている女神達は気づく余地もなかった。




「これで、創世神様のお側に一番近いのは私達ね!」


「滅びよ黒龍」


「大人しく隠居してれば良かったのよ」


「「「本当、それ!」」」





 案外俗物な女神達の高笑いが、神界に木霊した。




フラグを少しづつ設置する女神達。

暫くは、真琴と黒曜の話になります。

気が向いたら閑話ぶち込む予定ですので宜しくお願い致しますm(_ _)m

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