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閲覧ありがとう御座いますm(_ _)m

話が少し進みます

 



 さて致命傷を負った美女こと私は、未だに黒曜にロックされております。


 地上についたというのに私はまだこの世界の全貌を見てないのよ!

 私の視界には、ドアップやや引いた位置にあるヤケに整った私の旦那の顔があります!


 心配だ心配だと涙目になったり、蕩けそうな笑顔を振りまいたり、怪我はないか?と青くなったりヤケに忙しい黒曜の顔しか見ておりません。


 けどいい加減風景を見たいんですけど?知らない世界を堪能したいんですけど?  


「黒曜、私地上の風景を見たいんですけど?」


「あぁ、幾らでも見てくれ!我は真琴が攫われない様に、常に真琴の側で辺りを警戒しよう」


「いやよ、鬱陶しい!私は一人で大丈夫だから!黒曜も久々?の地上でしょ?黒曜も楽しみなさいよ」


「我は地上より真琴を眺めていたいよ」


 ……は?

 この黒龍さんは何を仰ってますの?


 砂糖を煮詰めた様な台詞、誰がこのドラゴンに教えたの!?私は、こんなラブな空気求めてないんだって!!!!


「黒曜さんや…私は職を探そうと思うのだけれども、どうじゃろうか?」


 思わずおばあちゃん言葉よ…恥ずかしい!


「っくく…真琴は本当に面白いな。顔が真っ赤だ」


「うっさーーーい!黒曜なんか知らない!離婚よ!離婚!あっち行け!!!」


「すまないすまない、余りにも真琴の反応が可愛かったから、つい…な?」


「顔に面白いオモチャって書いてあるわよ?」


 余りの恥ずかしさに、ぷりぷりしながらも街っぽい所にダッシュで逃げたのは仕方ないわよね!

 この時ばかりは自分の能力の高さに感謝したわ。火を炊く匂いと人の匂いが強い所に闇雲ダッシュしてたら、街っぽい所を発見したんだから…。 


 本当、人生何が役に立つか分からないものね…。


「これが噂に聞く夫婦二人三脚というやつか!我も真琴に置いて行かれない様頑張るよ!」


「全然違うから!着いてくんなー!!!」

 

 黒曜はくつくつと楽しそうに笑ってる。


 一見すると整い過ぎて冷たい印象の癖に、やたらと私の反応を見ながら良い笑顔するのよね。本当、分かんない。ハプニング結婚で、そこに愛はない筈なのに。


 けど、黒曜が笑うと心に温かいもので満たされるのよね。駄目な感覚だわ。これは駄目なやつだわ。絶対流されちゃいけないやつだわ。


 思えば私は「私」を見てくれる人に出会った事が無かったのよね。

 いつだって周りは、私を通して「  」を見ていたし。だから、黒曜の「日下部 真琴」を見る紅い目が、どうしょうもなく私を満たしてくれる様な気がするのよ。


 だけど私は「私」が、どう生きてきたか忘れさせる紅い目を受け入れられないわね…。私は「お金の為に」「認めさせる為に」「私を作ってきた」から。


 だから黒曜、私は貴方との結婚は不本意だと言い続けるし、優しい貴方を「私」の為に利用させて貰うわ。


 そうよ、私はこの世界で覇者になるの!

 そのためなら、心も封印してお金を稼ぐわ!!!








 暫く行くと、砦にも見える門が行く手を阻んでた。これって巷で噂の関所的なやつかしら?


「此処は、関所かしらね。」


「ふむ。入るのには並ばねばならぬのだな。」 


 街に入るには、この関所をクリアしないといけないらしい。いきなりハードモードね…。


 私はこの世界の身分を持ってないわけで。これ地球のパスポートじゃ入れないわよね。


 とりあえずノープランで冒険者らしき人達の列に並ぶ。はっきり言って浮いてる。


 なんたって、二人共この世界では珍しい黒髪だ。しかも隠す訳でもなく黒曜なんかは、ズルズルロングだ。

 私は直前までロッククライミングしていた事もありポニーテールにしているが、真っ黒。艶々キューティクルなロングストレートよ!


 そして、服装も問題よね。私はやはりロッククライミング装備で登山靴。黒曜に至ってはロングのコート?みたいな感じだけど真っ黒。そう、真っ黒なのだ。


 周りを見渡してもカラフルな髪色と、鉄系の色合いの装備?を着けてる人達(一部人じゃないのも居るけど)しかいない。

 しかも、皆立派な得物を装備してる。私は、ピッケルとサバイバルナイフしか装備してないし、黒曜に至っては何も持ってない。


 あー、これ入れないんじゃない?とか思いながら、周りの会話に聞き耳を立てていた。情報って1番重要だしね。


「アレって本当だったんだな」


「アレだろ?神殿に神託があったんだろ?」


「そうそう、魔王が復活したとか神託があったらしいぜ」


「だから王都にコレだけ冒険者が集められたのか」


 魔王復活?なんか嫌な文言が飛び出てきたわね。

 けど、もしかすると、コレってチャンスなんじゃない?私が華麗に魔王を撃退したら、報奨金とかガッポガッポでしょう?


 こりゃ乗るっきゃ無いわよね!


「黒曜聞いたわね?」


「ん?」


 勢い良く黒曜に振り向いて言えば、これまた蕩けそうな笑顔で私の事を見てましたよ…。


 勿論私は、致命傷を負ってしまい、鼻を抑えながらしゃがんだのは言うまでもないわね!


 本当…、私の旦那様の攻撃力半端ないわ……





真琴さん、どうやらただの能天気ハイテンション女では無いようです。

この先真琴さんの過去は清算されるのでしょうかね?

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