32.幸せは螺旋の如く
あのハプニング?騒動?白曜の思い付き?から早数年、私はそれなりに適当に良い意味で力を抜いて世界の管理を続けている。
この世界の管理者となってから、黒曜と私は世界各地を視察してまわっりながらも、毎晩お母さんの待つ家に帰っている。
そうそう、騒動が一段落し、一度お母さんの所に帰ろうとせがんで帰宅したら、ベルツ様とお母さんが滅茶苦茶仲良くお茶してて、これ私達より夫婦らしいわ…とか思ったのに…
お母さん、初過ぎてベルツ様の求婚聞かなかった事にしてるらしい…。
お母さん…
私は、私の部屋へお母さんを呼び、黒曜にベルツ様をお願いする。
そして、私は、お母さんの気持ちを確認する事にした。
「お母さん、お母さんはベルツ様と結婚しないの?」
「だってね?私こんなんよ?ベルツさんに悪いもの。」
ションボリして話すお母さん…、可愛すぎる!!!やっぱり、お母さんにはベルツ様みたいな人が合うよ!
「お母さん、お母さんが望むなら、時間の流れをベルツ様と同じにも戻せるんだよ?私は、精霊の加護があるんだから!」
そう、お母さんにも周りの人達にも、管理者の事は伝えてない。ただ、精霊の加護が付いたし、世界を周って困ってる人を助けつつ金儲けするわ!と伝えてある。
お母さんは、精霊の加護がどんなモノかイマイチ理解してないみたいだし、それっぽく伝えてみる。
「そうねぇ…けど、そうしたら、真琴ちゃんと時間の流れが変わっちゃうわ。そっちのが困るわねぇ…。私は、真琴ちゃんともずぅっと一緒に居たいのよ?」
お…お母さん…!!!
なんって、優しい人なんだろう…、自分の長い人生を嘆いていたのに、私がお母さんが居なく為ってから寂しい思いをするだろうと思ってくれてるんだろう。
こんな母親を持てた事、それだけでもこの世界に来た価値は充分だ。
それに関しては、世界グッジョブ!馬鹿女神達グッジョブ!
「なら、ベルツ様の時間の流れをドワーフ位にしてみる?親方も居るし、それならベルツ様も寂しくないと思うの。」
それを聞いてお母さんは、一瞬キラキラした瞳をしたが、直ぐにションボリしてしまった。
「けどね、ベルツさんの答えを聞かずに、そんな事は出来ないわ…」
どんな時も相手優先…お母さん!!!!大好き!!!
「お母さん!私、お母さんの事本当に大好きよ!大丈夫!任せて!私が全て請負うから!!!!」
お母さんは、え?え?と驚いているが、私は笑顔で部屋を出る。
そして、黒曜と一緒にいるベルツ様の所へ向かう。
勢いよく扉を開け、開口一番私はベルツ様へ聞く。
「ねぇ、ベルツ様?私のお母さんと結婚したい?したくない?」
唐突に聞いた私に、ベルツ様は良い笑顔で答える。
「あぁ、真琴。是非とも俺を君の父親にしておくれ。そして、未来永劫、千代さんを、真琴を護らせてくれ!」
ほらね?
やっぱりベルツ様は、理想の父親だ。
黒曜は、時間の流れの事もベルツ様へ伝えてくれてたらしい。黒曜のトロケる笑顔が私を捉える。
「ねぇ、お父さん、コレからとんでも無く永い時を生きる事になるわよ?覚悟はよろしくて?」
「その永き時、千代さんと真琴が隣に居るのだろう?なら、俺の答えは一つだ。」
ベルツ様の良い笑顔も貰い、私は願いを込める。
ーーーーみんな幸せになぁれ!
私が付けているジークとオウちゃんの核がハマったピアスとブレスレットが光る。
私の思いを乗せ、光がベルツ様を包む。
案外、精霊の加護のおかげで本当にベルツ様の時を永く出来たんじゃない?とか思いつつ、私の中で黒曜と白曜の加護が巡るのを感じる。
うん、今回も大丈夫ね。だって、私の旦那と義父の加護だもの。
「さぁ、ベルツ様?私の本当のお父さんになってね!」
さぁ、後は当人達の問題だからね。私と黒曜は、また次の都市へ向けて旅立つ。
さぁ、世界は私達を待ってるわ!
◇
私達は、こうして世界を年がら年中無休で旅する夫婦として、幸せの都市伝説みたいになったりもした。
毎晩自室には帰ってきて、お母さんとお父さんと4人で食卓を囲んでたりもしたんだけどね。
更に、少しばかり時を重ね、世界を回りきり、のんびり世界の管理をするだけになった頃、私は黒曜の子を5人出産した。
それはそれは、私よりお母さんが大歓喜し、涙を流しながら黒曜にありがとうと感謝する程だった。
1回目の出産では、私に似た男の子を、2回目は、黒曜に似た女の子の双子を、3回目は、私と黒曜何方にも似てる男女を。
出産時は、白曜も来て、お母さん達と三日三晩宴会騒ぎだった。
◇
きっとコレからも騒がしいし、それにとっても楽しい日々が続くだろう。
たまに、地球の事も思い出すが、私には家族や世界が居るから。
だけど…そうね、逃した昇給の事は忘れないわ。
「私は、誰よりも欲深く生きていくわ。だって、それが私日下部 真琴だからね!」
黒曜の手が私を引き寄せる。
「さぁ黒曜、子供達の所に行きましょう。今日もきっと騒がしいわ。」
「あぁ真琴、我等の可愛い子供達に真琴の武勇伝を聞かせてやろう。我が、世界が真琴のおかげでどれだけ幸せに成ったのか。真琴は、我のそして世界で唯一の希望という名の一輪の花だ。」
「あら?幸せになったのは私だし、花と云うには毒花過ぎない?」
私達は、笑い合いながら子供達が待つ庭へと向かう。
子供達は、私達を見つけると、嬉しそうに抱き着いてくる。
その側には、優しい祖父母と、精霊達が柔らかく微笑みながら寄り添っていた。
これにて、本編終了となります。
駆け足での本編終了となり、力不足を感じています。
これから、閑話や後日談をちょこちょこと更新しつつ、時間が出来た際には、手直しを含め対応していこうと思います。
最後まで、お付き合いありがとうございました。
次の作品でもお付き合い頂けたら幸いです。
唯月




