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異世界に咲く一輪の黒花〜黒龍の花嫁〜  作者: 唯月
クライマックス編
39/42

29


「……」


「…花嫁…黒龍の花嫁……」



 何か聞こえる。様な気がする。



「花嫁…!」



 花嫁って誰よ…!私は日下部 真琴よ!花嫁って名前じゃないわ!

 そもそも、女性は結婚したら花嫁って…おかしいわよね。

 結婚しても子供を産んでも、私は私だし、それ以外の固有名詞で呼ぶのは失礼よ。そうじゃない?



「真琴!」


 あぁ、はい。私です。なんですか〜?

 すみません、エキサイトしてしまいました。


「…真琴、ありがとう。」


 えぇ、まぁ、基本、私は何でも出来ますからね。で、どちら様ですかね?私何かしました?

 出来れば、引き抜きとかは止めてくださいね。今結構、充実感凄いんで。


「そうじゃないの」


 そうじゃないとな!?

 なら、スカウト?


 いや、まぁね、コレだけ美人だとそれなりにスカウトもありましたけど、今人妻?なんで、出来れば他に当たってください?


「違う!助けてくれてありがとう!」


 助け…?


 あぁぁぁ!!!!世界を助けたんだ!


 完全に呆けてました。そうね、私、世界を星を守りに戻って来たのよね。


「真琴は、自分のトラウマとも向き合って、私の事も助けてくれて、優しいね」


 んん?優しいのは周りよ?

 私は、あれこれ指示しただけだからね?そもそも、トラウマも黒曜が私の事を受け入れてくれたから、どうでも良くなったのよ。受け入れてもらえるって大事ね。


 だからね、優しいのは私じゃなくて、周りのみんなよ。


「けど、私を残してくれたのは真琴。望んでくれたのも、真琴だから…。ありがとう…。」


 うーん、ならそれでいいわ。

 感謝は受け取っとくわ。


「けど…ごめんなさい…私の憎み…消え去らなかった…」


 良いよ、私が何とかするよ。ここまで来たし、やってきたんだもの。途中で放り出したりはしないわ。

 あなたは、ゆっくり休んで。沢山頑張ったんだから、沢山休みなさい。


「ありがとう」










 なんか、沢山感謝されて、良い気分で目覚めた。

 私は、黒曜の背に乗せられゆらゆら良い気分。


 良い気分だし、もう全部まとめて終わらせようか。


「黒曜、私が魔王になっても愛してくれる?」


 黒曜は私を見つめ、ニヤリと笑う。


「真琴なら何でも良い。」


 ほら、黒曜は受け入れてくれる。

 どんな私でも、受け入れてくれる人が居ると思うだけで、こんなにも心強く、心地良い。


 なら、もう全部まとめて引き受けてやるわ。


「黒曜、星が抱えてしまった憎みや恐怖とか全部私に頂戴。他の人が抱えてしまっら、その人が魔王になるわ。」


 黒曜は、私の意図が分かっていたのか、軽く頷くと苦笑し、私に話し掛ける。


「真琴、真琴のおかげで、星の核は正常に戻った。星が抱えてた感情はまとめてあるから移すことも可能だ。」


 

 うん、だから移せってお願いしてるんだけど…



「だが、真琴忘れてないか?」



「忘れる?」



 私が何を忘れてるのよ…



「我は、有を無にする事が出来る。むしろ、得意だ。」



「と、いう事は、」



「負の感情も勿論消す事が出来る。」



 な!?



「ついでに、無から有を生み出す事も可能だ。湖も元に戻せる。」




 な!?





「星の核は、真琴に感謝し、また深く星の中心へ戻してやったからな…。真琴が望むなら、この星の人に関係しない自然物の回復は創世神にやらせてもいい。」





 へ?





「幸いにも、真琴の指示でこの世界は時を止めている。やるなら今だな。」





 えぇ〜…





「黒曜がチートだって忘れてたわ…」


「チート?我はただ出来る事はやろうと思ってるだけだぞ?真琴が、この世界を1から作り直すのを止めたんではないか。我等は、無から有を、有から無にするのは得意だが、一つの個を細かく戻すのはやや苦手だからな。」


 そうだ、黒曜も白曜も最初は、全部創り直すつもりだったのだ。それを止めて、なるべく現状維持のまま世界を平定するように行動してたのよね。


 もう星は落ち着いた、なら、負の感情や、自然物の回復ぐらいお願いしてもいいのかしら。


 うん、良いと思う。だって、それは悪い事何もないし。


「黒曜は、そういう男よね。なら、お願いしようかしら…、動植物に何も手を加えず、自然物の回復と、星が抱えてしまった負の感情の消去を。」



 黒曜は、極上の微笑みを私に向けると、空に高く昇って行った。

 それに追従する様に、白く長い綺麗な龍も空に昇って行く。



「綺麗…」




 私は、結構呆気無い問題の解決に、空に昇って行く2匹?2柱の神を眺めながら、微笑みつぶやいた。



 



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