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 光が収縮し、全ての世界の時間が動き出す……___




 私は、とっくに決めてた覚悟を、しっかりと口にする。

 そうすることで、より強固な意思となり、覚悟になる様な気がするからだ。


「黒曜、あの世界の中心に連れて行って…。王都より先、森に囲まれ先にある湖の底…、そこに、三馬鹿に意思を植え付けられた…星の素が居る…。らしいよ。」



 私は夢か幻か、世界から聞いた場所を伝える。まぁ、本当にあるのかどうかは、私にはサッパリ分からないけど。


 黒曜は私の手を取り、優しく力強く微笑むと、行こうと促してくれる。



「我の力もあ奴の力も、真琴の好きに使うが良い。我はどんな時でも真琴の味方だ。」



 黒曜は、私の目を力強くみつめ、私の不安を全て取り除いてくれる。


 だから、私は確信出来るのだ。

 あぁ、きっと大丈夫。

 みんな幸せになれる。って。


 黒曜の笑顔を見て、これが必然だし運命だったんだと思う。



「ねぇ黒曜、私達スタートはハプニングだったけど、今は結構良い経過を辿ってると思うのだけど、どう?」



 私の問を聞き、黒曜は一度ビックリした後、ニヤリと笑い、



「我等は世界も次元も超越した、最高の夫婦だと思うぞ。」



 黒曜は、私の欲しい言葉をくれる。

 うん!お金は稼ぐの好きだけど、頑張れば何とかなるのよね。けど、愛情って、私一人頑張っても得られないものなのよね…。


 それを、黒曜は与えてくれる。

 お母さんは、注いでくれる。

 ベルツ様は、受入れてくれた。

 親方は、笑ってくれる。


 なら私は、この環境をくれた世界に恩返しをしてやろう。

 世界は世界自身を救って欲しかったみたいだが、私もちゃっかり救われたのだ。


 そして、何も言わずに側に居てくれた黒曜にも救われたのだ。

 なら、黒曜がやらなきゃならない事を、嫁の私がやるのは当然だし、寧ろ、役に立てるのは喜ばしい事じゃないか。









 自分語りをさせて欲しい。そして、私の中のトラウマともおさらばするのだ。


 私が育った家庭環境は、決して良いものでは無かった。

 母は私を産んで直ぐ亡くなり、最愛の人を亡くした父は徐々に狂っていった。


 それでも、私が幼少期はまだマシだった。

 夜な夜な、母が恋しいと泣くだけの害のない、可哀想な人だったのだから。

 

 だが、歳を重ね、母に似てきた私を、母と間違えるようになった父は、私のことを「真沙子」と呼び、いつしか「真琴」と呼ばなくなった。


 そんな父は、本格的に壊れ狂っていった。

 

 私の事を完全に母だと思う様になっていったのだろう、私と常に居たがるようになる。



「真沙子、一緒に寝よう。」

「真沙子、側に居てくれ…。」



 それは、男が好きな女を誘う言い方だった。


 あぁ、もう駄目だ。こうなってしまっては、側には居れない。


 私は、逃げる様に全寮制の学校に入り、そのまま、家族にも中々会えない様な職につく事になる。



 そう、私の今までは、「真琴」として生きて来れなかった。

 だからこそ、「金」に執着した。


 金は、感情という、不確かなモノでは揺らがない。

 感情があるから、父は狂い、見たくない現実から逃げたのだ。

 

 ならば、私は揺らがないモノに縋ろうと思ったのだ。

 だから、父から離れた世界に来たとしても、いつ不安定な立場になるか、見捨てられるか怖くて、金に縋った。


 だけど、どうだ?

 ここに来てから、私は前程金に執着しなくなっていた。


 実際、黒曜は私に、金に執着するならすれば良い。自分はサポートに徹し、私を守ると言うではないか。そして、それは実行されてきている。


 いつか、気持ちが変わるかもしれない。

 けど、それでも、今「私」が「私」で居られるのも、大切な人達が増えて来たのも、全て受入れてくれた黒曜が居たからではないか?


 そして、私のこの心の中に生まれた感情は、「愛」ではないか?


 そう思ったら、伝えたく為ったのだ。


 きっと、黒曜は嬉しそうに微笑んでくれると分かっていたから。








 出掛けると聞き、準備を初めていた黒曜の腕に触れる。

 黒曜は、そんな私の行動に喜びを笑みに乗せ、頭を撫でてくる。


「黒曜、私今とっても幸せよ?私の大切な宝物を自分で守れるんだもの。」



「なら我は、そんな真琴の心を守ろう。好きにやるが良い。」



 ほら、黒曜は何時でも私の事優先。嬉しくなって、黒曜に微笑みかける。



「うふふ。なら、白曜に挨拶して、サッサと終わらせましょう。終わったら、皆でハイキングでもしましょ。」


「ふむ、楽しみが後に待ってると思うとヤル気が出るな。」


 私達は、部屋を出て白曜の所へ向かう。

 


 さぁ、壊れかけた世界を救ってやろう。

 

 私には、皆の優しい気持ちで出来た力があるのだから。




「白曜、私と黒曜はちょっくら、世界救ってくるわ。」



 ニヤリと不敵に笑い、白曜に告げる。

 うん、今の私、最高にかっこいいわ!





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