表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/42

24.5+α


 

 我の花嫁は、実に行動力に溢れ、そして、とても繊細だ。

 人の機微に敏感で、我が気付けないような事にも容易に気付く。きっと、それは真琴の半生に関わってくるのだろう。


 いつも笑顔を絶やさない真琴の、一線を引いた部分からも窺い知れる。

 初めに比べ、真琴も我を受入れてくれてるのは感じる。だが、本当に弱い部分には立ち入らせないのだ。


 我は、真琴の事が愛おしいのだと思う。

 真琴に頼られるだけで、飛び上がりそうなほど嬉しくなるし、真琴が、我以外に触れてれば、とても辛く感じるのだから。


 だから我は、真琴が本当の意味で、我の花嫁に為ってくれた時、真琴に真琴の弱い部分を聞きたいと思っていたのだ。






 居たのだ…。本当に。





「なぁ、黒龍。お前の嫁御は何だ?」


「何だとは何だ?」


 真琴が、女神達を人へと降格し、神界から追放した直後に再度倒れ、創世神の勧めもあり、寝台のある創世神の社へと移動していた。


 慣れない力を使い、精根尽き果てた真琴が心配ではあったが、我が居たら、気配で落ち着かないかも知れないと思い、真琴をゆっくりと休ませてやろうと、ジークやオウも連れ、応接間で創世神へ今迄の事を話していた。


 其処でコレだ。


「アレは異質だ。唯の人の身でありながら、黒龍と俺、そして精霊の加護を承け、尚且つ使いこなすとは…ありえん。ましてや、神を人の身に変えるなんぞ、俺でもお前でも不可能だ。」


 それは、我も思ったが、真琴だからきっと上手くいくと信じてた。

 真琴は、何か確信めいたものを抱いていた。だからこそ、創世神の加護も欲しいと言ったのだろう。


「真琴は、人の身で在りながら我の花嫁でもある。あれ位は出来るんじゃないか?」


「出来るわけないだろ!?元々形ある物を変異させるには、素から創り直す必要がある。なのに、あの嫁御は言葉一つでやってのけた。由々しき事態だぞ?」


 こやつは、我の真琴を全否定か?ん?


『真琴は星に呼ばれたからだにゃ』


『真琴は救う為に呼ばれた』


「「救う…?」」


 ジークとオウは、創世神に創り出されてから、あの星でずっと星の、世界の異変や改変を側で感じていたのだ。

 我等より、より星に近しい。そして、何より、精霊とは自然そのものだ。世界の思惑もより間近で感じていたのだろう。


『元々、星は歪みを正せる力を持つ者を呼んでいたにゃ。けど皆、それぞれ心に抱えるものがあるにゃ。だから、応えられなかった…にゃ』


『私達の声も聞けず、力の使い方も分からない…。だから、焦った星は干渉を初めたの』


 ふむ。世界が本気で干渉を初めてしまえば、我の様に総量で観てる神には気付け無い。


『真琴には、内緒。真琴には触りしか話してない。』


「少し覗いたが、あの嫁御、心に傷を負いすぎてる。自分を受け入れられてない。それの影響か、嫁御が少しでも好意を持ってる奴に頼まれたら断れないのだろ。自分で作り出した自分を固定するためにな。」


『更に星は、真琴のトラウマ?を弄ったみたいにゃ…自分自身を真琴の浄化の力で0にしてもらう為に。』


「そんな事は、星は出来ないだろ!?」


 創世神が驚愕の声を上げる。勿論、我も驚いては居る。


『あの世界は、女神達によって意思を与えられてる…。女神達が楽に統治する為に。』


 ふむ…、我が知らぬ所で女神達の干渉があったのだな…。

 確かに、同じ神位にあるものが力を行使していれば、我にも感知できぬ部分が出てくる。


「…あの世界は、我等の管理下だったものから、一つの生命体へと進化を遂げたのだな…。ふむ。黒龍よ、どう見る?」


 創世神が、我に意見を求める。答えなんぞ分かってるだろうに…。


「真琴の好きな様に…。全て真琴に任せると決めてる。我は真琴のサポートをする。星が、例え真琴を傷付けたとしても、真琴が許すのであれば、我も星を許す。」



 そう、それはガルバ殿と話した時から決めていたのだ。

 真琴は、母君やベルツ殿、ガルバ殿が居る今の世界を守りたいのだ。だとしたら、我に出来ることは、真琴がなるべく傷付かぬようサポートをする事だ。


「我は、真琴を信じるよ。」


 我は、創世神にそう答えた。決まっているのだ、我の中では。



「黒龍がそう決めたなら、俺も嫁御のサポートに回ろう。可愛い娘の為だし、何よりあの女神達に任せてしまった負い目もある…。」


『創世神様…真琴には伝えたの、世界を救ってって…』


『女神様達の降した神託により、世界に魔王が生まれるにゃ…。人の恐怖や悪意で出来た魔王が…。もう星は、世界では魔王化を止められない…にゃ。』



 人の恐怖や悪意とは際限がない。その矛先は、本来であれば魔王に仕立てられた我であった筈…。が、我が神気を纏っているが故、負の感情が向かう矛先が無くなってしまった。

 故に、あの世界に溢れてしまった気持ちをぶつける為の、依代が必要…。


 それに選ばれるのは………


「魔王になるのは、異世界からの人間か。」


「星が助けを求めて召喚し、助けてくれなかった…星からしたら裏切り者が、矛先候補…とはね。黒龍、嫁御は自身の同郷者を全て把握してるのか?」


「していない。そもそも召喚自体、ランダムみたいだからな…。」


 今、あの世界にはどの程度異世界人が居るのか…。早急なる対応が必要だな。



「創世神、水鏡の準備を頼めるか?」


「勿論。俺も探そう!」


 創世神は自身の側使えに指示し、通常より大きな水鏡の準備をさせる。確かに、2柱で覗くのなら大きい方が、探しやすくはある。


「よし、探そう」


 2柱で水鏡を覗き込む作業がはじまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ